yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計3710円。

 

a)エコッkuru絵本交換会にて。→初会場入り。

1・中谷千代子・文、中谷貞彦・絵『まりちゃんのおてつだい』福音館書店 ¥0

2・戸田幸四郎、加藤ちひろ・作画助手『リングカード・あいうえお』戸田デザイン研究室 ¥0

3・ロシア民話/アレクセイ・ニコラエヴィッチ・トルストイ・再話、佐藤忠良・画、内田莉莎子訳『おおきなかぶ』福音館書店 ¥0

 

b)ヤフオクにて。

4・マージェリー・クラーク・作、モード・ピーターシャム/ミスカ・ピーターシャム・絵、渡辺茂男訳『おちゃのおきゃくさま』ペンギン社 ¥900 阿武隈書房

5・『Weekly漫画アクション 1981年3月12日号』双葉社 ¥2810/9 トラストサポート

6・『Weekly漫画アクション 1981年3月19日号』双葉社 ¥2810/9 同上

7・『Weekly漫画アクション 1981年3月26日号』双葉社 ¥2810/9 同上

8・『Weekly漫画アクション 1981年4月2日号』双葉社 ¥2810/9 同上

9・『Weekly漫画アクション 1981年5月7日号』双葉社 ¥2810/9 同上

10・『Weekly漫画アクション 1981年5月14日号』双葉社 ¥2810/9 同上

11・『Weekly漫画アクション 1981年6月11日号』双葉社 ¥2810/9 同上

12・『Weekly漫画アクション 1981年6月25日号』双葉社 ¥2810/9 同上

13・『Weekly漫画アクション 1981年7月16日号』双葉社 ¥2810/9 同上

 

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 ママ向け無料冊子にa)の開催情報が掲載されていたのを目ざとく見つけたので、不要な絵本を3冊持って行ってきた。思ったより美品が並んでいたのが意外だった。1のような古い絵本は、今時の親は選ばなさそうなので、私のような古本好きが喜んでもらって来くることができる。b)は、最近届いたもの。

 1:1983年11月1日発行の、月刊予約絵本「年少版・こどものとも」通巻80号のペラペラ版。中谷貞彦・中谷千代子の両氏は夫婦らしい。掃除や洗濯などのお手伝いをしても失敗ばかりのまりちゃん、最後の買い物はちゃんとお手伝いできました、という筋。どちらかというと写実的で、動きを感じにくく、静物画のような絵だが、色調が好み。

 2:アイマスクみたいな型のカードがリングに綴じてあって、各カードには、「あ」は「あひる」の絵、という風に、あいうえお順に名詞や動詞などが描かれているもの。今回いただいたものは、あいうえお、から、なにぬねの、までしか揃っておらず、は、から、ん、までのカードがたぶんあるはずなのに、ついていなかったのが残念。しかしなかなか使い勝手が良さそうなデザインで、概ね満足している。

 3:それでもかぶはぬけません、がリズムと一緒になってよく覚えている。名作中の名作絵本と思う。とてつもなく、という単語が、普段、とんでもなく、をよく使う癖があるので、新鮮に響いた。おじいさんが踏ん張る時の足の位置が、かぶを抜けなくしているような場面もあるので、気になってしまう。応援を呼びにいっている間の休憩しているおじいさんらの姿も、実に味わいがある。

 4:絵本童話けしつぶクッキーシリーズの1冊。マージェリー・クラークは、メアリー・E・クラークとマージェリー・クィグリーの共同のペンネームで、それぞれ図書館員だったそう。赤黄青緑黒の5色それぞれの版を作って、印刷した絵ではないかと思う。くっきりはっきりの好みの絵。本文を載せたページも、黄色い素敵な枠で本文が囲われている。けしつぶクッキーを作って、本来の(人間の)お客さまを待っているところ、意外なお客さままで時間がきたらテーブルについていたという、軽いユーモアある物語。

 5:上村一夫「リョウの常識」のvol.32「歴史への旅」掲載号。vol.32としていながら連載33と書いてあるので、vol.0に相当する回があったのかもしれない。他に、矢作俊彦大友克洋気分はもう戦争」のvol.8「Monkey A GoGo」掲載。

 6:上村一夫「リョウの常識」のvol.33「期末テストを撃て!」掲載号。

 7:上村一夫「リョウの常識」のvol.34「赤頭巾ちゃんコンバンワ」掲載号。

 8:上村一夫「リョウの常識」のvol.35「引退宣言」掲載号。

 9:上村一夫「リョウの常識」のvol.40「猿の論理」掲載号。他に、ゲストコミックとして村岡栄一「チン・ドン・ドン」というチンドン屋?の読み切り漫画(父母息子の3人家族の魚屋の母親が亡くなり、父がやさぐれる。一念発起して、父と息子で1日だけのチンドン屋をするも魚屋は潰れる。それでも今後何かやってやれないことはないという勇気が湧いてきて新天地を求め旅に出る。という筋だが、終わり方にもう少し説得力が欲しいところ)と、こしばしげる「100てんブラザーズ」の読み切り漫画(こちらはなかなか面白くて、妙に金運の良い2人の見ず知らずの男が、拾った100円玉を元手に結構な金額までお金を膨らますも、しまいには元の黙阿弥のとなる笑い話。小林まことに絵が似てる)を掲載。

 10:上村一夫「リョウの常識」のvol.41「ドラマは悲鳴で始まった」掲載号。他に、ゲストコミックとして矢口高雄「イタチのイ太郎」掲載。

 11:上村一夫「リョウの常識」のvol.45「テレビは眠る」掲載号。

 12:上村一夫「リョウの常識」のvol.47「お七の末裔」掲載号。他に、特別ゲストとして木村えいじ「おとうが還った!!」掲載。

 13:上村一夫「リョウの常識」のvol.50「夢の大穴」掲載号。他に、矢作俊彦大友克洋気分はもう戦争」のvol.10「Monkey's Allowance」掲載。

今日買った本

■今日買った本。計1000円。

 

a)古書bunにて。→初入店。

1~4・二ノ宮知子『GREEN 農家のヨメになりたい 全4巻』講談社 ¥1000

 

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 a)が正式オープンしたとの情報を得て、早速行ってみた。

 1~4:農家の古本屋さんだけに?おすすめいただいて知った農業漫画。ドラマをわずかばかり見ていた『のだめカンタービレ』の作者だけあって、読みやすく、一晩で一気読み。猪突猛進な主人公を追いかけて、必死にページを繰った。ただし、読んでもほとんど農業に関する知識は増えず、薄味ではある。最終話で痔の話を持ってくるとは大笑い。

今日買った本

■今日買った本。計1320円。

 

a)suruga屋にて。

1・ノーマ・サイモン・作、ドーラ・リーダー・絵、中村妙子訳『しっぱいしちゃった』朔北社 ¥200

2・杉山弘之/杉山輝行・文と構成、吉村則人・写真、平野恵理子・絵『杉山きょうだいのしゃぼんだまとあそぼう』福音館書店 ¥200

3・さいとうたま・採取/文、辻村益朗・絵『親子であそぶあやとり絵本 あやとりいととり 1~3』福音館書店 ¥420

4・八百板洋子・再話、佐々木マキ・絵『ナスレディンのはなし トルコの昔話』福音館書店 ¥200

5・大阪YWCA千里子ども図書室・案、ごんもりなつこ・絵『いちじくにんじん』福音館書店 ¥300

 

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 先日注文していた本が本日届いた。

 1:「うん、そうなんだ!」シリーズというシリーズの2作目に相当。私的実感として益々失敗が許されない時代になってきていると感じるこの頃、こういう本がもっと読まれて、寛容な社会になればと思う。したくなくてもしてしまうことがある失敗。子どもでも大人でも失敗はするもの。

 2:保護シールなど貼ってあり、保育園の除籍本だったのが残念。じょうぶなシャボン玉を作るための具体的な情報が載っていて、ぜひこの通りやってみたくなる内容。巻末のシャボン液の作り方やQ&Aがまた親切である。

 3:斎藤たまさんは全国を旅して子どもの遊びや伝承を収集したかただそう。そういえば以前わらべうたの本を買ったことがあった。あやとりは自分が子どものときに好きで、よく図書館で本を借りて、何段タワーだのを作っていた。一人あやとりを延々繰り返すことも、今でもできる。

 4:ナスレディンとは、ほるぷ出版で読んだホジャどんのことだった。ナスレディン・ホジャという名前の人物だそう。ただ、ほるぷ出版がどんな話だったか思い出せず、本作の「ナスレディンと裁判官」か「ロバになった男」のどちらかだったような気がするのだけれど。

 5:一読ただの野菜の羅列かと思いきや、いち、に、さん、という風にとおまでの頭文字で数字を追う絵本になっている。説明がないところが良い。れんこんが、はす、と紹介されているところで違和感があって気がついたのだった。表紙と裏表紙にしいたけの絵だけがない。そこもわざとそうしてあると思う。

今日買った本

■今日買った本。計3450円。

 

a)ブックendsにて。

1・永坂幸三『おかあさんのて』福音館書店 ¥200

2・天野祐吉・作、梶山俊夫・絵『くじらのだいすけ』福音館書店 ¥300

3・瀬田貞二・再話、梶山俊夫・画『おんちょろちょろ』福音館書店 ¥150

4・イヴァン・ガンチェフ・作/絵、クルト・バウマン・文、佐々木元訳『しまうまになったマルコ』フレーベル館 ¥500

5・『川上澄生版画展 南蛮情緒と回想の文明開化』福島県立美術館 ¥500

 

b)デフォーにて。

6・いまきみち『ふうちゃんとあげはちょう』福音館書店 ¥400

7・U・G・サトー『あめかな!』福音館書店 ¥100

8・レオン・ガーフィールド/エドワード・ブリッシェン・作、チャールズ・キーピング・絵、沢登君恵訳『金色の影』ぬぷん児童図書出版 ¥300

9・若菜珪・文/絵『おむすびころりん』新進 ¥100

10・穂積肇・画/文『原野の学校』草土文化 ¥300

11・中谷幸子・案、小野かおる・作/絵『ねずみおことわり』福音館書店 ¥100

12・レミイ・シャーリップ/バートン・サプリー・作、レミイ・シャーリップ・絵、内田莉莎子訳『カーニバルのおくりもの』福音館書店 ¥500

 

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 午前中に以前から行ってみたかった富山県イタイイタイ病資料館へ。気温が暑かったので、観覧後は同施設内の生命科学館でいろいろ遊びながら時間をつぶした。午後になって、a)とb)へ。a)は2階の本が格段に見易くなっていた。b)は、2階で展示をしていたようだが、時間がなくて確認できず。

 1:1980年11月1日発行の月刊予約・科学絵本「かがくのとも」通巻140号のペラペラ版。《はじめてであう科学絵本》。生活の中で忙しく働くお母さんの手についていろいろと描いた本。今読むと忙しすぎる家事に圧倒されるばかりだが、絵本の中でおばあちゃんがいてそのおばあちゃんはもっとたくさんの手働きがあったというから、忙しすぎにもほどがある昔の家事を知って卒倒しそうになる。折り込み付録の表紙絵が、本作の作者が描いた千手観音に模したおかあさんの絵で、各手にはさまざまな掃除道具や調理器具や裁縫道具やらが握られている。作者も、おかあさんの家事負担が減ることはすばらしいことだと言っているが、ただ一方で、荒ごなしからはじまるダイナミックな生活の知恵や技術が失われていくことについて気がかりだとしている。この折り込み付録に、謝恩カード(10点)というのが貼ってあった。1000点以上をまとめて福音館書店に送ると謝恩とするということだが、1点1円で還元するという意味だろうか。

 2:元々くじらは山にいたという創作話で、その設定がまず面白かった。あまりに大きい体をしているので、あるとき山でみんなに迷惑をかけたことで、海の向こうの島を目指すのだが、途中の海が快適なことに気付いて、海で生きていくことを選ぶ。その選択を、元の山の仲間たちが支持するところが泣かせる。

 3:1970年2月1日発行1982年1月1日普及版第2刷発行の月刊予約絵本「こどものとも」普及版のペラペラ版。坊主でなんでもない少年が、道に迷ってある老夫婦のおうちに泊めてもらうことになった際に、寺の坊主と勘違いされたので、目の端にいたねずみの動きにあやかりながら「おんちょろちょろ」なんてお経めいたことを言っておいたら、老夫婦がありがたいお経だと勘違い。翌日の晩にその偽お経を夫婦で唱えていたら、ちょうど泥棒がやってきていて彼らの動きを逐一描写するような文句を唱えているのでびっくりして去っていったという滑稽話。ぐにゃぐにゃぼわぼわとした絵で昔話に本当によく似合っている。

 4:おじいさんとその孫娘がこなひき小屋に住んでいて、おじいさんが無理をして倒れたのをなんとかしようと、孫娘がロバのマルコをペンキでもってしまうまに見せかけ、サーカスに売られるのを助けてと街でお金を恵んでもらおうとする。しまうまを知っている先生とその生徒たちが通りかかり、事情を聞いてみんなで助ける、という話。ほとんどの見開きごとに鳥が描かれているのが何やら気になる。イヴァン・ガンチェフの偶然の模様やにじみを利用したぼわっとした絵が見所。それにしても、 "作"と"文"は、何が違うのだろう。"作"が物語の大筋を作って、"文"が清書担当という感じだろうか。 

 5:1986年末に福島県立美術館で催された版画展の図録。解説の冊子が付いていて、あとはおそらくその時の展示作品すべての版画が一枚一枚のカードになって収められている。展覧会に行って、観覧の後に物販ブースで本当に欲しい絵の絵葉書がないのを悔やむことがよくあるので、他の展覧会図録もこんな風に展示された全作品をカードにしてくれたらなあと。この図録は、2日後に知人に買った値段で譲ってしまった。

 6:ふうちゃんのにわシリーズの3作目。このシリーズを入手するのは初。アゲハチョウが卵を産んで、その卵から幼虫が生まれ、そして成虫となって飛んで行くまでを、ふうちゃんが生活しながら観察する話。最後、飛び去って行くときに、ふうちゃんの目から涙が垂れているが、いまきみち作品には涙は珍しいと思う。冒頭に「とればとるほどふえるものなーに?」と書いてある絵本が登場するが、『なぞなぞなーに ふゆのまき』ではないだろうか。一度確認しておきたいところ。

 7:色と形を楽しむ絵本。なんとなくあるようなないようなストーリーは、最初ポツポツと雨が降ってきて次第に強くなるが、やがて雨が止み、ぬくぬくと温かくなってきて花が咲く、といった感じ。個人的にはくっきりはっきりした色や形が好きだが、曖昧で入り混じったり滲んでいる絵にも、意識して触れてみようと思って買ったもの。

 8:心の児童文学館シリーズの10巻目。キーピングの挿絵の本ということもあって、ずっと気になっていた長編児童文学作品。

 9:月刊絵本フレンド・シリーズ、1977年3月1日発行第4巻第12号の、ペラペラ版。企画は、日本幼児センター。発行所は、株式会社新進。Webには本書に関する情報がないようだ。わるいおじいさんが、自分でもわるいじじいだと自称しているのには笑った。わるいおじいさんは、お化けの入ったお土産箱を地上で広げて腰を抜かす、というような結末かと思いきや、真っ暗なねずみの穴からいつまでも出られなくなって、遂にモグラになってしまうという、なかなかゾッとする結末であった。

 10:●

 11:1965年9月1日発行1976年9月1日並製版第2刷発行の月刊予約絵本「こどものとも」のペラペラ版。夏、人間の子どもたちが通うプールに、ねずみたちも入りたいのに、汚いからとか切符がないからとか水着でないからとか、受付ではねられる。そのような困難を乗り越えて最後にプールで遊ぶ話。それにしても、厳しい受付だなあ。

 12:道化の一種であるハーレキンがどうして風変わりな衣装を着ているかの由来を物語る絵本。表紙からその見返し、その次のページ(ここからさらにもう一枚めくるとようやく扉に至る)までで、もうこの絵本の素晴らしさが伝わってくる。小屋の中を覗く夜の衣装を着た人の影が、逆に小屋の中の床に夜を映している。小屋の石壁の細かさや市街の小石で埋め尽くされた道の描写は、柔らかくも鬼気迫る仕事。全体に淡いけれどもこれでもかというほどカラフルだ。線も配色も柔らかいので、人の体の線や布の質感が良い。裏見返しの花火の描き方は、ちょっと類を見ないもののように思う。

今日買った本

■今日買った本。計12300円。

 

a)ひらすまshoboにて。

1・太田大八『ながさきくんち』童心社 ¥500

2・竹下文子・作、鈴木まもる・絵『クレーンクレーン』偕成社 ¥100

3・『ふじさん』(不明) ¥200

4・ヘスス・バリャス・作、ミケル・シチャル・絵、立花香訳『レーサーのイバイ』新世界研究所 ¥350

5・アロイス・カリジェ・文/絵、大塚勇三訳『ナシの木とシラカバとメギの木』岩波書店 ¥600

6・越智登代子・文、ながたはるみ・絵『母さんの小さかったとき』福音館書店 ¥500

7・斉藤民哉、鈴木省三・監修、佐藤明/村上征雄・カメラ『ばら百花』平凡社カラー新書 ¥100

8・ハンス・クリスチャン・アンデルセン・作、木島始訳、堀内誠一・画『おやゆびちーちゃん』福音館書店 ¥500

9・松岡達英・絵と文『すばらしい世界の自然 1 ニューギニア』大日本図書 ¥600

10・上沢謙二・案、富山妙子・画『クリスマスのほし』福音館書店 ¥300

11・桜井信夫・文、小沢良吉・絵『日本の民話絵本1 ゆきむすめ』第一法規 ¥300

12・大石真・作、佐々木マキ・絵『まほうつかいのワニ』文研出版 ¥300

13・ピストン藤井『別冊郷土愛バカ一代! 4 寒ブリ逆噴射編』 ¥500

 

b)フルホンいるふにて。→初入店。

14・講談社文芸文庫編『昭和戦前傑作落語選集』講談社文芸文庫 ¥300

15・足田輝一・文、姉崎一馬・写真『樹』講談社現代新書 ¥200

16・アンドレ・ド・ロルド、平岡敦・編訳『ロルドの恐怖劇場』ちくま文庫 ¥250

17・山川直人『シアワセ行進曲』エンターブレイン ¥350

18・こんどうゆみこ・絵と文『のそのそむんと』至光社 ¥400

19・深見春夫・作/絵『せかいいちのぼうし』岩崎書店 ¥400

20・上村一夫、上村一夫オフィス・監修『上村一夫・画集一枚絵』小池書院 ¥4700

21・金田一春彦/岡田純也・監修、西村郁雄・画『おかあさんとかいもの』ブックローン出版 ¥300

22・武田英子・文、清水耕蔵・絵『みさきがらす』講談社 ¥300

23・ピストン藤井『ピストン藤井の泥酔3分くらいクッキング』 ¥600

 

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 ●書きかけ。1年振りに北陸へ。小杉のインターで降りて、ホットスプーンでカレーランチを摂ったあと、a)へ。絵本の買える古本屋さんに飢えていたので、絵本を中心にたくさん買う。b)は、まだ開店して間もないお店。天井が高いが、本棚もそれに合わせて背の高い頑丈そうな本棚が使ってあった。美術書が充実。画集棚をもっと念入りに見たら、ツボにはまる知らないアーティストを知ることができたのじゃないかと思わせる。時間の都合で、自分である程度ぱっぱと見て選べる棚だけはしっかり見た。向かいの古道具屋はお休みで、今回の滞在中にはもう訪ねることができそうもない。

 1:日本のお祭り絵本シリーズのうちの1冊。あとがきにあるが、ながさきくんちの全ての出し物を見るためには、七年を待たねばならないそうだ。それを絵をしきった、その仕事が感じどころの絵本。本文は簡素。

 2:

 3:買ったものの、この数日後に富士山好きの某氏にあげてしまった。表紙がほんわかした富士山の絵(紙を切り貼りしたような絵だったと思う)。学習雑誌で、前半の富士山と中盤の何か別の記事の部分はカラーのやや厚い紙、後半は富士山とは関係のない学習的内容のモノクロの安っぽい紙のページになっていた。発行者や書影など記録しておけば良かったなあ。

 4:

 5:版型が同じなので、マウルスなどが出てくるシリーズかと思いきや、そうではない独立?の作品だった。題名にある3つの木が、それぞれそこに住む家族や鳥や獣たちにどんな影響を与えているか、木の周辺の一年間の出来事を綴る。今調べたら別名コトリトマラズと言われるメギの木のトゲトゲの中に、この物語では小鳥が巣を作るのだった。先日、稲刈りに立ち会ったら、稲穂のなかに小鳥の巣が見事に作られているのを見せてもらって驚いたのを思い出す。

 6:ここでの母さんは、私の母親と大体同じ世代かと思うが、紹介される事物のほとんどは、実際にかすかに見聞きしたことがあったり、体験したりしたことがあるもので、無理なく想像が及ぶ範囲内のことが描かれている。水木しげるのような、点々の粗密の濃淡で素材の肌感が伝わってくる絵が、美しい。もしも建築士が絵を描くなら、こんな絵になるのではと思う。p.3で床置きでページが開かれている絵本のタイトルが何なのか、気になる。

 7:バラについての小図鑑。

 8:1976年7月31日第九刷で函入。いわゆるおやゆびひめの物語。魔法使いのおばあさんがくれたオオムギのタネからなぜかチューリップが生えてきて、その花の中にいたのがおやゆびひめ。だから、元々花の精だったのかも。ひきがえるやもぐらと結婚させられそうになりながら、最後は花の精の王子さまと結婚する。背中につけるきれいな羽が、ハエの羽というのは意外な気がするが原作通りなのだろうか。

 9:植物や昆虫、ヘビや鳥類やけものをダイナミックに描いた素晴らしい絵本。何をどんな風に強調して見せるか、という点を深く追究して描かれているのが、よく伝わってくる。ミドリニシキヘビのページなど特にそれが分かると思う。早く全巻揃えたいものだ。

 10:1964年12月1日発行の月刊予約絵本「こどものとも」105号の、ペラペラ版。富山妙子・画(画と書いて、え、とふりがなが振ってある)に惹かれて購入。ちなみに、上沢謙二・案とあるが、英語表記では、translated by Kenji Uesawaと書いてあって、案とは翻案の意味かも。キリスト誕生の夜に、兆しとなる星が天に現れて、東方の三賢者がその下を訪ねて行く話があるが、それに肖った話。金鉱の鉱夫をしている父親が、クリスマスにちょうど採掘すべき金が掘り尽くされ、その後無職になる見込みで、ヤケになっていたの。しかし、クリスマスの当日に、ちょうどその妻がマリアがキリストを生んだように厩のなかで(たぶん第2)子を産み、三賢者の一人メルキオールが金を贈りものとして持ってきたことを象徴するかのように、金鉱に別の金脈が見つかって仕事も続けられることになった、というあまりに都合の良い奇跡譚で、つまらなかった。暗さを帯びた絵で、そちらは個人的には好ましい。

 11:青森県の民話。子どもが欲しい老夫婦のもとに、ある雪の晩、女の子が訪ねてくる。その子を、老夫婦の子どもとして育てるが、春になって嫌がる風呂に入れると、消えていなくなってしまった(ゆきむすめだったから融けた)という話。櫛のかたちをした枠に絵が描いてあるのだが、消えた女の子を探す場面で、その絵の枠である櫛の使い方をひねってあるのがニクい趣向。

 12:男の子が川釣りしていたらワニが釣れて、そのワニがその子の家で越冬するために、ばれないように棒に化ける話。えさやりを何となく忘れてしまったりするあたり、小学生らしい感じがするけれど、無事越冬できて良かった。

 13:2018/11/30読了。著者によるフォルツァ総曲輪でのイベントなどにも何度か行ったので、本書のネタについて、読む前に知っていたのか、読んでから知ったのか、バックナンバーを読んで知ったのか、記憶がごちゃごちゃになってきた。カシミールのカレー(アルゴビ)を無性に食べに行きたい。

 14:昭和3年から15年までの落語を収める。

 15:写真とエッセイで樹の魅力を綴る本。こういう新書は、今あまり出版されないように思う。

 16:恐怖短篇小説ということで以前から気になっていた文庫。

 17:

 18:むんとは白猫の男の子。表紙と裏表紙に千鳥格子状に描かれた猫たちの顔は、一つ一つちゃんと表情が違っている。ページをめくる前から、労作らしいぞと感じさせて、中はやっぱりその通り。パステルカラーで山川直人の漫画のようなチリチリとした細線の重なったパターンを惜しげもなく画面に広げている。至光社からこんなにかわいらしい絵本が出ているとは意外だった。

 19:帽子をかぶっている人ばかりの町で、一番素晴らしい帽子を決めるコンクールを開く話。目の高さが鼻と同じになっているちょっと気色悪いような絵が特徴。突飛な帽子を考えるのは楽しい作業だったと思う。この街の帽子屋はどんな帽子屋だろうか。

 20:絵はがき文庫を大型にしたような、一枚ずつ切り離せる仕様になっている画集。未完成の遺稿も含まれる。No.10の女性が顔を上げる動きが見られる絵が特に気に入った。曲線美は、花びらの輪郭線に学んだのだろうか。

 21:"ぺんたくんとあそぼう"シリーズの7巻目に相当。暗号絵本になっている。買い物リストが書いてあるらしきページを見開いてすぐに、その先を見ることなく暗号を解こうとして躍起になって、ずいぶんな時間を楽しませてもらった。青と水色、緑と黄緑の見分けがつきにくかったのが、解読への道を遠ざけた。シリーズの別の巻は、どんな風な遊べる絵本になっているのか気になる。

 22:あとがきが勉強になる。からすは先行きを予兆する霊力「御先(みさき)」性を持つとされてきたそうだ。タイトルである「みさきからす」のみさきは、岬ではなく御先だったというわけだ。物語では白いカラスが御先性を発揮するのだが、彼?はどこまで先を読めていたのだろうか。鷹に襲われることまで見えていたとして、その危険回避に向けて木の実を集め始めたのだとしたら……!。清水耕蔵氏の絵は、木肌や葉や木の実などの植物の表面の質感をもたせるのにぴったりの、独特の手法で描かれている。p.25のカラスに、前所有者の仕業と思われる、鉛筆でなぞられた輪郭線が残っていた。

 23:泥酔した夜に自宅で酔った勢いで何かしらの料理をして食べる、その料理を特集した冊子。冊子そのものの作りは丁寧(レイアウトや色使いや構成)だが、扱っている内容がギトギトな感じで、そのギャップが楽しく読める。ライム塩胡椒のMUỐI TIÊU CHANHという調味料が載っているが、どういうわけか我が家にもある。どこで入手したのだっけか。

今日買った本

■今日買った本。計1500円。

 

a)suruga屋にて。
1・森雅之『夜と薔薇 森雅之自選作品集 新装復刻版』ふゅーじょんぷろだくと ¥650

2・大石真・作、北田卓史・絵『まいごのロボット』ひさかたチャイルド ¥200

3・メリー・ウォーメル・文/絵、本上まなみ訳『めんどりヒルダのこわいよる』新風舎 ¥200

4・いまきみち『なぞなぞなーに あきのまき』福音館書店 ¥200

5・御厨さと美『サンダーバーズ』双葉社 ¥250

 

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 先日注文した本が本日届いた。

 1:復刻版というので少しためらったが注文してしまった。届いた本がワレていたのが残念。1976年から1980年にかけての作品を収録。作画手法にばらつきがあるが、いずれも味わい深い、「ガーネット」の最後のコマにあるように"手紙のような漫画"の粒揃い。冒頭作品で、コマの読む順番が分からず戸惑ったが、以降のコマの順も冒頭作品に準じていたので、それ以降はすらすら読めるようになった。しかし、すらすら読めてもそれはそれでもったいないもんである。「夜と薔薇」「もろびとこぞりて」「空人(そらんど)」「ダイヤモンド入りのウイスキー」「ロマンチック2」が良かった。「ダイヤモンド入りのウイスキー」は、ページを巻き戻して見直す必要があり、面白い手法に感心した。

 2:引越しのトラックの荷台から飛び出してしまい迷子になったおもちゃのロボットの話。持ち主の少年の一家は、近所への引っ越しだったので何とか帰るべきところへたたどり着いて良かった。猫が電話を使いこなしているのが面白い。

 3:こわいと思っているのはめんどりだけで、はたから眺められる読者には、その勘違いを笑って楽しむという、とぼけた作品。ヒルダが目を覚ましたシーンに、その後各場面に出てくるものが一切描きこまれているのも、一読したら判るようになっている。絵を読み解ける年齢にならないと楽しめないと思うが、それは何歳頃になるのだろう。小口部分に数ページに渡って水濡れ痕があるのが残念だった。

 4:行商用。

 5:スキーヤーとスキー用品メーカーの思惑が錯綜する1巻完結の読ませる劇画。直線的シュプールを描く主人公の滑りについて、最もらしい説明がなされているの、そういうの結構好きだったりする。この本はその後、2018/8/23に某店で買取してもらったら、もう2冊児嶋都の漫画と併せて¥250になった。

今日買った本

■今日買った本。計700円。

 

a)楽天ブックスにて。→初利用。

1・阿久悠・原作、上村一夫・画『人喰い』双葉社 ¥700

 

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 比較的近所の新刊書店を3店ほど回ったが、今回購入した本が陳列されていなかったので、しかたなくa)で初購入。おおむね注文した翌日に届くようだ。

 1:ポイントを596ポイント使って、新刊で購入。1971年の作品の初単行本化。人を喰って(名声や地位を貶めるなり少しでも自分のものにするなり、といった意味で作品内で使われる)、のし上がっていく少女が主人公。矢野というタレントプロデューサーが、そこは原作者付きだからと思うが、上村作品には珍しいちょっと骨のある男性の登場人物。あとがきの阿久悠長子氏の文章で、阿久悠氏の育った環境・生活環境が作品舞台に大きく影響していることが分かる。主人公が最後にした行為は、要は満腹になったということか。

今日買った本

■今日買った本。計280円。

 

a)NeKiにて。→初入店。喫茶利用、本購入無し。

 

b)お宝家洲本店にて。→初入店。

1・谷口ジロー『東京幻視行 単行本未収録傑作短編集』講談社 ¥280

 

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 日帰りで淡路島へ。以前から行ってみたかったa)には、2人の棚借り店主の古本が置いてある。買える本はなかったが、フリーペーパーをいただいてきた。b)は、少なくとも大阪にも2店舗を構えるチェーンのお店。時間がなくてさっと見た感じで、良い本が1冊買え、満足。ただ商品表示価格は税抜なのが注意点。

 1:1999年刊の、この単行本の存在は知らなかった。調べてみると、なんと講談社文庫でも出ていて、そちらでは3巻の短編集が出ており、『東京幻視行』はその第2巻に当たるもよう。ハードボイルドやSF作品、叙情的な作品など多種多様な短篇のなか、最後の「ダッシュ!」という自転車競技を取り扱った作品が面白かった。谷口ジロー氏は高校時代、自転車競技をやっていたそうだ。

今日買った本

■今日買った本。計1400円。

 

a)第7回海の見えるヒトハコ古本市にて。

1・伊沢絋生『アマゾン探検記』どうぶつ社 ¥300 竹内家

2・Bohumil Říha、Jan Kudláček・Illustrations『Jak vodníci udobřili sumce』ALBATROS ¥500 AXCIS CLASSICS

3・『みつばち古書部ZINE』 ¥200 mazaki

4・『怠け者天国 うどん編』Dull_BQQKs印刷 ¥300 dull

5・森国昔彦・図鑑、伊藤秀峰・さしえ、山本一雄・図解『学童文庫 宇宙探検』財団法人児童憲章愛の会 ¥100 成合資料館

 

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 書きかけ。

 1:アマゾンのベテラン猟師であるホボは、必要最低限の猟しか行わない誇り高い猟師なのだが、国家の近代化が進み、貨幣経済の大波がアマゾンに暮らす人々にも猛烈な勢いで襲いかかり、依頼主の金銭的生活のための望まない猟にどうしても手を染めざるを得ない場面がある。そのような変わりゆく(ほとんど滅びゆくに近い)アマゾンの1970年代の様子が描かれ、幾度も切ない思いにさせられた。その家に続く道の太さが、貨幣経済力の高さに繋がるとか。恐ろしさを誇張されてきたピラニアの実際の生態には、蒙を啓かされた。若くして死んだ女性に、その父親が「娘は可哀そうだ。娘は性の喜びを知らずして死んだ……」と言う。周囲の男女もそれに次々に同意する。性が包み隠されがちの現代にあって、アマゾンが人々に育んだ大らかさを象徴する話だ。

 2:

 3:

 4:

 5:文章の担当者が誰だか分からない。奥付は見返しにあり、昭和41年6月25日印刷、7月1日発行、¥180。宇宙探検の本かと思いきや、全92ページのうち宇宙に関する記述は、41ページまで。その後は、海底のなぞ、地底の宝庫、動植物の世界、灯火の歴史、時計の歴史、というラインナップで、まとまりが今ひとつ見られない。

今日買った本

■今日買った本。計108円。

 

a)ブックオフ徳島住吉店にて。

1・今成知美・著、井上正治・絵『お酒ってなんだろう』岩崎書店 ¥108

 

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 ダイハツから出た新車が気になりディーラーの位置を調べたところ、なんとa)の店舗と向かい合わせだったので、ディーラーに行くついでに当然のようにa)に寄った。児童書と絵本の棚だけさっと見ただけだったが、一冊買えた。

 1:おとなになることシリーズの第2巻に相当。22問のお酒・アルコールに関するクイズから成り、中高生くらいを読者対象としているようだ。2018/7/10読了。お酒を呑むと、男性機能に支障が出るのは当然?知っていたが、女性ホルモンが増加するためということなど、へえっとなる知識をいくつか得た。肝臓でのアルコール分解速度は、体重10kg当たりおよそ0.1g/hということだ。アルコール比重は、概ね0.8として良さそうなので、自分の場合、2時間で純粋アルコール1ccを分解するくらいだということをメモしておく。

今日買った本

■今日買った本。計216円。

 

a)ブックオフ徳島沖浜店にて。

1・城アラキ・作、花門初海・画『カクテル 1』集英社 ¥108

2・芳崎せいむ『金魚屋古書店 13』小学館 ¥108

 

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 ポイント5倍デーということで、あまり期待せず寄り易いa)に行ってみた。漫画を2冊買えた。

 1:城アラキ氏作の新しい漫画が出ていたのは知らなかった。既に3巻まで出ているようだ。

 2:収集中の漫画の未読巻。1~12巻までは読了した後に売却してしまっている。読むには読んだが、もうどのキャラクターがどういう人物だったか、ほとんど分からなくなってしまっている。ただ読んでみたい漫画の情報が入ってくるのは良いところ。吉田秋生『夢の国』と市原亮子『夢の夢』を読んでみたい。

今日買った本

■今日買った本。計3170円。

 

a)suruga屋にて。
1・いまきみち・作『とちのき』草炎社 ¥450
2・小松左京/石川喬司・監修『SFファンタジア4 幻想編』学習研究社 ¥200
3・イソップ・原作、関根榮一・文、北田卓史・絵『みんなでよもう!2 日本・世界の昔話 いそっぷ』チャイルド本社 ¥200
4・シビル・ウェッタシンハ・作、猪熊葉子訳『かさどろぼう』ベネッセコーポレーション ¥200
5・野村昇司・作、阿部公洋・絵『羽田のわたし』ぬぷん児童図書出版 ¥200
6・アーサー・ガイサート・作、村岡寛訳/文字デザイン『ブー』ジー・シー・プレス ¥200
7・アーサー・ガイサート・作、村岡寛訳/文字デザイン『プキー』ジー・シー・プレス ¥200

 

b)ヤフオクにて。

8・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.1 クモ 月夜のかりうど』北隆館 ¥320 bookcollection

9・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.5 ホタル 青いひかりのひみつ』北隆館 ¥320 bookcollection

10・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.8 カニ ふしぎなカニのハサミ』北隆館 ¥560 bookcollection

11・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.9 カミキリムシ カミキリムシの森』北隆館 ¥320 bookcollection

 

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 注文していた本が届いた。近頃a)からの発送にかかる日数が短縮されているなと思う。b)は6/25に受け取ったもの。

 1:とちのきの一年を描く絵本。実がなり、とちもちを作るのだが、アク抜き工程の手間がいかにかかるか、よくわかる。マロニエセイヨウトチノキともいうそうだ。

 2:単行本未収録の山尾悠子の短篇『ハドンの肖像』を収録しているということで購入。

 3:北田卓史氏の絵が目的で購入したが、ある程度の年齢になってイソップ物語の教訓に触れると、その鮮烈さに身が引き締まる思いがした。ところではたらきアリの服装から雄アリばかりが描いてあるように思われるけれど、ちょっと調べてみると、普通はたらきアリは雌アリばかりなのだそうだ。本作で一番気に入りの絵は、嘘つき羊飼いの声に応えて飛び出してきた村人たちの絵。

 4:スリランカの女性作家による絵本。輪郭のあるくっきり絵と色とりどりの画面に惹かれて読んでみたいと思っていた。絵にはちょっとだけ、いまきみちっぽさも感じられる。傘のない田舎の村に、街で買った傘を持って帰って来ようとするおじさんが、帰り道にカフェでコーヒーを飲んでいると必ず傘泥棒に遭う。犯人は誰かなという話なのだが、カバー袖の著者メッセージで簡単にネタバレしてしまっている。この本、ベネッセではなく福武書店時代の古い版だウエッタシンハ表記になっているのだが、今回は、1995年7月10日7刷のものでウェッタシンハ表記。

 5:ぬぷんふるさと絵本シリーズの18。シリーズ2巻目の『あなもりのすな』も、羽田の穴守神社の話で、今回も羽田の話ということになる。このシリーズのふるさととは、羽田界隈のことを指しているのだろうか。題の通り、川の渡し船の話。多摩川の流れは、降雨によってあれこれ変わったらしく、現在右岸と左岸で同じ地名がついている場所は、かつては同じ側の川岸だったところがあるとか。登場するきつねが人を化かしやすい黄昏時のような時間帯が似つかわしい、水彩の差す光をよく描いてある絵だと思う。

 6:原題は『OINK』で、豚の鳴き声の英語圏での擬音。ブーは、母ぶたの鳴き声。7を先に読んだが、パターンは同じ。草が積み上がっているのは、ヘイスタックだなと思った。アーサー・ガイサートを初めて知ったのは『ヘイスタック』という絵本を読んだからだ。

 7:原題は『OINK OINK』。プキーは子ぶたの鳴き声。奔放な8匹の子ぶたが、明け方に寝床を抜け出して、冒険に繰り出す。それを(6と同じと考えると親ぶたは親ぶたでも)母ぶたが追う話。親ぶたがブーと鳴きながら必死に追いかけるさまに思わず笑ってしまう。著者には子育て経験がありそう。

 8:8~11のなかで唯一の付録の紙片欠。松岡洋子・達英両氏は夫妻だそう。比較的最近の作品ばかりしか松岡達英氏の仕事を見てこなかったので、1969年出版のこのようなエディトリアル・イラストの仕事を見ると、本当にその素晴らしい手腕に驚かされる。一ページ一ページ、次はどんなイラストが待っているのか、ページをめくる喜びを強く感じる。クモの肺は、書肺(しょはい)と呼ばれ、調べて見ると多数の葉状物が積み重なった構造をしている。つまりページのある本のような構造で、英語ではbook-lungというということを知った。また、クモはトカゲのしっぽのように足をわざと犠牲にして逃げるということが紹介されており、最近私が家の中のクモを捕まえようとして、次々に足が取れてしまいかわいそうなことをしたと思っていたのだが、クモがわざとそうしていた(そういう機能をもっていた)とはそうと知るまで思いもよらなかった。ただ、また足が生えてくるのかどうかは書かれていない。ちょっと調べてみると、10のカニと同じように、脱皮を繰り返すごとに他の足と同じ長さに再びはえそろうようだ。脱皮の回数は本書では不明とのことだが、現在までの研究成果ではどうなのだろう。クモの生物学的な紹介にとどまらず、世界各地域における物語に登場するクモだったり、クモがどういったイメージで捉えられているかなどといった情報もふんだんに取り入れられている。

 9:シリーズ第1巻である上述の8に比べ、色鮮やかさに停滞が見られる巻。表紙の絵も、ホタルだとは判別が困難だと思う。付録の紙片は、ホタルに詳しい矢島稔氏の解説的文章が読める。ホタルは幼虫時代も光るのは知っていたが、卵のときから光っているとは知らなかった。

 10:8~11のなかで唯一のカバ欠。カニは、幼体ではゾエアというミジンコ様から、メガロパというエビ様で、これらを経て、いわゆるカニの姿になる。まず幼体のことを知らなかったので驚いた。ハサミは手ではなく足だそうだが、それではカニには手がないということだろうか。足であるとする必要条件とはなんだろう。自切した足は、脱皮を2,3回繰り返すと元に戻るとのこと。付録の解説文は、広崎芳次氏。

 11:カミキリムシは、木の皮のなかで成虫になるまでを過ごす。成虫になると木の皮が雨で濡れて柔らかくしめったときを見計らい、皮をかみきって外へ出てくる。これが6月頃というから、遅くとも梅雨明けとともに外へ出てくる感じだろうか。よくミカンの害虫として扱われるけれど、カミキリムシの捕獲を産地の自治体が推奨する時期と一致している。農薬を撒くと、益虫とされるクモやテントウムシまで殺してしまう。9のホタルの巻でも、水質汚染によるホタルの数の減少という問題が紹介されていた。付録の解説文は、黒澤良彦氏。8~11は素晴らしいシリーズだが、どうして現在復刊なり増版されないのかと考えるに、文章に現在書籍に使用するには難のある言葉(びっことか土人とか)が少なからず見受けられることと、自然科学に関する研究が進んで、文章を更新する必要とがあるからだと思われる。

今日買った本

■今日買った本。計162円。

 

a)ブックオフ徳島沖浜店にて。

1・森博嗣『「思考」を育てる100の講義』だいわ文庫 ¥81

2・毛利子来『育児のエスプリ 知恵の宝石箱』新潮文庫 ¥81

 

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 今月末までの使用期限の10%OFFクーポンを使うべく、a)へ行ってみた。どうにか2冊ほど買えた。

 1:森博嗣著作ももうしばらく読んでおらず、気づけば既に刊行書籍も定期的に把握することもしなくなってしまっていた。これは、出版されていたことを知らなかった文庫本。

 2:毛利子来氏の文庫著作があるのも知らなかった。エスプリの刺激が今は効きそうだと思って購入。カバー装幀は和田誠

今日買った本

■今日買った本。計2886円。

 

a)第14回天神さんでヒトハコ古本市にて。

1・大道あや『ねこのごんごん』福音館書店 ¥200 ohisama

2・アーノルド・ローベル、三木卓訳『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』文化出版局 ¥700 ohisama

3・今和次郎、藤森照信編『考現学入門』ちくま文庫 ¥400 dull

 

b)ブックオフonlineにて。

4・ナンシー・タフリ・作/絵、晴海耕平訳『うちのこみませんでした?』童話館出版 ¥198

5・バイロン・バートン、村田さち子訳『おおきなおおきなどうぶつ』PHP研究所 ¥198

6・藤野邦康『かわりだね ある無名作家の人生漂流』構想社 ¥198

7・今西祐行・作、北田卓史・絵『どっこどっこまつのき』チャイルド本社 ¥198

8・ジェリー・アンダーソン・原作、柿沼秀樹・文『サンダーバードアニメ絵本2 ジェットモグラ出動』竹書房 ¥298

9・ドミートリイ・マーミン-シビリャーク、ユージン・絵、高山旭訳『パパのおはなし』新読書社 ¥298

10・アーサー・ガイサート・作、小塩節/小塩トシ子訳『洪水のあとで ノアたちのその後』こぐま社 ¥198

 

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 半年毎開催で恒例のa)へ行ってきた。晴れたので、通常通りの境内での開催。気温は高いが曇りで直射日光がないのは助かった。b)は、実際には帰宅して翌日に受け取ったもの。

 1:年配の猫のちょんは、ちゃんと自分で教えながら、なにごともじぶんでおぼえるがかんじん、と言って、幼い猫のごんごんを教え諭す。ごんごんは、だんだん自立して自分で考えるようになる。同じく年配の犬ののんは、一見立派に見えるが実は口先だけで何も教えてくれないし、自分で考えることをしない。世間によく見られる様子を犬猫の世界に置き換えてずばり描く。

 2:20話の風刺的教訓的な物語を収録。ほとんどが今の自分に突き刺さるような教訓で、こういう刺激を普段から受けていないと人間だれてしまいそうだなと思う。

 3:ピエロのような女性を描いたモダンな絵を確か描いていたの人として覚えたのが、この著者の今和次郎。デザインやイラストの人かと思っていたら、この本のように文章を書いているとは知らなかった。考現学とは考古学に対する学問だという。

 4:福武書店から出ていた当麻ゆか訳『さがしてさがしてみんなでさがして』の訳者が変わって改題されて出た作品。原題は『Have You Seen My Duckling?』なので、この本の方が原題に沿った邦題となっている。扉絵からその次のページで2コマの必要十分さが素晴らしいプロローグがあったのち、自由奔放なある1羽のアヒルの子を各ページで探す絵本になっている。残りの7羽もやはり各ページでいるのを確認してしまうだろう。水辺のようすと生き物を簡潔に描いてある。傑作と思う。

 5:かば、らいおん、ぞう、きりん、わに、くま、が順に見開きで描かれていて、その日本語の名前と英語の名前・発音が併記してある。厚紙絵本。英語発音のカタカナ表記がネイティブ発音に近いようにうまく音を選んで書いてあるように思え、それを読んだ自分の声が、ちゃんとした発音ができているような気になれる。

 6:木田紀雄(としお)という作家について書かれた本。魅力的な装幀は山高登。

 7:元々は、講談社から出版されていたようだ。元旦に、山中の雪をかぶった松の木が、街の子どもたちに雪遊びをさせてあげようと、自らどっこどっこと歩いて街まで繰り出す話。最終ページが見開きになっていて、楽しく遊ぶ子どもたちの様子が描かれ、ハッピーエンドとなる。元旦でもファミリーレストランは開いているようだ。巻末の北田卓史のプロフィールに主な作品として知らない作品が紹介されていたので、メモしておいた。

 8:本体が表紙裏表紙の厚紙から完全に外れてしまっているのを、セロテープで補修してあるというひどい状態の本が届いた。困った。ジェットモグラは最も活躍の場が限定される号機であるサンダーバード4号のことかと思っていたら、2号の5番コンテナで運ばれる小型車だった。救助される重戦車ゴングは500tの重さだとされるが、全部鉄製だとすると、鉄の比重は7.85だから1m^3あたり7.85tなので、4mx4mx4mの大きさくらい鉄塊と同じ重さ。この程度の材料量で、ゴングが作れるものだろうかと怪しんでいる。ゴングを引っ張りあげるのにギリギリの出力を持った磁力けんいん車2台でなんとか引き上げる。出版された全3巻のうちで最も興奮度の低い巻だった。

 9:訳者名の旭はあきらと読む。著者が、実の娘のアリョーヌシカに向けて語る形式で、いくつものおはなしをしていく本。風刺的で鋭い話が多いが、なかでも「だれが一番かしこいか」が痛烈。自らをかしこいと思っている七面鳥と、やはりそのように思っている取り巻きとが、第三者によってその均衡が破られようとするときに、どのような方法でその均衡を保とうとするかが巧みに描かれている。また、やはりロシアの冬・寒さについては、そのお話の中ではまだ春なり夏なりであったとしても、どうしたって冬や寒さに思いを馳せる場面が挿入されたりして、常に意識させられる。表紙の絵は、アリョヌシカが寝ている様子だと思うが、掛け布団の幾何学的な柄が実に素敵。

 10:言葉少なに、精緻な絵で語るアーサー・ガイサートの絵本。ノアの方舟の話については、科学的にはたった一対のつがいだけで、種(しゅ)はまた無事に殖えていくのだろうか(いやきっと無理だろう)、ということが気になってしまうが、物語としてはとても飛び抜けて空想的でロマンがあるなあと思う。うねるような雲に、何かの図像を探してしまう。

今日買った本

■今日買った本。計600円。

 

a)カライモブックスにて。 

1・ミシェル・ビュトール、中島昭和訳『段階』竹内書店 ¥600

 

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 北区の朧八瑞雲堂というところへどら焼きを求めに行った帰りに、某店へ行こうとしていたのだが、地図上の印を勘違いしたためにa)ヘ行き着いてしまった。この日は、もうこのa)しか探索する時間が取れなかったので、限られた時間を全部当てた。

 1:訳者あとがきを読んだところ、ビュトールには長編が4作品しかないらしい。ということで、少なくとも『時間割』は読んだし、長編全作品なら読み尽くせるかもと思って購入。