yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計900円。

 

a)秋のトエックまつりにて。→初会場入り。

1・伊勢達郎『のびやかに自分になる』TOEC幼児フリースクール ¥900

 

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 a)の園に興味があって、その偵察がてらa)へ行ってみた。桃岩荘を学校にしたら、こんな感じかなという雰囲気。物販コーナーで売っていた小冊子に、代表の文章が読めるものがあったので、1冊を購入。梅田俊作氏との交流もあるようだ。

 1:2000年5月発行。フリースクールだよりや徳島新聞に掲載した文章や写真をまとめたもの。気に入った箇所をメモ。p.57、泣く場所を見つけて泣くようになる子。たださみしいだけ、大丈夫。他のさみしい子にもその場所、方法を分けてあげられるようになった。p.82、p.57にも通じるが、その子の気持ちをその子が背負うことを支援するということ。p.100、要求に対しては、あっさりきっぱりyes or no。ゴネ得を学習させないこと。noなら求めた気持ちはちゃんと受容する。園に入れなくても、家庭内の態度に自分なりに変化が生まれた。続巻も入手してぜひ読んでみよう。

今日買った本

■今日買った本。計2416円。

 

a)某ブックリサイクルイベントにて。

1・東君平『けしごむうさぎ』大日本図書 ¥0

2・井上よう子・作、エム・ナマエ・絵『どってんロボットぴいすけ』岩崎書店 ¥0

3・児島なおみ『アンドレのぼうし』リブロポート ¥0

4・楠章子・作、いしいつとむ・絵『ばあばは、だいじょうぶ童心社 ¥0

5・伊藤壮・編『地球の環境問題シリーズ7 核の時代をどういきるか 核兵器と原子力発電』ポプラ社 ¥0

6・レベッカ・ボンド・作、もりうちすみこ訳『森のおくから むかし、カナダであったほんとうのはなし』ゴブリン書房 ¥0

 

b)ヤフオクにて。

7・クルト・バウマン・作、ジタ・ユッカー・絵、ウィルヘルム・菊江訳『キビタン かくれんぼ絵本』太平社 ¥466

 

c)ブックオフonlineにて。

8・ノーマ・サイモン・作、ドーラ・リーダー・絵、中村妙子訳『あたまにきちゃう!』朔北社 ¥350

9・ノーマ・サイモン・作、ドーラ・リーダー・絵、中村妙子訳『ぼくたちだっていそがしい』朔北社 ¥600

10・マルタ・トラーバ、安藤哲行訳『陽かがよう迷宮』現代企画室 ¥500

11・山口泰子『人間の知恵21 たたみのはなし』さ・え・ら書房 ¥500

 

 

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 某図書館でリサイクル図書の頒布会a)があったので、行ってきた。いずれも一度読めば手放しても良いかな。1だけは、除籍本でないものが入手できるまで確保しておいてもよさそうだけど。b),c)はこの日に近い日に届いたもの。

 1:図書館除籍本。机の上ではじいて遊んでいた消しゴムが、落っこちてうさぎになって逃げていくのを追いかけて、おっくんは森の中へ。消しゴムで遊ばないことを約束したら、うさぎはおっくんの元に戻ってくる。おっくんは、いつの間にやら昼休みの教室の自分の机の前に座っている。太さが見事に揃っている切り絵の線が、あらためてすごいなあと思う。最近(2022年3月頃)、某文集の表紙絵を頼まれて、切り絵の作品を自分で作ってみたから、なおさらそう思う。

 2:歩くとどってんどってん音を立てるロボットはいかにも旧式。新しいロボットを買い替えるというので、捨てられると思ったらしいぴいすけは家を出ていってしまう。家にいてもらおうという父子の会話を最後まで聞かず、出ていってしまうところ、どってんロボットの割には勘違いしたときの動きが早いもんだなあ。50年前の型で、博物館の人がぴいすけを引き取ろうとするも、家族の希望で元にお家で居続けてもらうことになる。携帯電話ができた頃から、電子機器なんか日進月歩に進化するので、50年前のものという古さがいかに古いものになっているか、今読むとますますリアリティを感じさせる。

 3:

 4:認知症が進んでいくおばあちゃんの話で、某図書館勤務時代の研修で、講師の方が紹介されていた本。引き出しから、メモが出てくるシーンで胸がつまって仕方なかった。絵本の中で語られていたあとも、この家族によるばあばの介護は続くわけで、それを想像すると、いい話でちっとも終われない心地がしていたたまれない。ご近所さんや地域やプロの包括的な援助が不可欠。

 5:

 6:著者が5歳の時に、山火事があって、湖に浸かって避難していたら、普段注意深く姿を見せない森の動物たちが、人間と一緒に湖の中に入ってきて、山火事を逃れたという実話を絵本にしたもの。その避難中の湖では、人のそばに熊やオオカミがいたり、狐のそばに兎がいたり、と食う食われる、襲う襲われる関係が一時的に放棄された不思議な時間だったそう。

 7:キビタンは、キビタキの仲間だろうか。キビタンの目には黒い太線の縁取りがしてあって、それがエジプトの神さまみたいな威容があり、吸い込まれるようだ。本書には、添付のハガキはなかった(出品者の事前説明通り)。

 8:「うん、そうなんだ!」シリーズの1作目。

 9:「うん、そうなんだ!」シリーズの3作目。

 10:ラテンアメリカ文学選集の第5巻。

 11:

今日買った本

■今日買った本。計4765円。

 

a)ブックオフ徳島阿南店にて。

1・瀬田貞二・再話、丸木位里・画『ねずみじょうど』福音館書店 ¥200

2・稲田和子・再話、川端健生・画『しょうとのおにたいじ』福音館書店 ¥200

3・トマス・バーネット・スワン、風見潤訳『薔薇の荘園』早川文庫 ¥108

4・ケン・リュウ、古沢嘉通・編訳『ケン・リュウ短篇傑作集1 紙の動物園』早川文庫 ¥108

5・赤星亮衛・作/絵『ねずみとくまとちからじまんたち』フレーベル館 ¥108

6・奥田怜子・作/絵『ともだちのき』フレーベル館 ¥108

7・今井鴻象・文、久保雅勇・絵『コロボックルはもういない』フレーベル館 ¥108

8・松谷みよ子/吉沢和夫・監修、民話の研究会編『オールカラー版 日本の民話16 沖縄』世界文化社 ¥108

9・佐々木マキ『おなかがすいた』福音館書店 ¥108

10・パスカル・ド・ブルゴアン/ガリマール・ジュネス社・原案/制作、ピエール・マリ・バラ/シルベーヌ・ペロル・絵、手塚千史訳『はじめての発見37 いろの本』岳陽舎 ¥108

 

b)ヤフオクにて。

11・ナタリー・サヴェジ・カールソン・作、ホセ・アルエゴ/アリアンヌ・デューイ・絵、山下明生訳『マリールイズとクリストフ』佑学社 ¥1073

12・ナタリー・サヴェジ・カールソン・作、ホセ・アルエゴ/アリアンヌ・デューイ・絵、たけむらみちこ訳『マリールイズ、きょうはごきげん!』佑学社 ¥1073

13・ナタリー・サヴェジ・カールソン・作、ホセ・アルエゴ/アリアンヌ・デューイ・絵、たけむらみちこ訳『マリールイズ、ママきらい』佑学社 ¥1074

14・いまきみち・作『ふうちゃんとちゅうりっぷ』福音館書店 ¥281

 

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 仕事帰りに試してみたかった担々麺を食べに某店に行き、そのついでにa)へ寄り道。久々に行くと収穫があるものだなあ。b)は2日前くらいに届いたもの。

 1:5年ほど前に入手していたが既に放出したもの。内容は、おむすびころりんとほぼ同じ。おむすびの代わりに、そばもちが転がる。悪いじいさんが、めくされじいさん、で、なかなかひどいネーミング。めくされじいさんは、ねずみの穴から抜け出せなくなって、しまいには、もぐらになってしまう。

 2:

 3:装画が萩尾望都なので購入。

 4:

 5:ねずみの子どもたちが熊の子どもに攫われたと勘違いしたことからはじまる、どたばた話。母ねずみは、ねずみの役人に頼ったり、しまいにはアフリカへ行ってライオンなどのちからじまんたちに助けを乞うが、みんな何だか態度だけは偉ぶっているけど言い訳ばかりで実際的な力をかしてくれない。で、ねずみたちは自分の国に帰ってようやく自分たちでなんとかしようとする。皮肉たっぷり。

 6:山の上の家に一人(一匹)で住んでいるぶたくん。ともだちがいなくて寂しがっているところに、家の床下から木が生えてきて、屋根を突き抜けるような大木になる。その木をともだちのきと呼んで一緒に遊んでいるうちに、次第に友だちができていく。切って貼ってした絵だろうか、例えば木の葉っぱなら葉っぱで、その葉っぱには全体につながっていたのであろう柄(がら)が残っている。一度、柄を紙に描いて、その紙を必要に応じて(葉っぱなら葉っぱ型に)切り取って、それぞれに配置して作った絵なのかな。かなり手間がかかっていそう。背景の白色に、カラフルな絵が元気に配されて、見るべきところに素直に目が向くようになっている。

 7:

 8:

 9:こどものとも0.1.2.。おなかがすいた動物が登場して、次のページで何かを食べる、というパターンで進行する絵本。うさぎはにんじん、という風に律儀に進むのかと思いきや、ゴリラがうどんを食べたりして、良い意味で裏切られて笑ってしまう。食べるときの、擬音もいちいち変えていて、丁寧に絵本づくりしてあるなあと思う。

 10:

 11:アメリカ創作絵本シリーズの1番。

 12:アメリカ創作絵本シリーズの6番。

 13:アメリカ創作絵本シリーズの9番。

 14:「ふうちゃんのにわ」シリーズの1作目。冬に植えたチューチップが、雪の日や雨風の日を乗り越えて、ふうちゃんが幼稚園に通いだす春になって開花するまでの話。献身的なお世話をするふうちゃんは、まめに働く両親が鑑になっているなあとつくづく思う。

今日買った本

■今日買った本。計6255円。

 

a)第12回くれブックストリート2019ヒトハコ古本市にて。→初会場入り。

1・安野光雅『スイスの谷』朝日新聞社 ¥500 小さな絵本

2・小堺吉光『広島の歌』安芸書店 ¥400 辛酉

3・山上たつひこ『喜劇新思想大系』秋田書店 ¥200 ぺろ

4・松山善三・原作、ながやす巧・劇画『青春マイウェイ劇画 ぶらりぶらぶら物語』潮出版社 ¥200 ぺろ

5・藤山鷲太郎『名探偵茶本義助』講談社 ¥400 ぺろ

6・三原佐知子・作、なかのひろたか・絵『ひとりぼっちのりんごのき』福音館書店 ¥400 ホリデイ

7・さとうわきこ・文、瀬川康男・絵『なんだかんだ』福音館書店 ¥200 ホリデイ

8・峰村勝子・作/絵『しんりんてつどう』福音館書店 ¥100 ホリデイ

9・いまきみち・作『しりとりしりとりあきのまき』福音館書店 ¥100 ホリデイ

10・金尾恵子・作『のはらのこねこ』福音館書店 ¥100 ホリデイ

 

b)弐拾dBにて。→初入店。

11・木島始・文、朝倉摂・絵『うりこひめとあまんじゃく』岩崎書店 ¥300

12・世田谷ピンポンズ『喫茶品品』P-VINE RECORDS ¥2750

 

c)ヤフオクにて。

13・中沢和子・文、長縄栄子・絵『あな』福音館書店 ¥285

14・『ヤングコミック 1970年6月24日号』少年画報社 ¥320

 

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 特に縛られるような用事もなかったので、若干強行軍ではあったが、a)へ初めて行ってみることにした。日帰りで片道300kmの距離で、実際に行った感じでは、これが日帰りの限界距離かと思われる。アーケードの下で、快適な会場。実行委員は、お店を構えているかたが多いようだ。b)は、帰りに寄ったもの。何か買えそうで何とか1冊買い、もしかしたらあるかもと思っていた世田谷ピンポンズのCDを見つけ購入。帰りの車の中でひたすら聴きまくった。さらに未踏の古本屋を攻めてみたかったが、さすがに余力なし。c)は、数日前に受け取ったもの。

 1:シリーズ収集中の画文集。

 2:正方形の版型が良い詩集。

 3:カバーイラストが藤本蒼という理由でシリーズ収集中の漫画。全巻揃っていないが、読み始めた。卑猥でしょーもない感じだけど、読めば読ませる勢いはすごい。「蒟蒻の花」で若尾志麻という岩下志麻風のキャラクターが初登場。姓の若尾は、調べてみると若尾文子が元ネタみたい。

 4:ヒロインを高峰秀子で映画化しているそうだ。自称自由業の旅暮らしの男が主人公。捨てられた子どもの兄妹を連れて、九州から東京までの旅。最後は、大して登場してこないヒロインと結婚することになるというヘンな話だった。

 5:明治時代?を舞台にした探偵漫画。レトロな雰囲気にぐっときて買ったのだが、表紙や目次、カバー袖に切り抜くと使える特製しおりという遊び、製作中の著者の様子を紹介した絵など、本篇以外のところが抜群なのだけど、内容的には物足りない感じ。

 6:1980年4月1日発行の月刊予約絵本《こどものとも》289号のペラペラ版。りんごの本ということで購入。なかのひろたか氏の絵の描き方はいろいろあるが、そのなかでも本作品は私の好きなふちどりされて図案化されたようなほのぼのした絵になっているのが嬉しい。りんごの木のひとりぼっちさが物語の終わるぎりぎりまで続くので、読んでいてつらいが、最後の最後でなんとか希望がみえて心が救われた。「こどものとも 人気作家のかくれた名作全10冊」という限定復刊企画で、ハードカバー版が一度だけ出たようだ。

 7:1994年6月1日発行の月刊予約絵本「年少版・こどものとも」通巻207号のペラペラ版。記名印有。この本は、特製版も出ているみたい。かめがねこのしっぽをかんで、驚いたねこがいぬのしっぽをかんで、という風につながっていく。ひどいけれど動物たちの悲鳴の音が面白い。ダイナミックな内容になっているのは、さとうわきこさんによる文だからか。瀬川さん単独作品だともう少しスタティックな話が多いような気がするので。やまこえたにこえ、のシーンが素晴らしいのと、そもそもかめがねこのしっぽをなぜかんだかという理由がいい。傑作絵本と思う。

 8:この本は、特製版をもっているのに、買うときに忘れていてついペラペラ版を買ってしまったもの。森林鉄道は、朝夕は学生の通学の足になり、日中は山と町を木材や生活雑貨の運搬を担う、働き者の鉄道。時には救急車代わりにもなる。石炭ではなく木材を燃料にしているというこのような列車は、まだ現役でどこかで稼働しているだろうか。

 9:1993年11月1日発行の月刊予約絵本「年少版・こどものとも」通巻200号のペラペラ版。記名有。秋山を登りながらのしりとり。次に来る言葉を予想しながら読むわけだが、ページをめくる前のページに、次に使われる言葉が指すものが出ているのにもかかわらず、当てられないと悔しくなる。けれど、ミステリのトリックにまんまとひっかかるような快感もそこにはある。秋の巻だからといって、秋にちなむ言葉ばかり出てくるわけではないところに、しばしば予想を外す原因がある。未入手巻が手に入ったら、そのことに気をつけてまた言葉を予想しながら楽しく読もう。

 10:1995年12月1日発行の月刊予約絵本「年少版・こどものとも」通巻225号のペラペラ版。記名有。この本は、特製版が出ていないようだ。こねこは目に飛び込んでくる生き物に次々に興味を惹かれて、それらを追いかけ回す。人の子そっくり。なんてことはない絵本だけど、猫の躍動的な姿態の描写、毛並みや草の質感表現など、金尾恵子氏の画力にはやはり感心させられる。

 11:

 12:CDアルバムだが、これを買ったら、おまけの冊子が付いてきた。

 13:1975年7月1日発行の月刊予約・科学絵本「かがくのとも」通巻76号のペラペラ版。表紙は小鳥が巣箱の穴に留まっている絵になっていて、きつつきの話かな、なんて思ってしまうが、針の穴、ボタンの穴、ベルトの穴など、生活空間にあるさまざまな穴について気づかせるような内容になっている。出てくる家が今見るとボロ屋に見えて、ちょっとおかしい。

 14:上村一夫「くノ一異聞」vol.12(遠魂歌)を収録。他に、宮谷一彦の読み切り「夜霧の標的者」がどうやら単行本未収録作品で、読み応えがあり。"たとえどんな卑劣な方法をとってもただ生きのびることだけが 結局もはや信ずることのできない国家というものに対する報復になるのではないだろうか……と……"なんていう言葉、しびれる。

今日買った本

■今日買った本。計5250円。

 

a)suruga屋にて。

1・井上こみち・文、広野多珂子・絵『いぬのかんごふさん ベッツとタンクル』教育画劇 ¥200

2・関根榮一・文、横溝英一・絵『ブルートレインほくとせい』小峰書店 ¥450

3・得田之久・文、薮内正幸・絵『シジュウカラととりたち』福音館書店 ¥200

4・牧野夏子・文、佐々木マキ・絵『クイクイちゃん』絵本館 ¥200

5・ウェンディ・ケッセルマン・文、トニー・チェン・絵、八木田宜子訳『きしゃがはしるよ、まどのそと』ほるぷ出版 ¥200

6・ウルスラ・フォン・ヴィーゼ・作、ジタ・ユッカー・絵、ウィルヘルム菊江訳『ねむれない王女さま』太平社 ¥700

7・村野守美『まんが昔ばなし どっぺんぱらり 1』筑摩書房 ¥200

8・村野守美『まんが昔ばなし どっぺんぱらり 3』筑摩書房 ¥300

9・村野守美『まんが昔ばなし どっぺんぱらり 4』筑摩書房 ¥200

10・村野守美『まんが昔ばなし どっぺんぱらり 5』筑摩書房 ¥200

11・宮下充正・監修、加古里子・絵、武藤芳照/八田秀雄・文『じょうずになろう はしること』評論社 ¥200

12~16・聖千秋『すすきのみみずく 全5巻』集英社 ¥360

17・山上たつひこ『続・喜劇新思想大系』秋田書店 ¥190

18・山上たつひこ『続々・喜劇新思想大系』秋田書店 ¥200

19・山岸凉子『時じくの香の木の実』角川書店 ¥380

20・阿久悠・作、上村一夫・画『男と女の部屋』双葉社 ¥800

21・『マンガ少年 1979年4月号』朝日ソノラマ ¥270

 

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 5000円以上で通信販売手数料無料というa)で、欲しい本の合計が5000円近くになってきたので、合計価格を調整して注文してみたものが、本日届いた。

 1:押印有。「絵本・ほんとうにあった動物のおはなし」という実話ベースの絵本のシリーズの1冊。動物病院で飼い始めた犬の親子。子犬が手術を受けてその看病を親犬がして、という経験から、犬の親子が動物病院がどういう場所かを理解して、その後病院にやってくる病気や怪我した動物たちに対して看護婦的なふるまいをするようになったという話。人も例えば、若いときに大病を患い、病院で直してもらった経験があったりすると、医療の世界を目指すことがあるけれど、犬にもそんな道をたどった例があったとはなあ。

 2:上野から札幌までを走る寝台列車北斗星。現在は基本的には運行無しになってしまって、特定のシーズンだけ運行しているみたい。主人公の家族と同乗する、鉄道マニアの中学一年生のいとこのたくちゃんが出てくるが、彼が車内放送を録音したり、あれこれ写真を撮ったり、しまいには終点の札幌まで行かず苫小牧で別れて、電車(汽車?)を乗り継ぎ稚内まで別行動するというから、中一でそこまで自由に好きなことにまっすぐ行動できるのはすごいなと思う。巻末の「しんだいしゃの子守唄」という歌は、ネットでボーカロイドが歌うものが上がっていたので一度聞いておいた。便利な世の中だ。

 3:シジュウカラの生活を追いながら、さまざまな鳥たちを比べながら紹介もするという科学絵本。オスとメスの見た目の違い、鳥によって模様や形のちがう卵、餌の違いなど、ついでにいろいろ知識を増やせるつくりになっている。

 4:お腹を押すとクイクイという音が鳴る人形のクイクイちゃんの話。たこと買い物に行くのだが、たこが靴下を履くのに時間がかかって、その間クイクイちゃんがピンチになる。なんだかこの話、「むかでのおつかい」という話に似ているなあ(むかでがおつかいに行くのに、靴を履くのに時間がかかって、結局行けなかったみたいな話)。

 5:絵を描いているトニー・チェンの色彩感覚が素晴らしく、一目で気に入った。夢の汽車が世界中を走って、それに乗った私が各地の動物たちと触れ合うお話。動物の絵柄には、いかにもな中国っぽさがあるのだけど、汽車や家屋などの人工物の描写になると一転古き良きアメリカンな感じがほとばしり、この妙なギャップがこれまで触れた他の作家にはないもの。

 6:太平出版社ではなく太平社が正しい。ねむれない王女さまを寝かしたものには、王女さまと結婚できる、というわけで、町はずれに住むとある3兄弟が挑む話。羊飼いの末っ子が、王女さまに羊を追わせて体力的に疲れさせ、遂に眠らせることに成功する。ジタ・ユッカーの絵は、モニカ・レイムグルーバーにちょっと通じるものがあるが、もう少し闇を感じさせる。眠れない王女さまの病んでる目元の表現が見どころ。

 7:7~10は帯付きなのが嬉しい。まんが入門に最適の、昔話まんが。4篇収録中「旅人馬(たびにんうま)」が怖くて良かった。妖女?が家に泊めた旅人を騙して小人や馬に変えて、奴隷的に必要時に働かせるという話。ジョジョ第4部のテレンス・T・ダービーというTVゲームで戦って負けると相手を人形にするキャラクターがいたことを連想させた。

 8:4篇中2篇が気に入った。まず悟っている人でも不意を突かれてしまう瞬間があるのがこの世だよ、という「さとり」。もう一つが「猫岳の猫」で、猫岳は阿蘇にあるというから今の根子岳のことを言っているのかなと。だとすると、学生時代に特に好きだった山が舞台の話に偶然触れることができたわけで感慨深いものがある。話は長生きした猫が化け猫になりに行くのが猫岳で、そこで修行する三毛のもとに、元の飼い主が現れる。元の飼い主が猫たちに騙されて酷い目にあわされる前に、三毛は報恩の心から飼い主を帰らせるといったもの。

 9:3篇中の2篇「おむすびコロリン」と「納豆山姥(なっとうやまんば)」は知っている話だった。後者は「さんまいのおふだ」として知っていた。

 10:最終話の「ウンウンテテテ」がきのこの妖怪譚でめっけもんだった(いつでもきのこ関連作品を探している)。

 11:全5巻のじょうずになろうシリーズの5巻目。このシリーズ、第1巻のおよぐことは、そこそこ見かけるが、その他の巻についてはなかなか見つからない。10歳くらいまでは、直接的に走る練習をするのではなく、跳ぶことの繰り返しのある動きや遊びをしたほうが良いというのは目から鱗だった。

 12~16:Twitterで知り合った方がおすすめしていた作品。森の中で、高校生5人が共同生活する。学校や家庭でのどこか無理した人格で生きている各人が、森の生活で、本音や本心をどんどん出せるようになって、本当の仲間となっていく。抱えているものを吐き出すシーンや弱さを仲間が叱咤するシーンなど、どの巻も一箇所以上は目に涙が浮かぶような名シーンが含まれていた。2巻にゲーテの詩が引用されていてそこもぐっときたのだが、おすすめしてくれた方が確か『ゲーテ格言集』を読んでいたはここにきっかけがあったのではないかと思えて、私もそれを入手して読んでみようと思った次第。"空はどこへ行っても青いということを知るために世界をまわって見る必要はない/自分自身をなくしさえせねばどんな生活を送るもよい。すべてを失ってもいい/自分のあるところのものでいつもあれば。"

 17:藤本蒼の装画ということで収集中の本。この巻を読んでいるあたりから、どうも各話の題名が、当時流行っていた小説や歌や映画あたりのタイトルのもじりになっているような気がしてきた。「再会」の回で、春助のいとこの「与一」と、志麻さんのむすめ「めぐみ」が登場し、以後レギュラー的なキャラクターになる。

 18:18に同じで収集中の本。春助とめぐみは最後はくっつくのだろうか。

 19:同題名で竹本健治が短篇を書いている。竹本健治好きなので、そのつながりで購入してみた。「時じくの香の木の実」の「日影」と、「常世長鳴鳥」の「雪影」。影がつく名前の登場人物は、容姿が醜い。きれいな人物と醜い人物をはっきり描き分けて、物語まで残酷に仕上げてあるからぞっとする。

 20:小池書院から2007年に出た同題の本は持っている(それに付属していた山崎ハコのCDのイラストは、「舞い戻りの女」のラストのコマが使われていた)のだが、今回購入の最初の単行本には、「ジョンとヨーコ」という4話の話も収録されていて、それを読みたくて買った。ジョン・レノンオノ・ヨーコが主人公というわけでもなさそうだ。17歳のジョンと、16歳のヨーコの気ままな旅暮らし(フーテン暮らし)を描いた作品。2話目「とても悲しいフィッシング」では、水俣病のことが描いてある。

 21:読み切りで岡田史子「家出前夜」、藤子不二雄「マイロボット」が収録してあり、特に前者が購入の決め手。1979年の号なのに掲載された「家出前夜」の脱稿は1971年2月と書いてある。「家出前夜」の扉には作者名に幻の作家と冠されていて、もうこの時代にはそんな扱いだったのだなあと思う。作品内容に自宅の秘密の部屋に父親が殺した前妻の死体を隠していたというシーンがあって、最近並行して読んだ『喜劇新思想大系』の隅田川乱一が登場する回に重なるものがあり、そんな偶然が嬉しくなった。青色のインクは裏写りしやすいようで、読みにくかったのは残念。2023/1/15売却済。

今日買った本

■今日買った本。計1122円。

 

a)ブックオフ徳島沖浜店にて。→本全品20%OFFセールをやっていた。

1~7・愛英史・原作、里見桂・漫画『ゼロ The Man of The Creation 10,12,15~18,21』集英社 各¥86

8~12・愛英史・原作、里見桂・漫画『ゼロ The Man of The Creation 13,14,19,20,23』集英社 各¥86.8

13・守誠『楽単 楽しく・覚える・英単語』新潮文庫 ¥86

 

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 a)でセールをやっていると聞き知って、別の用事のついでにさっと寄ってみた。以前棚から消えていたシリーズ漫画が、また復活していたので、未所有巻をまとめて買ったつもりが、所有巻のメモの更新を怠っていたばかりに、数巻ダブって買ってしまった。

 1~7:収集中の漫画。

 8~12:収集中の漫画だが、所有している巻でダブってしまったもの。

 13:なんとなく買ってしまった英単語の本。読み物として読めそうに思えたので購入。

今日買った本

■今日買った本。計6800円。

 

a)鳴く虫とヒトハコ古本市2019にて。→初会場入り。
1・アニタ・ローベル・作、猪熊陽子訳『おひめさまのたんじょうび』文化出版局 ¥400 えほんのトビラ屋

2・石井好子『ふたりのこいびと シャンソンと料理』文化出版局 ¥500 mazaki

3・エイドリアン・トミネ、長澤あかね訳『サマーブロンド 四つの短篇』国書刊行会 ¥500 心平堂

4・中尾佐助『花と木の文化史』岩波新書 ¥200 心平堂

5・ロゲルギスト『新・物理の散歩道 第1集』ちくま学芸文庫 ¥200 心平堂

6・オットー・ペンズラー・編、倉橋由美子・他訳『愛の殺人』ハヤカワ文庫 ¥300 心平堂

7,8・アルツイバーシェフ・作、中村白葉訳『サーニン (上・下)』岩波文庫 各¥50 mitsuzumi

9,10・ポール・ヴィダル・ドゥ・ラ・ブラーシュ・著、飯塚浩二訳『人文地理学原理 (上・下)』岩波文庫 各¥50 mitsuzumi

11・マクシム・ゴーリキイ、上田進訳『イゼルギリ婆さん・秋の一夜 他二篇』岩波文庫 ¥50 mitsuzumi

12・ロマン・ロラン、片山敏彦訳『獅子座の流星群』岩波文庫 ¥50 mitsuzumi

13・みつはしちかこ『となりのケン』秋元文庫 ¥200 古書リバーズ・ブック

14・三國一朗『鋏と糊』ハヤカワ文庫 ¥200 さすらいのアリクイ書店

 

b)K文庫にて。

15・池田弥三郎『印袢天 江戸っ子の心意気』駸々堂ユニコンカラー双書 ¥200

16・大西伝一郎・作、小沢良吉・絵『うたえないカエル』小さな出版社 ¥50

17・松野正子・作、吉本隆子・絵『おおきなおみやげ』福音館書店 ¥50

18・宮崎学・写真と文『ふくろう』福音館書店 ¥300

19・グニッラ=ベリィストロム・文と絵、ビヤネール多美子訳『ボッラはすごくごきげんだ! ビルとボッラのお話』偕成社 ¥300

20・ポール=ストロイエル・絵/文、たなかみちお訳『ぺぺと大きならっぱ』講談社 ¥1200

21・ヤン・モーエセン・作/絵、小沢正・解説『おかしな46にんの46のおはなし』フレーベル館 ¥400

22・あまんきみこ、宮崎耕平・絵『ぼくのでんしゃ』ポプラ社 ¥300

23・『きかんしゃトーマス なかまずかん 2』小学館 ¥400

24・三越左千夫・文、伊藤悌夫・絵『幼児のずかん しんかんせん』偕成社 ¥800/3

25・三越左千夫・文、木村定男・絵『幼児のずかん でんしゃ』偕成社 ¥800/3

26・三越左千夫・文、武部本一郎・絵『幼児のずかん かもつれっしゃ』偕成社 ¥800/3

 

c)某所にて。

27・わち・さんぺい『ナガシマくん』 ¥0

28・矢野憲一、平沢茂太郎・絵『ぼくは小さなサメ博士』講談社 ¥0

29・野上丹治/洋子/房雄・原作、八住利雄・脚色、竹山のぼる・画『優良映画物語漫画 つづり方兄妹』集英社 ¥0 

 

***

 

 朝起きたら、a)の開催当日だということをたまたま知ったので、思い切って日帰りで行ってみることにした。鳴く虫とは、例えば鈴虫や蟋蟀やらのことで、会場である伊丹市は、昆虫の博物館があることもおそらく手伝って、江戸時代からある虫の声を聴くという風習を現代風にイベント化して、ここ数年街おこしに活用しているようだ。a)の出店者のいる場所場所に、虫かごが置いてあって、ときどき思い出したように虫が鳴いたりしていた。b)は帰りに寄ったもの。閉店間際での入店で、棚の見方が雑になってしまった。c)は、某所にて、6日ほど前に入手したもの。

 1:

 2:文春文庫から『パリ仕込みお料理ノート』と改題出版されている本だが、今回入手の帯付の単行本。

 3:短篇漫画4篇を収録。いずれも冴えない主人公の冴えない日々を描いていて、全体にビターな味わい。私も小中高校とクラスの中で地味な地位を築いていた一人なので、共感できるものが大いにあり、トミネお前もか、という思いで胸がいっぱいになった。「別の顔をした僕」はいけすかない作家の主人公が、苦い経験を通過せずには創作ができない切なさを描く。その切なさはやっぱり同類の読者の共感を呼ぶものとなるだろう。「サマーブロンド」はストーカーの男の話で、ストーカー相手に毛嫌いされるものの、最後には相手がやぶれかぶれな心境になって、妙な親しみを男に見せる。そのラストの心の隙のチラ見せが尾を引く。「バカンスはハワイへ」ではラジオのハワイ旅行は当たらない。当選を期待しないように、でももしかしたらと期待してる、でもやっぱり当たらない。一発逆転を期待する出口のない日々を生きる無名の人々の存在を意識させられる。

 4:植物学者が紹介する花と木の文化史。

 5:文庫版の第1集は未所有だったが、自然選書版の第1集と内容は同じようだ。ただ文庫版あとがき(と解説も?)が収録されている違いがあるようだ。ようだようだの状態なので、自然選書版を掘り出して内容確認したいところ。

 6:訳者の"他"は、黒原敏行、岡田葉子、深町眞理子田口俊樹、後藤安彦、高橋恭美子、佐藤耕士、高見浩、高儀進、亀井よし子、井上一夫、小尾芙佐山本やよい、吉澤康子、吉浦澄子、である。この本には、首都圏で出店されていたかたの栞と古書店ラベルがあって、個人から個人への来歴を面白く思ったのも、購入の決め手。

 7,8:岩波文庫創刊60周年記念のリクエスト復刊(第2回)の1988年2月4日発行の第16刷のもの。下巻は発行年月日が同じだけど12刷になっている。2015年春の岩波文庫リクエスト復刊版が今でも在庫僅少ながら入手できるようだ。

 9,10:少なくとも1997年に新装版が出ている。2024/3/E売却済。

 11:その後、『ゴーリキー短篇集』としてもう少し他篇を足した岩波文庫が出た。

 12:1986年4月4日発行の改版第10刷のカバー無し時代の文庫。フランス革命劇連作の掉尾を飾る作品とのこと。新装版では出ていないようだ。

 13:全編漫画。秋元書房の文庫で、ファニーシリーズと銘打ってあるので、ファニーシリーズならば全編漫画の作品ということなのか、と思って軽くWebで調べてみると、そういうことではないらしく、秋元文庫で全編漫画作品は珍しいようだ。私は少なくともこの本を見るまでは、秋元文庫は挿絵付き小説ばかりだと思っていた。表題作「となりのケン」と「クミコの青春ノート」の2篇を収録。どちらも、見た目はどうでも、心は女の子といった風で、似通った作品ながら、リズムよくポンポン読み進められて、やっぱり面白い。

 14:ハヤカワ文庫NF=ノンフィクション。スクラップブックについてのノウハウなどについて書かれた本。

 15:はんてん、と入力すると、袢纏は出てくるが、袢天は出てこない。そのくらい袢天は通用しない言葉になってしまっているようだ。

 16:発売元は星雲社。カエルの小学校に通う2年生のうたえないカエルが主人公。うまくうたえないことで、上級生らにいじめられるのだが、同級生が親身になって歌い方を教え一緒に必死に練習してうたえるようになる話。物語は努力して報われたから良かったものの、どこか同級生たちの善意の押し付けのようなものを感じて、読んでいて辛かった。うたえないカエルはそれはそれでOK、という風なありかたのほうが現代的かな。売却済。

 17:1970年9月1日発行の月刊予約絵本《こどものとも》174号のペラペラ版。妹を出産して退院してくる母娘を待つ、お兄ちゃんを描いた話。ワッツの『おかあさんがかえるひ』と同じテーマの作品。

 18:福音館の"かがくのほん"で、写真絵本。ふくろうの餌のほとんどは野ねずみだそう。ひなは生後20日ほどで野ねずみを丸呑みできるようになるとか。

 19:病名のない(広い意味で発達障害か)障害をもつボッラについての話。ボッラの母親が絵本化して出版したもの。巻末の訳者のあとがきを読むと、なおさら障害児をもつ親や家族の大変さが切実に伝わってくる。離婚率も高まるそうで、社会的支援が本当に必要。続編があるようなので、ぜひ読んでみたい。

 20:

 21:

 22:同行者に請われて購入。森でなくしてしまったおもちゃの電車を、男の子が夜に森に探しに行く。見つかったその電車に乗って、森の音楽会に行く話。自然や動物といったものと電車という人工物の組み合わせにうっすらと違和感を覚えた、岸田衿子・作の『もりのでんしゃ』という作品を思い出した。本作では、電車がおもちゃであることと、お客さんの人数?(頭数?)次第で大きさが変わる幻想性の2点から、そのような違和感はなく読めた。

 23:同行者に請われて購入。

 24:同行者に請われて購入。24~26は、函入で「幼児のずかん第2集」の、それぞれ1,2,3となっている。絵の方の名前の読みは、いとうやすお。1974年第6刷の本で、山陽新幹線は全線未開業みたい(ネットで調べたら、1972年に新大阪から岡山までは開業、岡山から博多までは1976年開業とのこと)。

 25:同行者に請われて購入。寝台特急列車「はと」というのが、何だか脱力ネーミング。私鉄の特急電車の見開きページが、遠近法が利いていて、近未来感満載。

 26:同行者に請われて購入。青函トンネルが開通する前、青森~函館間を結ぶ青函連絡船には、船内に3本の線路があって、それで客車や貨車を運んだらしい。その客車の乗客は、船内ラウンジとか、自由に行けたのだろうか。鮮魚専用の冷蔵特急列車「ぎんりん号」など、知らなかった知識が増える。

 27:昭和36年2月号『少年』付録のもの。表紙見返しのクイズ以外、野球要素なしなのが微笑ましい。ちなみに、長嶋茂雄プロ野球デビュー戦は、本書発行の約3年前となっている。

 28:函入。サメ研究の第一人者によるサメに関する児童読み物。

 29:映画を漫画化した作品で、おもしろ漫画文庫というシリーズのうちの1冊。つづり方、すなわち、作文の得意な3兄妹がいる家庭の実話に基づく話。貧しい家庭だが、作文コンクールに応募して、賞を獲り、その景品が暮らしを助けるという、電波少年の懸賞生活のような話。

今日買った本

■今日買った本。計1242円。

 

a)アリスブックスより。→オンラインショップ、初利用。

1・ひうち棚/もぐこん『終わり小巻 1』終わり小巻 ¥621

2・ひうち棚/もぐこん『終わり小巻 2』終わり小巻 ¥621

 

b)自宅にて。

3・ロバート・マイクル・バランタイン、訳者不明『アマゾンの秘宝』カバヤ児童文化研究所 ¥0

 

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 先日注文していた本が、a)より本日届いた。b)は、現自宅から出てきた大家さんの本。

 1:既読感が拭えなかったので、調べてみると、既に入手済だった。ショック。

 2:前半、ひうち棚作品。後半、もぐこん作品で、半分でちょうど分かれている。ひうち棚作品は、子育てと労働ネタで安定の日常描写でほっとさせられる。

 3:カバヤ児童文庫。作者は、ロバート・マイクル・バランタイン。原題情報はないが、自分なりに調べてみたところ『Martin Rattler』と思われる。カバヤマンガブックを、芳崎せいむ金魚屋古書店小学館の5巻を読んで初めて知って以来、カバヤの出していた本に、興味津々だったが、その一作品であるカバヤ児童文庫のうちの一冊をこうして偶然にも現物を拝むことができて嬉しい。ただし状態は悪く、背にビニルテープで補修がしてあったり、記名があったりする。

今日買った本

■今日買った本。計1500円。

 

a)海辺の本の夏まつり2ヒトハコ古本市にて。→初会場入り。

1・エリック・ホッファー、田中淳訳『波止場日記 労働と思索』みすず書房 ¥500 PORO BOOKS

2・ルドウィク・イェジー・ケルン・作、カジミェシュ・ミクルスキ・絵、内田莉莎子訳『すばらしいフェルディナンド』岩波書店 ¥0 日々ふくふく堂内宮川文庫

3・コンスタンチン=V=イオシーホフ・作、福井研介/小林久枝/杉山利子/辻貞子・共訳、松井孝爾訳『長鼻くんといううなぎの話』講談社 ¥0 日々ふくふく堂内宮川文庫

4・古在由重『教室から消えた先生』新日本出版社 ¥0 日々ふくふく堂内宮川文庫

 

b)大方あかつき館にて。→初入館。

5・上林暁『復刻版 薔薇盗人』大方町教育委員会 ¥1000

 

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 一泊二日で高知へ。a)が、その旅程のなかでも、個人的に主目的だった。10時開催で11時頃到着した。一年前にもヒトハコ古本市を開催していて、その時は来れなかった。この会場では、今回で2回目の開催となる。古本は5店舗が出店していた。b)は、a)の会場のそばにある上林暁文学館を含む館。ここでは、世田谷ピンポンズ『紅い花』というCDアルバムも購入。「紅い花」という曲が、上林暁「星を撒いた街」という作品に触発されて作られた曲だそう。このCDはジャケットにサイン入りだった。もう少し在庫があるようだ。

 1:新装版第1刷として2002年8月20日に発行されたもの。その3週間後くらいに購入したらしき年月日印が押してある。仕事に昼休みにでも読みたい本。

 2:カバー袖に雨雨雨のタイポグラフィがあって、ずっと欲しかった本。リンク先は"岩波おはなしの本6"となっているが、現物は"岩波ものがたりの本6"と書いてある。

 3:訳者名は、まついたかじ、と読む。

 4:かもしか文庫というシリーズの11作品目。

 5:昭和八年七月十二日印刷、十五日発行の金星堂版の、復刻版。NDLに献本されていないようなので、とりあえずリンクをオリジナルの金星堂版に張った。支払い時に念を入れて確認したが、消費税を取られなかったのでちょっとお得な買い物になった。

今日買った本

■今日買った本。計4561円。

 

a)ブックオフ徳島住吉店にて。

1・ウルフ・ニルソン・作、エヴァ・エリクソン・絵、石井登志子訳『やんちゃがらすとさくらんぼ』佑学社 ¥108

2・羽場徳蔵『たのしい図画工作14 こすりだし・すりだし』国土社 ¥108

3・いわさゆうこ/大滝玲子・作『ひろってうれしい知ってたのしい どんぐりノート』文化出版局 ¥108

4・安野光雅・作/絵『おおきなもののすきなおうさま』講談社 ¥108

5・グリム童話、バーナデット・ワッツ・絵、ささきたづこ訳『ブレーメンの音楽隊』西村書店 ¥108

6・田島征彦『じごくのそうべえ 桂米朝・上方落語・地獄八景より』童心社 ¥108

7・結城昌治、日下三蔵・編『あるフィルムの背景 ミステリ短篇傑作選』ちくま文庫 ¥108

 

b)ヤフオクにて。

8・竹内健『世界でいちばん残酷な話 薔薇の天使』新書館 ¥3697

 

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 散髪しに行ったついでに久しぶりにa)へ。本当に久しぶりだったので、在庫に変化があってそれなりの収穫があり、嬉しかった。b)は3日前に届いたもの。

 1:スウェーデン南部のスコーネという地方の農家が舞台。庭に1本の大きなさくらの木があって、さくらんぼが鈴成りなのだが、そこにやんちゃなからすがやってきて、滅多やたらについばむので、それを阻止しようと子ども二人が奮闘する。しまいには網に掛かったからすが、地面に落下し、死んだかと思われたが、実際は気絶していただけのようで、流石に殺す気まではなかった子どもたちはほっとする。子どもに読み聞かせていて、からすが死んだかと思われたシーンは、これは読み聞かせるには早かったかな、重たい話だな、と思い失敗した感に苛まれたが、読み進んでいくとからすが意識を取り戻したので、親子共々本当にほっとした。

 2:

 3:

 4:

 5:

 6:

 7:2019/8/20読了。第二部のラスト2篇が鋭利で気に入った。確率の犯罪を扱った「葬式紳士」、読了した瞬間には理解できなかったが、そういう運に賭ける犯罪が成立しえることに目から鱗。「温情判事」は裁判における情状酌量刑事罰の軽重の難しさを痛烈にあぶり出す。第一部は、一昔前というか社会派といった感じの推理小説で、トリックや犯人の意外性よりも、いかにも現実にありそうな設定と描写に重きを置いた作品群と感じられた。その点、私は物足りなさを覚えたが、文体の明快な描写力の読み心地は良い。漁夫の利的な「蝮の家」は、気に入った。

 8:1969年12月5日初版のもの。この作品は副題の「薔薇の天使」が、その後のメインタイトル化して宇野亜喜良装画で再刊行されていて、そちらは持っているのだが、今回入手の藤本蒼装画がどうしても欲しかった。ようやくの落手に喜びもひとしお。2020/4/1読了。5編のうち、後半4篇が何やら連作短篇のように、禍々しい特定のキーワードや事物を共通に出入りさせている。そのせいで、一篇のどこにまた同様の残酷な落とし穴が用意されているかもと想像させられる身震いするような怖さがあり、深入りしないよう警戒しながら読んだ気もしている。最も残酷な最終篇では、著者の劇作家らしさと、その後オカルトに関する文章を多く書くようになった著者のこれからを感じさせた。

今日買った本

■今日買った本。計1700円。

 

a)第8回海の見えるヒトハコ古本市&せとうちのみの市にて。

1・どろなわ『たのしいエア手芸』 ¥100 dorond

2・どろなわ『夏をやりすごしたい』 ¥300 dorond

3・川崎大治、宮下森・画『ねずみちょうじゃ』あい書房 ¥400 takeutike  

4・ヒュウ・ロフティング・おはなし、光吉夏弥訳、横山隆一・絵『もりのおばあさん』岩波書店 ¥300 takeutike

 

b)仏生山温泉50m書店にて。

5・多島斗志之『龍の議定書(プロトコル)』講談社文庫 ¥200

6・今日泊亜蘭『光の塔』早川文庫 ¥200

7・トニー・ケンリック、上田公子訳『暗くなるまで待て』角川文庫 200

 

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 ●書きかけ。

 1:

 2:

 3:あい書房の本を買うのは初めて。「川崎大治おはなしえほん」というシリーズのうちの1冊。宮下森はぱっと名前を見たところ女性かと思ったが、実際は男性。版画絵と思うが、黒色とその隙間を適度に埋めるカラフルな色とのバランスが良い。漫画のコマのようなややゆるい枠のある絵と、その枠の上側や下側に重なるようにネズミの絵やおじいさんの絵が配され、絵が紙面に垂直に飛び出してくるような元気な印象を与えてくれる。物語はおむすびころりんだけど、おむすびは転がらず、単にねずみに手渡しする話。

 4:

 5:

 6:

 7:

今日買った本

■今日買った本。計1790円。

 

a)櫻茶屋にて。→初入店。新装開店で、新刊本コーナーができた。本購入無し、飲食利用。

 

b)ブックオフonlineにて。

1・東君平『どきどきうんどうかい』あかね書房 ¥198

2・江川多喜雄、やべみつのり『みんなのくうき』童心社 ¥398

3・マリー・ホール・エッツ/アウロラ・ラバスティダ・作、マリー・ホール・エッツ・画、田辺五十鈴訳『クリスマスまであと九日 セシのポサダの日』冨山房 ¥498

4・松下かつとし、鈴木靖将・絵『骨食い太郎 骨が溶ける難病とガンの克服を描いた童話と手記』ミネルヴァ書房 ¥348

5・松野杜夫『幕末麻雀新選組』講談社 ¥348

 

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 a)の新刊書籍のコーナーが、昨日できたという情報を得たので、早速行ってきた。どうやら、uta to taneのお店をされていた方が、その選書を担当したようだ。夏葉社の本の取り扱いもある。高野文子・絵の知らない児童書があり、買おうか迷ったのだが、金欠のため買えず。b)は、実際は昨日に届いたもの。

 1:たっくんシリーズの1冊。

 2:やべみつのり氏は漢字で矢部光徳と書く。

 3:1960年コルデコット賞受賞作。

 4:鈴木靖将の絵が拝めるということで購入。

 5:大して麻雀のルールや役を理解していないのだが、なんだか気になってしまう麻雀小説ということで購入。時代物で麻雀という妙な取り合わせが面白い。

今日買った本

■今日買った本。計200円。

 

a)古書bunにて。

1・『別冊きまぐれみかんロード 創刊号』柑橘ソムリエ愛媛 ¥200

 

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 a)にはいくつかのzine/リトルプレスが置いてあるのだが、今回はファンである「かんきつ家」の方も書いている1が目に飛び込んできたので、即購入。

今日買った本

■今日買った本。計7808+1100+1960+432(+1000)+200+2748(+300)=14248(+1300)円。

 

a)ブックオフPLUS11号観音寺店にて。→初入店。

1・大川悦生・作、梅田俊作・絵『さるじぞうほいほい』ポプラ社 ¥260

2・多田ひろみ・作、柳生弦一郎・絵『なーちゃんとおおかみ』福音館書店 ¥360

3・シビル・ウェッタシンハ・作、松岡享子訳『ポッダとポッディ』福音館書店 ¥360

4・水野都喜子・絵と文、山本直英・監修『せっくすのえほん』あゆみ出版 ¥560

5・V・ベレストフ・原案、阪田寛夫・文、長新太・絵『だくちるだくちる はじめてのうた』福音館書店 ¥260

6・アヒム・ブレーガー・作、ギゼラ・カロフ・絵、虎頭恵美子訳『ブルーノのふしぎな電話』NTT出版 ¥510

7・五味太郎『からだのみなさん』福音館書店 ¥260

8・リチャード・スキャリー・作、奥田継夫訳『せかいいちさわがしいかばのヒルダさん』ブックローン出版 ¥560

9・リチャード・スキャリー・作、奥田継夫訳『せかいいちいそがしいぶたのしょうぼうし』ブックローン出版 ¥560

10・リチャード・スキャリー・作、奥田継夫訳『せかいいちはらぺこな3にんぐみ』ブックローン出版 ¥560

11・リチャード・スキャリー・作、奥田継夫訳『スモーキーはしょうぼうだいすき』ブックローン出版 ¥460

12・リチャード・スキャリー・作、奥田継夫訳『ハリーとラリーはりょうしがだいすき』ブックローン出版 ¥460

13・ハンス・クリスチャン・アンデルセン・原作、堀尾青史・脚本、いわさきちひろ・画『人魚ひめ』童心社 ¥1000

14・那須正幹・文、清水耕蔵・絵『ヤマトタケル』ポプラ社 ¥560

15・レギーネ・シントラー・文、エレオノーレ・シュミート・絵、上田真而子訳『ろばのナポレオン』福音館書店 ¥360

16・斎藤隆介、岩崎ちひろ・絵『ひさの星』岩崎書店 ¥200

17・菊池日出夫・作『さんねんごい』福音館書店 ¥410

18・見延典子『もう頰づえはつかない』講談社文庫 ¥108

 

b)ブックマーケットプラス善通寺店にて。→初入店。

19・太田大八『絵本タルタル10』ブックローン出版 ¥300

20・瀬名恵子・作/絵『さかなってなにさ』金の星社 ¥300

21・ウルスラ・ジェナジーノ・作、ヨゼフ・ウィルコン・絵、泉千穂子訳『ミンケパットさんと小鳥たち』セーラー出版 ¥500

 

c)ブックメイト郡家店にて。→初入店、本購入無し。

 

d)ブックオフ高松国分寺店にて。→初入店。

22・ジアン・パオロ・チェゼラーニ・文、ピエロ・ベントゥーラ・絵、吉田悟郎訳『北極探検』評論社 ¥500

23・グウィン・ビバース・文、サラ・プーリー・絵、小林登/中山知子・共訳『みんなのからだ』西村書店 ¥200

24・辻村益朗・作『本のれきし5000年』福音館書店 ¥200

25・大西暢夫『おばあちゃんは木になった』ポプラ社 ¥200

26・きどのりこ・文、鈴木靖将・絵『ハンネリおじさん』日本基督教団出版局 ¥200

27・佐々木マキ『おばけとどろぼう』教育画劇 ¥660

 

e)かまんよ書店にて。→店舗販売しておらず。

 

f)ブックオフ高松仏生山店にて。¥432+¥1000

28・中井英夫『人形たちの夜』講談社文庫 ¥108

29・中井英夫『幻想博物館』講談社文庫 ¥108

30・中井英夫『悪夢の骨牌』講談社文庫 ¥108

とらんぷ譚2

31・篠田真由美『ルチフェロ』学研M文庫 ¥108

+"教出の音楽鑑賞レコード(小学校用)"というLPレコードで、3年生向けのその1と、4年生向けのその1。各¥500

 

g)仏生山温泉50m書店にて。→この店名?コーナー名?になってからは初入店。

32・柴田翔『されどわれらが日々--』文春文庫 ¥200

 

h)ソロー。→定休日で入店できず。

 

i)ブックオフ高松東バイパス店にて。→初入店。¥3048-300

33・イブ・スパング・オルセン・作/絵、山内清子訳『つきのぼうや』福音館書店 ¥360

34・みなみ信州農業共同組合・文、熊谷元一・絵『ふるさと見直す絵本 8 もらい風呂 農家のくらし2』農山漁村文化協会 ¥760

35・甲斐信枝・作、八木沼健夫・監修『こがねぐも』福音館書店 ¥360

36・ミッシェル=ゲ・作/絵、山下明生訳『ぺんぎんぼうやビブンデ』講談社 ¥560

37・梅棹忠夫『夜はまだあけぬか』講談社文庫 ¥108

38・大海赫・作/絵『ビビを見た!』ブッキング ¥200

39・ルース・クラフト・文、エリック・ブレッグバッド・絵、山田修治訳『ふゆのくまさん』アリス館 ¥200

40・鶴見正夫・文、清水耕蔵・作/絵『海神島』講談社 ¥200

+ざんげの値打ちもない¥300

 

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 書きかけ。

 1:大川悦生・子どもがはじめてであう民話の第2巻。このシリーズは全何巻なのだろう。特徴的な擬音語が多くて面白い。そばこが顔にほたほたついたり、山を登るのはえっちゃもっちゃ、畑はぼっくらさと耕すなど。畑仕事の後に昼寝している爺さんを猿たちが地蔵に見間違えて、自分たちのお堂まで運び、小判などお供え物をする話。例によって、悪い爺さんが、同じように儲けようとして、肝心要のところで不首尾となる。昼寝している爺さんが本当に地蔵に見えるように描いてあるのは絵描きのテクニックもあるけど、昔の爺さんはせむしだったりほっかむりの仕方だったりで本当に地蔵に見えたかもなあ、それでこんな民話が伝わっているのかもなあとも思う。

 2:なーちゃんという女の子が一人でお風呂に入っていると、赤ずきんよろしく、おおかみが窓からやってくる。おおかみはなーちゃんを捕まえて食べようとするが、なーちゃんはむじゃきに泡や水かけっこで遊んだりして、おおかみがこりゃたまらんという風に退散していく。おおかみは、一人でお風呂に入るときに感じる怖さとか孤独の象徴かな。そういうのを手玉にとって、しっかり一人で入れるように、この本を読んだ子どもたちを勇気づけるような絵本を目指したのかも。

 3:ポッダは怠け者の亭主で、ポッディはその奥さん。ポッディになけなしのお金を託されたポッダは、飢えているのにも関わらず、哀れな老婦人からたねにする玉ねぎだけを買ってくる。ポッディは怒って一時家を出て行くが、その玉ねぎを育てて、それを売ったお金で、さらに玉ねぎを植えて、そうして暮らしが遂に楽になったという話。それにしても、飢えに苦しんでいる間、何を食べて生きながらえたんだろう。

 4:

 5:ベレストフは1928年ロシア生まれの詩人で考古学者でもあるそうだ。プテラダクチルスというプテラノドンよりもずっと前の時代に生きていた恐竜が出てくるのだが、だくちる、というのはその恐竜が歌う、地球上で初めてのうた、という設定。火山の噴火音しか聞いたことのなかったイグアノドンが、プテラダクチルスのうたを聞いて、嬉しかった。その嬉しさをしっかりまっすぐに詩にして、伝えてくれる作品になっている。それにしても、この地球上で、初めて歌った生き物(鳴いたり、(移動のために出る足音などではなく)音を鳴らした生き物)は、何だったのだろう。

 6:NTT出版だけに、電話の話の本をいろいろ出しているのだろうか。TOTOによるトイレ関係図書の出版を連想する。ブルーノ青年(一人暮らしをしているようなので少年というと若すぎるかもと思い)が、寂しさを紛らわせるために電話交換手に電話をするのだが、何か特別なことをしたいということで、自分の体を縮めて電話線の中を伝い、電話交換手の女性に会いに行く。途中、迷子になったり、違った受話器から外に飛び出してしまったりして、すったもんだの冒険。子ども心に遠くの人と話ができる電話という機会の素朴な不思議さがあり、また、電話線が遥か遠くの祖父母や友人の家にまでつながっていて自分でも伝っていけば直接会いに行けるのではないかという思いつきも、多くの子どもが発想したものじゃないかと思うのだが、そういう子ども心に直球のお話で面白く読んだ。携帯電話が普及した現在でも、かろうじて固定電話が利用されていて、読み聞かせした今の子どもにも理解してもらえてほっとした。

 7:少年のあたまや目や指先やらの「からだのみなさん」が、あれこれ言いながら進むお話。からだのどこを擬人化すると、どんなことを言っているだろうか、そんな想像力を刺激する絵本で、読み聞かせの後に、早速応用して遊べてしまう。少年が、暑さのために、調子に乗って裸になってしまうのも、タブーを振り切ったようなところが、子ども心を楽しませてくれる。画面の端々で、小物的な絵や読めるか読めないかというような文字で補足的な情報がちらちらしていて、そういったものの意味(例えば、腹痛になる可能性を考えた時に医者に診てもらうことになるかもと思ったから医者の絵が小さく描いてあるのだな、とか)を推理するのも面白い。

 8:

 9:

 10:

 11:「たすけてーェ かじーィ」「あそびましょ、キティちゃん」の2篇を収録。ねこの消防士のスモーキーとその彼女?のキティが登場。2篇とも火事が発生するのだが、鎮火のあとに、キティの作ったブルーベリーパイを食べて、みんなの口の周りがブルーベリー色に染まるという同じ終わり方で、まとまりました、という感じ。だから是非2篇連続して読みたいお話。

 12:「つれたひにはとくべつりょうり」「つれなかったひはなんにもない」の対照的な2篇を収録。前篇は、まず魚以外が容赦なく釣れて、最後にこういうのが釣りたかったという巨大魚が釣れて万々歳。後篇は、不幸な出来事ばかり起こって、「何かあったの」と言われればその通りなんだけど、全部説明できないくらいのことがたくさん起きたので「なんにもない」と答えざるを得なかったという反語的な落ちとなっている。過剰さをうまく話の面白さに用いていて、エスカレートしていく感じが読んでいて面白い。

 13:

 14:絵本にしては大長編。有無を言わさぬ無茶苦茶なストーリー展開で、終いには笑いが出てくるよう。オホタラシヒコオシロワケの天皇(すめらみこと)と、妃の一人のイナビノオホイラツメの間に生まれた、二人の太子(おほみこ)オホウスノミコトとその弟のヲウスノミコトがいる。それぞれ不遜だったり猛々し過ぎたり。ヲウスノミコトは天皇の言いつけに過剰に対応して兄を殺してしまうが、天皇はヲウスノミコトが怖くなって、何度も死ぬかもしれないとような困難な仕事を言いつけるが、ヲウスノミコトはそれをやり遂げてくる。その間、クマソタケル兄弟を殺した際に、その兄弟に強さを認められてタケルを差し上げられて、ヤマトタケルと名乗るようになったり、天皇に討伐命令ばかりされ実父に死んでもいいと思われているのだはないかと愚痴をこぼしに伊勢神宮にて叔母のヤマトヒメノミコトに会って守り刀として草薙剣を頂いたりしている。討伐討伐の果てに、油断をして草薙剣を置いて行った先で、山の神に負けてしまう。最後には名古屋と琵琶湖の中間のあたりの当芸野(たぎの)という土地で死ぬのだが、その後能煩野(のぼの、今の三重県亀山市)に妃や息子たちが墓をつくったところ、ヤマトタケルの魂が白い鳥になって飛び立ち、河内の国の志畿(しき)というところに降り立つ。そこにあらためて墓を作り、白鳥御陵(しらとりのみささぎ)と名付けられる。だがまた白い鳥は飛び立ち、いずことなく去っていたとか。行く先々のエピソードから、地名が生まれるところ、のちの時代の弘法大師を連想。

 15:

 16:未読と思ったら、過去に買っていて売却済みだった。再読したら行商用になるかも。

 17:のらっこの絵本シリーズの第1作。ページが1枚破れてなくなっているので、ちゃんと全ページ読めるものを見つけてこなければ。

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 21:どうもミンケパットではなく、ミンパケットと誤読してしまうのだが……。いろいろな仕事をしてきて引退寸前のミンケパットさんは、最後に「森のえさばこがかり」になる。小鳥たちのための仕事で、段々小鳥たちのことが分かるようになり、しまいには長い努力の末、ミンケパットさんが自身のすみかである屋根裏部屋でピアノを弾くと、小鳥たちがピアノと一緒にさえずったり歌ったりするようになる。近所の人、とりわけ階下の菓子屋のおかみさんに、うるさがられてしまうのだが、あるときそのおかみさんの飼っていたカナリヤがどこかに行ってしまって、それをミンケパットさんがピアノを使って行方不明のカナリアを呼び寄せることに成功し、近所の人々に認められ尊敬されるようにまでなる話。口下手なおじいさんのミンケパットさんの人柄が、地域の人にわかる形でのその仕事振りによって、地域に認められる。それまでの仕事は、どこかすみかとは離れたところでのサラリーマンをしていたのかなと思う。引退した独り身男性の一つの成功譚としても読めた。2024.3.30売却済。

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 28~30:行商用。29はとらんぷ譚1、30はとらんぷ譚2。 

 31:切り裂きジャック伝説を小説化した作品。カバー袖の著者紹介を読むと、このような西洋伝奇的作品として、『ドラキュラ公』や、青ひげの異名を持つジル・ド・レについての『彼方より』などがあるとのこと。2024/3/E売却済。

 32:この本が店名命名由来になっているブックカフェがある。古本が出てくる小説だと聞いたことがある作品なので、気になっていた。

 33:

 34:農村の労働提供による相互協力の"ゆい"、もらい風呂はその中の慣習の好例。農作業協力先の宅で、風呂をわかして、作業後に協力者たちに風呂に入って、労を労う。もらい風呂、呼んで呼ばれて、風呂上がりにお茶したり。水を大事にして、簡単に捨てない意味もある。ほのぼのした熊谷元一氏の絵が抜群に良い。

 35:

 36:漫画風のゆかいな絵本。ペンギン検査なるものがある。ペンギンが一列に並び、王様とお妃様が彼らの体が汚れていないかを調べる。汚れているペンギンがいると、氷の崖の端に海に向かって立たされて、王様がお尻をボカンと蹴る。それでその汚れたペンギンが海に落ちると、それを合図に他のペンギンたちも海に飛び込み、お風呂タイムとなる、というもの。ナンセンスだが、そこが面白い。ビブンデは海に苦手意識があって、ペンギン検査で海のお風呂に入ったことがないのだが、作中で冒険をして、苦手意識を克服する。最後は、遠慮がちな王様にお尻を蹴られて、海に飛び込む。

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 39:ふゆのくまさんは、木の枝に引っかかっているのを見つけられることで、絵本の後半になってやっと登場する。くまさんを見つけるまでの、子どもたち三人の冬枯れの屋外遊びのぽつりぽつりとした描写を、じっくりゆっくり味わいたい絵本。どの絵も、『よあけ』のように紙面の周りには白紙のままの余白があって、ぼんやりと浮かぶような絵の配置になっている。絵は、『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』の絵を描いたエリック・ブレグバッドだったのは、あとで知った。

 40:近寄ってはならぬとされている魔神が住むという島に、辿り着いてしまったサブとハナ。島には大男がいて、足裏に刺さっていた魚の骨に苦しんでいる。抜いてやると、お礼に魚をごちそうになり、また元の浜辺へ返してくれた。あるとき、大きな地震が起こり、津波がサブとハナが住む村を襲うが、大男が津波の盾になって、村を救う。大男はそのまま岩のようになって、島になってしまう。村人たちに魔神と思われていたが、本当は海神だったと分かり、その島を海神島(かいじんじま)と呼んで、奉った。海の大男譚。創作なのか、伝承のある話なのか、判然としない。大男が、サブとハナに焼き魚をごちそうする洞窟での囲炉裏ばたの場面が、大男の懐の深さと我こそ美味いものを知っているぞという自信に満ち溢れていて、良い雰囲気が充満している。

今日買った本

■今日買った本。計7773円。

 

a)ブックオフ徳島阿南店にて。

1・井尻正二・文、金子文蔵・絵『ぞうの花子』築地書館 ¥108

2・黄島点心『黄色い悪夢』リイド社 ¥108

 

b)ブックオフonlineにて。

3~6・たなか亜希夫『Glaucos 1~4』講談社 各¥128

7・吉田保・編集『フリースタイル 38 デーヴィッド・マークスインタビュー interviewed by 鏡明』フリースタイル ¥649

8・トニー・ケンリック、上田公子訳『マイ・フェア・レディーズ』角川文庫 ¥108

9・フリーデリーケ・マイレッカー、アンゲーリカ・カウフマン・絵、三浦美紀子訳『ミニ・サウルス ズィンクレア・ゾフォクレス』草土文化 ¥498

 

c)suruga屋にて。

10・トニー・ケンリック、上田公子訳『リリアンと悪党ども』角川文庫 ¥150

11・トニー・ケンリック、沢川進訳『チャイナ・ホワイト』角川文庫 ¥150

12・目取真俊『虹の鳥』影書房 ¥1000

13~15・岡崎英生・作、上村一夫・画『悪の華 1~3』けいせい出版 セットで¥3800

16・『Weekly漫画アクション 1971年5月27日号』双葉社 ¥690

 

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 あわび祭りという海辺のイベントに行った帰りに、久しぶりのa)へ。たまに良い絵本がある。b),c)は、最近届いたもの。

 1:新・どうぶつの絵本シリーズというシリーズの1冊。旭川動物園にいた花子という象の話。足がクル病になってしまい、剥製にしようとしたところを、剝製師の献身的な介護やリハビリによって歩行できるようになった。しかしその後、また足を骨折するなどトラブルが連続する。タイ生まれの花子には、北海道の寒さはきつかったろうなあ。

 2:漫画に詳しい知人が薦めていたので試しに購入。グロテスクな悪夢的作品が多いが、全体に勢いがあり創作にかける情熱を感じさせる。巻頭の「断末夢」が最も恐ろしい。

 3~6:フリーダイビングに取材した漫画。伊良部島のゲストハウスの本棚で見つけて知った作品。映画『グラン・ブルー』を観てみたい。フリーなんとか、というスポーツ、競技には、思想面が強調されることが多いように思うが、ダイビングでもやはりそうなのだと思った。物語は、独特の終わり方をするが、『軍鶏』なんかを読んでいても、この作家の作品は、主人公はいつも物語に沿う存在ではないと気づかせてくれるように思う。脾臓についての実際の研究成果などを取り入れてある。

 7:1970年1月15日号の『週刊漫画アクション』に掲載された上村一夫「俺とお前の春歌考」の第8回を再録しているというので、取り寄せたA5版の雑誌。その再録ページの頭に同作品をフリースタイルより刊行予定とあるので期待しているが、これを書いている時点で2年7ヶ月も経過しているので、頓挫しているのかなとも思う。

 8:

 9:

 10:

 11:

 12:2019/7/12読了。暴力描写がえぐくて、読むのが辛かったが、カツヤが比嘉に暴力でしばられるように、気づけば私もこの小説の暴力に依存するような感じで読み進んでいた(p.76の"自分を傷つけた相手に対する、一見奇異に見える行為が、しかし、カツヤにはよく理解できるような気がした。"を連想している。)。この小説の暴力は、沖縄の女性たちがこれまで(そして今でも続く)米軍にされた暴力に対して突きつけられるものだと感じた。p.191の"だが必要なのは、もっと醜いものだと思った。少女を暴行した三名の米兵たちの醜さに釣り合うような。"。この一文を、小説の形にして突きつけている。

 13~15:2019/7/28読了。日本を支配する闇の華道団体の話。これまで読んだ上村一夫作品の中でも突出した無茶苦茶な設定で、再読するには相当な体力を要しそう。蘭之助というふにゃふにゃでない男性キャラクターが全体にわたって出てくるのは、上村作品では珍しい(岡崎英生原作だからというのはあるが)。

 16:阿久悠・作、上村一夫・画「ジョンとヨーコ」のNo.5「とてもシャーなヒコーキ野郎」掲載。2023/1/15売却済。