yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

法月綸太郎の新冒険

法月綸太郎の新冒険】法月綸太郎 講談社文庫 ★★★ 2005.6.17

 

 一年振りに読む法月綸太郎。(私の感覚では)中篇集と言った感じで、適度にじっくりとくる読み応え。

 作品内引用の更に引用になるが、推理小説は“理屈そのものを一つの虚構としてみる精神のスポーツ”だとのこと。私は、推理小説は、ではなく、パズラーについてその言を適用したい。過剰に捏(こ)ねる理屈の遊戯。それに翻弄される自身を上手く楽しめる作品もないことはないが、しばしば付いて行けない時がある。後半二篇がそうだった。

 「背信の交点(シザーズ・クロッシング)」が良かった。秘密の共有、それと意匠の具体形が二重に甘美。加えて法月綸太郎作品に多い諸刃的な糾弾があり、どうしても壺。

広告を非表示にする