【眼球譚 〔初稿〕】G・バタイユ 河出文庫 ★★★ 2006.10.17
球体幻想を僅かに知った。そして、球体――卵(卵黄)、眼球、睾丸など――を陰の中へ入れるというイメージ(映像)……。とりわけ眼球の場合は、グロテスクだ。こんな想像はしたことがなかったし、自分で思いつけるようなレベルを遥かに超えたイメージで、少なからず衝撃だった。眉間に開かれるという縦に切れた第三の目というものがあるが、こちらのイメージは、同じ縦の目だけれどもこれ以上ない邪眼である。
このイメージは一生憑いて回りそうだなと思ったところ、「O嬢の物語」の序文か何かで書かれていたことを思い出した。それ何かというと、それ以前、それ以後を完全に分割してしまう後戻りできない体験、だ。