【二○○二年のスロウ・ボート】古川日出男 文春文庫 ★★★ 2007.1.8
文学にリミックスという概念を適用した作品、として評価できるけれど、内容はいまひとつ。気になる作家ではあるが、友人が言うように、最初に読む本を間違えたのかもしれない。
ラフな文体ではあったがぱっと読めただけに、“ビート感”(書いてて恥ずかしい)はあったか。
音楽CDでは、リミックスだけの盤は、あまり買う気がしないが、一枚のアルバムの中に一、二曲入っているのなら、変な拒否反応を起こさず素直に聴ける気がする。
この作品も、他のオリジナル作品(中篇くらいだと良いなあ)とセットにして出したら、良い感じに懐に滑り込んでこれたのではないかと思う。