yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

殺人症候群

【殺人症候群】貫井徳郎 双葉文庫 ★★★★ 2007.5.17 「症候群」三部作

 

 今作は重い。それに問うてくる。描き上げた人間関係の多面体、コアの持つ求心力に、本書のテーマである“殺人と正義”の顔を覗き込まざるを得ない。このテーマ性の重さはもちろん内容を以って見て取ってもらいたいところであるが、一方で枚数においても具現されているわけで、こうして改めて手にとって内容を思い返すときに、ちょうど良い。

 三部作というスタイルは、傑作を生み出す一つの定型のような気もする。