【中国怪異集】鈴木了三訳編 現代教養文庫 ★★★ 2008.4.12 絶版
突拍子もない展開と、幕切れのヒラリマント。出てくる登場人物、動物、怪物はそれぞれ素朴だったり、一本気のあるものが揃って、珍妙な味わいの怪異集。時代はさまざま、こういった民話なり都市伝説は、あるものは変異、合成され、生滅流転を繰り返して、今に現れている広い意味での人工生命だといえる(瀬名秀明氏あたりの考えを借りました)。さまざまな文献からこうして取捨選択された民話が一冊になったのも、エントロピーの増大に対抗しているんだな。希少生物を見る思い。
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