yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

聊斎志異(下)

聊斎志異(下)】蒲松齢 立間祥介編訳 岩波文庫 ★★★ 2008.11.6

 

 下巻は、閨と狐と絶世の美女がてんこ盛りであった。あまりにも何度も絶世の美女が出てくるので、この世は何回りしたのだろう、という感じ。それにしても、今の中国のイメージからすると、性的に奔放な話が多い点意外な感じもするが、民間の説話とは国や地域に依らずそういうものなのかも。また、軽々と暴力的シーンを描く話も多い。悍婦(かんぷ)の話である、馬介甫や江城などがそう。笑い話と受け止めるには、あまりにも酷く、尻に敷かれる夫を思うとぞっとする。

 席方平の話では、地獄のしくみというか地獄府のしくみ(閻魔様と城隍神の関係とか)がちょっと分かって面白い。しかもこの世もあの世も金力が物言う、なんて話がとうの昔からあることに驚く。

 

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