yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

夢野久作全集8

夢野久作全集8】夢野久作 ちくま文庫 ★★★★ 2008.11.17

 

 「瓶詰地獄」「キチガイ地獄」「少女地獄」の“地獄”もの(?)や「狂人は笑う」など、“狂人”や“病院”を積極的に扱った作品を収める。タイトルが秀逸なのは「一足お先に」。「崑崙茶」はこの巻にあってやや異色。

 この全集、第9巻が「ドグラ・マグラ」であることからも、直前のこの第8巻は大長篇「ドグラ・マグラ」の前兆のような、習作のような、ステキな副産物のような、まあそういう位置付けの作品群として(私には)解釈され、新しい読者には気狂い小説入門篇といった趣がある。入門と書いたが、入門テキストにこそ極上品をもってくるのが道理で、その手の嗜好の進んだ読者にも、益々手放せない巻かと思われた。

 解題にあるが、「瓶詰地獄」に対する由良君美氏の解釈に深々と感心。ずっと読みが浅いことを反省させられる。

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