【クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い】西尾維新 講談社文庫 ★★★★ 2008.10.1 第23回メフィスト賞受賞作
久しぶりのメフィスト賞もの。清涼院流水以来の羊腸さを予想したが、スピード感、専門的情報の量、伏線、かなりあるある尽くしのストーリィだった。この癖に呑まれずに、ミステリとして犯人推理に脳みそを向かわせるのは甚だ難しい(端(はな)から、こりゃ当てられないな、と諦めさせるような力がある)。ドラッグのよう。次作、それ以降、と、手に取るかどうか怪しいが、シリーズが好調のうちに、あるいは好調度を弥増しながら終わったのも良く分かる。
特別仕様の装幀が私には気重に感じられる。