yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

神曲 煉獄篇

【神曲 煉獄篇】ダンテ・アリギエーリ 寿岳文章訳 集英社文庫ヘリテージシリーズ ★★★ 2008.9.8

 

 11ヶ月振りに、ダンテの旅の続きに付き合う。

 さて煉獄については、地獄や天国に比べてあまりにも予備知識がなかったので、その辺りの基礎的なところから勉強になったが、要は、地獄と天国を結ぶ経路としての山で、登山行為やそこに彫られたありがたい壁画に面と向かう行為により、各種の罪を対応する各階層において反省を促しかつ浄めをなす場であるらしい。何人も有する時間に差はあれど、いずれ天国へ向かう。浄められる罪の階層の順は、地獄のそれと順々に対応しているのか、多分そうであるのだろうが、どうも面倒が立ち確認できていない。

 地上楽園に至って遂に、平和的風景が一面に拡がる。ここまでの旅は、ひいこらひいこらした旅の姿で、私自身がこれを読む行為までが、ひいこらひいこらとしていたから、大変な共感に助けられて読み進んできた。この先の天国行で、ダンテの足取りがぐっと軽くなるのだとしたら。置いてけぼりをくわないよう願う。

 第32歌41行に、インド人もびっくり、と書かれた場面があり、それこそこちらがびっくり。これが、巷間に流布するフレーズの、原典なのだろうか。

 

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 「神曲 地獄篇」