yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

鍵のかかった部屋

【鍵のかかった部屋】ポール・オースター 柴田元幸訳 白水Uブックス ★★★★ 2008.8.15 ニューヨーク三部作

 

 “なんとなくハードボイルド”を期待していたわけだが、この本の原題は、少し考えれば分かる通り、「The Rocked Room」ということで、やはり広義のミステリーであるし、(まあ)ハードボイルドであった。やはり匿名性の際立つ小説。「幽霊たち」とは違うのは登場人物には確かに名前は与えられている点であるが、しかし体臭を感じさせないのであった。明晰な文章で、透き通った味わいが存分に張られている。