yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

北村薫のミステリびっくり箱

北村薫のミステリびっくり箱】北村薫 角川書店 ★★★ 2009.2.25 CD付き

 

 乱歩らの肉声が聞けるというCD付きの本で、売り切れ御免な感じの宣伝で販売されていたので、えいやと思い買ってみた。分量はなく、二時間もかからずに読み切れるが、8ジャンルに渡る各鼎談内容がまことバラエティに富んでいて、各回を読み進める前に必ずわくわくした気分が興る。実際は、鼎談に参加・同席した人たちが一番楽しんだことだろう。収録漏れの会話も多々あり、という仄めかし満載の、“対談を終えて”が恨めしい。

 CDの2トラック目にある、乱歩へのインタビューが聴き応えがあった。乱歩著作はほとんど読んだことがないので、そろそろ取り組み始めないと読み切れぬうちに(私の生が)終わりそうだなあと思う。「新青年」関連の話で、編集者の評価の一つには、どれだけ作家を輩出したか、ということが挙げられたが、編集者という職業だけでなく、いずれの職業者においても後進をどれだけ育成あるいはインスパイアしたか、という点からの評価ができるものと思う。