yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

『吾輩は猫である』殺人事件

【『吾輩は猫である』殺人事件】奥泉光 新潮文庫 ★★★★ 2009.4.17

 

 「吾輩は猫である」をやっと読んだので、遂に手を出すことができた本。元本に倣って、雑学的な情報量の多い垂涎の小説なのだが、詰め込まれているものにもう一つ特記すべものがあって、それは小説形式/ジャンルの詰め込みである。読んで見せつけられてみれば、なるほどこれが巨大な「猫」に太刀打ちする唯一の方法ではないだろうかと思えてくる。このような肥大化した小説はおそらく漱石の時代には見られなかったもので、約100年という時間間隔をおいて相対する小説家(/文学者)の努力/変遷/)の両姿が目蓋の裏に見えるようである。

 解説の長谷部史親氏は奥泉光氏を評してうまいことを言う。奥泉光氏は「推理小説のスタイル」に「接近」している作家だ。まさに、という感じ。

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