yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

精神科医になる

【精神科医になる 患者を<わかる>ということ】熊木徹夫 中公新書 ★★★ 2009.6.6

 

 タイトルから、「ブラックジャックによろしく」的な、悩みながら一人前の医者になった(/一人前の医者になるためスタートラインにやっと立つことができた)、というような自伝的な本かと思って、面白そうだと思い買ってみた。実際、まえがきまではそのような内容が予想される書き振りだったが、本論は、私には専門的で難しいもので背伸びが必要だった。

 それでも職種の違う私でも幾つか参考になることは当然得られる。特に、後半に多く、4章の、何をどこまで診るか(どこまでも診ることは視野狭窄という陥穽の危険を有し、パターナリズム(慈父主義)という名の暴力にもなり得る。)、5章の、症例検討会を検討する(並列的に複数の会を持てれば実働の者はより客観的な判断材料を得られるのは分かる。しかし実務は時間との競争でもあるので、この実現はなかなか困難。)、が参考になった。こう書き出してみると、結局仕事上のジレンマに共感した、ということになりそう。