yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

慈善週間または七大元素

【慈善週間または七大元素】M・エルンスト 巖谷國士訳 河出文庫 ★★★ 2009.12.20

 

 「カルメル……」を探し出すのは、難易度が高そうだ。

 エルンストによるコラージュ・ロマン、最終の第三作。「百頭女」にはあったキャプションも、今回は削られ、読み手の面白がり屋としての熟練度をいよいよ試される感じがした。室内のシーンより、街頭なり屋外のシーンの絵の方が、好み。より動きのある構図である場合が多いから、と思う。

 "オートマティック"と聞いて、思い出すのは、小学生の頃の遠足のバスのなかでした、"いつ""どこで""誰が""何を""どうした"ゲームだ。各人が紙片に"いつ"とか"どこで"を書き、これを回収してくじ引きして文章を生成するゲーム。"夏休みの終わりに""トイレのふたの上で""次期校長先生が""カビの生えた布団を""ポストに投げた"など、この例のように何の変哲もないものから、そうでないシュールな傑作まで、大いに楽しんだ(汚物関連の言葉がやたらに面白く感じるのは、小さい頃にはよくあることと思う)。