yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計10779円。

 

a)ほんのわいちat十輪寺にて。→雨天のため、本と。前に会場を変更した。初会場入り。(4takeがディスプレイもっともよかった

1・かこさとし『かこさとし七色のおはなしえほん7 かいぞく・がいこつ・かいぶつじま』偕成社 ¥100

2・いまきみち『ヒコリはたけにいく』福音館書店 ¥100 ASOBI WORKS

3・土方久功・作/絵『ゆかいなさんぽ』福音館書店 ¥100 トキドキ書房

4・ヤマモトケイスケ『ケンタッキーのぼーけん外伝 〜月の神殿〜 Ⅱ』¥100

5・ヤマモトケイスケ『ケンタッキーのぼうけん その他短編』自転プレス ¥500 やまやのお店

 

b)ふらり堂にて。→初入店。

6・矢口高雄『トキ』笠倉漫画文庫 ¥250

7~9・白土三平『忍者武芸帳 5,6,8』小学館文庫 各¥150

10・森雅之『耳の散歩』朝日ソノラマ ¥300

11・ミヒャエル・エンデ、ロルフ・レティヒ・絵、川西芙沙/飯吉光夫訳『エンデのいたずらっ子の本』岩波書店 ¥400

 

c)ブックオフ2号神戸長田店にて。→初入店。

12・萩尾望都『バルバラ異界 2』小学館文庫 ¥108

13・エドウィン・チャールズ・タブ、佐治弓子訳『超能力惑星バーツ』創元推理文庫 ¥108

14・グレタ・ヤヌス、ロジャー・デュボアザン・絵、湯沢朱実訳『くまのテディちゃん』こぐま社 ¥108

15・瀬名恵子『めがねうさぎの小さな絵本1 めがねうさぎ』ポプラ社 ¥108

 

d)K文庫にて。7000

16・ラファエル・ケーベル、久保勉訳編『ケーベル博士随筆集』岩波文庫 ¥100

17・マーシャ・ブラウン、谷川俊太郎訳『マーシャ・ブラウンの写真絵本1 めであるく』佑学社 ¥1000

18・マーシャ・ブラウン、谷川俊太郎訳『マーシャ・ブラウンの写真絵本2 かたちをきく』佑学社 ¥1000

19・山本忠敬『くるくるまわる』福音館書店 ¥300

20・ジュディス・ボースト、エリック・ブレグバッド・絵、中村妙子訳『ぼくはねこのバーニーがだいすきだった』偕成社 ¥400

21・『幻想文学 第七号 特集 幻想児童文学』幻想文学会出版局 ¥400

22・オスカー・グリロ、間所ひさこ訳『ぞうのビンボ』学習研究社 ¥300

23・大石真、鈴木寿雄・絵『民話絵本 こわいこわいふるやのもり』すばる書房 ¥500

24・ジャン・ジュベール、アラン・ゴーチェ・絵、朝吹由紀子訳『日付のない夢』エイプリル・ミュージック ¥800

25・クラウス・ボーン、ヨゼフ・パレチェク・絵、いぐちゆりか訳『イグナツとちょうちょう』佑学社 ¥500

26・松居直、太田忠・絵『やまのきかんしゃ』福音館書店 ¥300

27・大友康夫、西村繁男・絵『くずのはやまのきつね』福音館書店 ¥300

28・イブ・スパング・オルセン・作/絵、木村由利子訳『ぬまばばさまのさけづくり』福音館書店 ¥600

29・矢崎節夫、北田卓史・絵『ぽっぽぉーよぎしゃ』至光社 ¥500

30・青瀬潤・マン画『コンシュートピアの公害絵本10 お医者さんのはなし』コンシュートピア創造群 ¥0

31・しみずゆりこ・絵と文『合成洗剤のえほん あぶくのおうさま』宇宙はてない社 ¥0

 

e)古本市場箕面店にて。→初入店。

32・石森章太郎『怪人同盟』秋田漫画文庫 ¥86

33・殿内真帆『ただのしろいふうとう』福音館書店 ¥34

34・まついのりこ『ぶたちゃんりんごちゃん』童心社 ¥34

35・田島征彦/吉村敬子・作『あつおのぼうけん』童心社 ¥33

36・ジョン・バーニンガム『ジョン・バーニンガムのabc』あかね書房 ¥86

37・ジョン・バーニンガム『ジョン・バーニンガムのはんたいことば』あかね書房 ¥86 訳者名無し

38・高橋宏幸・作/絵『そらにのぼったかさや』岩崎書店 ¥86

39・加古里子『ゆきのひ』福音館書店 ¥86

40・松野正子、山本忠敬・絵『らいおんごうがんばれ!』サンリード ¥86

41・西山登志雄、みねむらかつこ・絵『こじかのつよし』福音館書店 ¥86

42・新美南吉、杉田豊・絵『がちょうのたんじょうび』大日本図書 ¥86

43・鈴木雄雅・監修『新聞を読もう! 3 新聞博士になろう!』教育画劇 ¥86

44・山本和夫、武井武雄・絵『にしきのむら』フレーベル館 ¥86

45・グレゴワール・ソロタレフ・作/絵、末松氷海子訳『もうぜったいうさちゃんってよばないで』リブリオ出版 ¥86

 

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 書きかけ。

 1:七色のおはなしえほんの7番目、青色に相当。いりえのくにの若者が、とある沖の小さい島のそばで漁をしていて、海賊たちに捕まる。海賊たちは、若者から、今度こがねのくにのおひめさまがいりえのくにを訪問するということを聞き出し、そのおひめさまを人質にして、こがねのくにに身代金を要求する。こがねのくには、海賊たちをだまして贋金を渡しつつ、海賊だけでなく、さらにいりえのくにまで奪おうとして戦争をしかける。すると、海の怪物が現れ、いりえのくにもこがねのくにも海賊たちも皆滅ぼしてしまう。後に残ったのは、かいぞくじまだの、がいこつじまだの、かいぶつじまだの呼ばれる小さい島だけ、という話。いりえのくにまで滅ぼされるのは、かわいそうな気がする。保育園の蔵書だった痕跡がある。

 2:2008年8月1日発行の月間予約絵本こどものとものペラペラ版。これも1と同じく某保育所の除籍本だった。刺繍絵の絵本で、制作に相当な時間がかかっていそう。男の子のヒコリが、お母さんに手伝ってもらって畑にマリーゴールドの種をまく。それが咲く頃、おじいさんが長い船旅から帰ってくる。おじいさんは、なぞなぞ好きで、本書の中で全部で3問くらい投げかけてくる。マリーゴールドが枯れかけ頃に花を摘んで、染物をする。シャツが黄色に染まるのだが、実際にこの絵本のそのところの黄色は、マリーゴールドから採った黄色を着色しているのかも。マリーゴールドは、よく減農薬や無農薬の農法において、害虫除けの効果があって、畑の隙間に植えるという話を聞くけれど、作者はそういう自然派の暮らしをしているようなので、この花が選ばれていることに納得できるものがある。

 3:1982年6月1日普及版第4刷発行のペラペラ版。山まで歌いながら散歩するぶた、あひる、とら、うさぎ、の一行と、村まで歌いながら降りていこうというしじゅうから、すずめ、おなが、の一行とが、道中出会って、それぞれの歌自慢から口論になって、みんな散り散りに逃げ出すという話。ぶたは、ぶたぶた歌い、しじゅうからは、つぴつぴちべちべ歌うなど、独特の擬音が面白いし、とらの頭骸骨が何だか戦隊モノの悪役みたいな形になっていたりして、実に愉快な作品に仕上がっている。

 4:

 5:

 6:笠倉漫画文庫を買うのはこれで3作品目。(おそらく東北の昭和30年代くらいの)農村が舞台。その頃日本中どこでもそうだったように、その村でも昔はトキが当たり前のようにいた。それが、今ではいなくなり、もう佐渡にしか残っていない。トキに迫り来る絶滅の危機と、娘を残して逝かねばならなくなりそうなトキを愛してやまない父と、それぞれ胸が締め付けられるような作品だった。鳥の羽根をお守りに枕元に忍ばせるシーンがあって、ちょうど同時に読んでいた民話に、同様に鳥の羽根のお守りの効果がありその持ち主が救われるシーンがあって、読書をしていて偶にあるこういうタイミングの妙を楽しめた。巻末のあとがきに、この作品の参考資料として、子どもの幼稚園での教材として配本される定期購読誌で『カメラかんさつ』という写真絵本の朱鷺についての部分を参考にしたとの文章がある。調べてみると、ぎんのすず編の、幼教出版から出ていたものらしいが、国立国会図書館ぐらいでしか、簡単に確認できるところはなさそうだ。気になる

 7~9:シリーズ収集中の漫画。

 10:

 11:

 12:シリーズ収集中の漫画。

 13:背の文字は創元推理文庫になっているが、もちろん「SF」のマーク付き。紙魚の手帖27号('86年の幕開けは百花繚乱)が挟まっていた。2024/3/E売却済。

 14:買ったものの、ずっとほっぽらかしてたので、7ヶ月後にまた同じ本を買ってしまっているのに気づいた。この本は行商用になるかな。

 15:

 16:リンク先は1991年の改版となっているが、実際入手したものは、昭和32年11月25日第22刷改版発行後の昭和40年1月20日第27刷発行のもの。ケーベル氏は哲学博士だそう。

 17:こまどりの巣に雛が一羽しかいないという問いだが、よくマザー・グースのうたで「誰がこまどりを殺したか」というフレーズが思い出されるけれど、いなくなった雛は残った写真に写る雛が巣から突き落としたのではないかという恐ろしいような答えがふっと浮かんでしまった。最後の一文、"みることでみえるものをじぶんのものに"する、というのが秀逸。みえることとみることは違う。目を、見ることに働かせないで生きていることに気づかせてくれた。

 18:原題は「LISTEN TO A SHAPE」。これを読むと、前作の17は、見ることで読み取れる情報や(例えば熱い冷たいなどの)感覚に重きを置いていたように思う。かたちをきくとは、見るものの形状や、視覚的な切り取り方に着目することのように思った。見るものを一旦形状に特化して抽象的に捉えて、別のものを連想する。これって〇〇みたい、というかたちを探す遊びも含む。遊びは、精神的な余裕がないとなかなかできないものだと思うが、余裕があっても、いつも同じものに囲まれていては、なかなか遊べないかもしれない。日々刻々と変化する自然のなかで遊ぶのが一番だろう。

 19:1994年5月1日発行の年少版こどものとも通巻206号のペラペラ版。山本忠敬氏ののりもの絵本でない絵本で、表紙からしてデザイン性が特長的。こま、竹とんぼ、などなどくるくるまわるものを順に紹介していく。最後に子どもがくるくる回って、目を回すのが、落ちといえば落ちで、読み聞かせたら、ここで笑ってくれるかもしれない。その最後のページなど、本を持って、紙面の平面上でくるくる回すと、何重にも描かれた同心円がくるくるして見えるようになり、視覚効果で遊ぶこともできる。

 20:飼い猫が死んで庭の木のそばに埋める。家族でお葬式をしたときに、猫のバーニーのいいところを10個いうはずが、9個しか思いつかなかった。最後にそのもう一つを思いつく。喪失感に寄り添う両親の振る舞いは実に丁寧で、見習いたいものがあり、物語として読んでも主人公の少年の気持ちをうまくたどれるようになっている。結局、文章が丁寧だということだろう。少し立ち止まりながら木や草や影がどういう風に描かれているか、よく目を向けてみれば、それは細かい仕事をしていて、文と絵の両作者の仕事が良い形で融合している。選択された小さな判型が、大切にしたい寂しさや思い出を体現しているようでもある。

 21:

 22:学研ワールドえほん。作者は、アルゼンチン生まれ、出版当時の昭和55年頃でイギリス在住だそう。動物園のぞうのビンボが、檻の戸が開いていたので外へ出てみたところ、ぞうが逃げ出したということで町中のニュースとなるが、町の大人は新聞に目を奪われてばかりで、顔を上げないので、ビンボに気づかない。今だと、スマホばかり見ている絵に置き換え可能かも。そんなビンボに、ある男の子が気づいて、ビンボの正体がばれないようにうまく変装させて、2日ほど一緒に楽しく過ごすが、3日目にビンボは町の人を安心させようと自ら動物園に戻って、元どおり良かったね、という話。ありのままの世の中をまずはちゃんと見よう、ちゃんと見ているのは子どもばかりではないのか、といったメッセージを感じさせた。

 23:

 24:CBSソニーが企画制作しているレーベル? artbackの1冊。北見隆風の絵の、シュールで静謐な絵に見惚れる。次々に変身していく夢の話。何に変身しても人間にその生をおびやかされる(最後のほうで変身した水だけは例外的に人間の関与が考えにくいが)という意味深長な責め苦が、読み手の恐怖感を増長する。最後には元の男の子になることを選ぶが、そのことも、やられる前にやれ、のやる側に回るのかという疑念を湧き上がらせ、人間であることの罪悪にもやもやとさせられる。そんな悪夢的な読み心地を中途覚醒した夜半に味わった。

 25:自転車曲芸乗りのイグナツが、蝶狂いの町の金持ちが見つけた蝶を見事に捕まえて、そのお礼として、イグナツに曲芸を教えてもらいたがっている子どもたちに自転車を買ってもらい、金持ちの家でサーカス団を結成する話。イグナツの派手な縦縞シャツと、金持ちの縦縞のズボンの柄が、似ていて、似た者同士だからうまがあったのかな、と。濃密でカラフルで温かみのある平和を感じさせる絵。

 26:雪の日の山越えに、急行列車の蒸気機関車の前に、小さな蒸気機関車が連結されて、何とか山越えをする話。2台の蒸気機関車を連結することによって、馬力を高めたということらしいと解釈したが、少なからずひとえに小さい蒸気機関車のみが頑張って山越えを成したような印象を持たれそう。

 27:自然の巡り合わせで何年も米が十分にとれない貧しい村、きつねの嫁入りがある年は豊作になるという言い伝えがあって、それを主人公的な2人の少年が不意に見かけることとなる。無事豊作となってハッピーエンドとなるけれど、少年らの言い分にかまけることなく、常と変わらぬ田仕事に精を出す実直そのものの村人たちの描写に心打たれる。

 28:加古川にあった中学校の学校図書館の除籍本(押印があったが、それ以外の装備痕無し)。デンマークの作家なので、デンマークにも沼がたくさんあるのだろう。沼地に発生するモヤを見ると、「ぬまばばさまがさけをつくっている」と説明するそうだ。さけづくりには、自然のあれこれからできたよりぬきの材料が必要。それをどう調理するか、手伝いをするぬまこぞうやぬまむすめとは何か、事細かに説明したお話なので、全部覚えたら、ちょっと自慢できるくらいの情報量がある。酒を入れる樽作りで、ぬまこぞうをハンマー代わりに使うという乱暴なやりかたが一番の笑いどころ。

 29:

 30:

 31:1980年6月刊。合成洗剤がいかに危ないかと説く絵本。代わりに石鹸を使うことを推奨している。ぱっと見、かわいらしい絵物語なのだが、各ページの下部に合成洗剤の悪影響が詳細に解説してあって、その内容や文章の恐ろしさの伝え様そのものがゾッとするようなものを孕んでいる。

 32:装いを変えて何度か出ている作品みたい。表紙イラストが怪人?のおでこのドアップで、これがなかなか恐ろし気な雰囲気を醸し出しており良い感じなのだが、このカバーイラストは林恭三というかたの絵。解説は藤子不二雄。2018/12/16読了。怪人化してしまった3人の中学生だか高校生だかの少年たちの活躍劇。1話目のオープニングのギャグがものすごく冴えていて、カバー袖の"異色SFギャグ"の言にぴったりはまっているが、その後はギャグはやや勢いを減じ、シリアスな悪との戦いが続くようになる。もっと続きが読みたいけれど、サイボーグ009ほどキャラクター数も少ないので、話を作り続けられなくなってしまったのだろうか、ちょっと物足りない話数で終わってしまう。

 33:2018/9/17の敬老の日に読んだのだが、おばあちゃんへの感謝の絵手紙を入れたただのしろいふうとうの話だったので、偶然にも敬老の日にぴったりだった。郵便物の形状は意外と自由がきくんだよなあ。封をするシールを口に見立てて、ちょっと上側に両目を描いた封筒を送るの、チャンスがあったらやってみよう。

 34:幼いぶたちゃんと、小さいけれども年上だか世話役的なポジションのりんごちゃん。朝起きてから、寝るまでの生活を、わかりやすく一冊にまとめたもの。りんごちゃんが「おやおや」とか「あーっ!」というページで、なぜそのセリフが出てくるのか、絵を読み解けるようになるのは、4歳か5歳くらいからだろうか。痕跡本で、パジャマに、ぱじゃまとふりがなの書き込みがしてあったりした。

 35:あとがきによると、1980年4月に京都市教育委員会が「任命制主任制度」を制度化してのに反対する団体(主任手当を京都の子どもと教育に生かす会)が、賛同者の主任手当を基金として、国際障害者年を記念して1981年度に作ることを決めた障害児を主人公にした絵本だということだ。舞台は、京都府日本海側の海辺の町と島。養護学校で車椅子を使い寄宿舎生活をするあつおが主人公。あつおは海の向こうに見える犬島に言わば密航して、なみたくんと友達になる。招待された秘密基地でなみたくんが滑落?したのを、あつおが必死で救助を求めていく。p.9の絵に本の背が見えるので解読したのだが、田島征彦の『祇園祭』、同『じごくのそうべえ』『しばてん』、吉村敬子・作、佐々木麻こ・絵『ゆめのおはなしきいてェなあ』、吉村敬子・文、松下香住・絵『わたしいややねん』である。吉村敬子さんも、脳性小児麻痺を患いながら童話創作をした方とのこと。

 36:全4巻のあそんでまなぼうシリーズの唯一の未所有巻。これで全4巻揃った。

 37:入手済なのに買ってしまった巻。

 38:ひでりの村を救う傘屋の男の話。雨を降らせてもらうよう、かみなりどんに掛け合いにいこうということで、傘屋が傘を開いて風に乗って雲の上へ行く。それを上から見ていた、かみなりのかしらは、開いた傘が花に見えていて欲しくなった。傘屋は水を与えたら花が開くと言って、水を掛けさせた。かみなりのかしらは、たくさんのかみなりどんの仲間を呼んで、それぞれ傘に水を掛けるように言って、たくさんの花をもらって大満足。傘屋も雨を降らせることができて、村をひでりから救うことができた。という話。とにかく傘の柄を始め、素晴らしくほんわかした可愛らしい絵には、文句のつけようがない。著者は、岩崎書店の初代編集長とのこと。

 39:上越高田辺りが、物語の舞台のモデルだろうか。雪国の雪の季節の生活を活写した絵本。前半は、雪遊びの楽しさをアピール。登場人物の、誰が絵の中のどの子にあたるのか、よく読んでよく絵を見ると判別できるようになっているのは、さすがかこさとし作品らしいなあと思う。後半は、雪の悪い面というか、生活上の大変さを示していく。屋根の雪下ろしや、停電や線路のラッセルなど、生活や産業を成り立たせていくために、雪と格闘しなければならない厳しい冬である。

 40:幼稚園バスのらいおんごうの話。園長先生によるのろのろ運転で園児たちにバカにされていたけれど、とある活躍で見直される。やっぱり安全は何よりも優先する、ということか。らいおんごう、尻尾付きというのが良い。

 41:月刊予約絵本《こどものとも》291号のペラペラ版。特製版は出ていない作品みたい。まちはずれに新しく動物園をつくることになり、連れられてきた鹿の群のなかにいたのが、生まれたばかりで弱っていたこじかのつよし。職員の介護により元気を取り戻すが、必要以上に人に慣れてしまい群に戻れなくなる。なんやかんやでようやく群に戻るまでを描く。近所にこんなささやかな動物園があると良いがなあ。

 42:新美南吉童話選集。

 43:新聞のトリビア満載の絵本。定価3300円+税もする。木版一枚で作られていた江戸時代のかわら版は、配る人が声に出して読みながら売り歩いていたので、「読売」と呼ばれていたそうだ。読売新聞の名で今もその言葉が残っている。また、新聞に版があるのも知らなかった。東京で印刷する新聞だと、静岡や北関東向けの版が若くて、次に南関東の大部分、そして東京都区部・横浜・川崎中心地なのが、より更新された版になっているそうだ。新聞の左上の隅に版の数字が書いてあることが多いそうなので今度チェックしてみようと思う。必要な活字を集めてくることを「活字を拾う」ということも知ることができる。ちょうど裏で『かわりだね』という伝記小説を読んでいるのだが、明治大正の頃などは、外国語の活字を拾うのが嫌われて、逆にそこを頑張って職人として認められる話などが出ていた。今住んでいる県が、県紙の普及率が全国で一番高い(同率の県として福井県がある)というのには驚いた。

 44:裏見返しに記名か何かの黒塗り跡があるが、嬉しい1冊。中国民間故事選より、とあり、中国のメルヘン「一幅僮錦(いっぷくどうきん)」を絵本にしたものだそうだ。3人息子を持つ母親が錦を織るのが上手で、母親が織った錦がどうやらとある仙女の技癢を刺激したらしく、その錦が風に乗って仙女のところまでいってしまう。それを追いかけて、何とか仙女の住処に達した三男坊が、錦を取り返す話。村に帰って、巻いて持って帰った錦をひらくと、その絵柄の通り、村は立派な町に様変わりしたという話。特に奥付や見返しの図案に、武井武雄らしさがほとばしる。

 45:子どもなので小さくておとなしくてかわいいと思われて「うさちゃん」と呼ばれるジャンが、不良になる話なのだが、何と大胆にも強盗未遂事件を起こして、逮捕され、さらに脱獄して、ほら穴に潜伏するまでの話。