yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計3170円。

 

a)suruga屋にて。
1・いまきみち・作『とちのき』草炎社 ¥450
2・小松左京/石川喬司・監修『SFファンタジア4 幻想編』学習研究社 ¥200
3・イソップ・原作、関根榮一・文、北田卓史・絵『みんなでよもう!2 日本・世界の昔話 いそっぷ』チャイルド本社 ¥200
4・シビル・ウェッタシンハ・作、猪熊葉子訳『かさどろぼう』ベネッセコーポレーション ¥200
5・野村昇司・作、阿部公洋・絵『羽田のわたし』ぬぷん児童図書出版 ¥200
6・アーサー・ガイサート・作、村岡寛訳/文字デザイン『ブー』ジー・シー・プレス ¥200
7・アーサー・ガイサート・作、村岡寛訳/文字デザイン『プキー』ジー・シー・プレス ¥200

 

b)ヤフオクにて。

8・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.1 クモ 月夜のかりうど』北隆館 ¥320 bookcollection

9・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.5 ホタル 青いひかりのひみつ』北隆館 ¥320 bookcollection

10・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.8 カニ ふしぎなカニのハサミ』北隆館 ¥560 bookcollection

11・松岡洋子・文、松岡達英・絵『北隆館の知識絵本NO.9 カミキリムシ カミキリムシの森』北隆館 ¥320 bookcollection

 

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 注文していた本が届いた。近頃a)からの発送にかかる日数が短縮されているなと思う。b)は6/25に受け取ったもの。

 1:とちのきの一年を描く絵本。実がなり、とちもちを作るのだが、アク抜き工程の手間がいかにかかるか、よくわかる。マロニエセイヨウトチノキともいうそうだ。

 2:単行本未収録の山尾悠子の短篇『ハドンの肖像』を収録しているということで購入。

 3:北田卓史氏の絵が目的で購入したが、ある程度の年齢になってイソップ物語の教訓に触れると、その鮮烈さに身が引き締まる思いがした。ところではたらきアリの服装から雄アリばかりが描いてあるように思われるけれど、ちょっと調べてみると、普通はたらきアリは雌アリばかりなのだそうだ。本作で一番気に入りの絵は、嘘つき羊飼いの声に応えて飛び出してきた村人たちの絵。

 4:スリランカの女性作家による絵本。輪郭のあるくっきり絵と色とりどりの画面に惹かれて読んでみたいと思っていた。絵にはちょっとだけ、いまきみちっぽさも感じられる。傘のない田舎の村に、街で買った傘を持って帰って来ようとするおじさんが、帰り道にカフェでコーヒーを飲んでいると必ず傘泥棒に遭う。犯人は誰かなという話なのだが、カバー袖の著者メッセージで簡単にネタバレしてしまっている。この本、ベネッセではなく福武書店時代の古い版だウエッタシンハ表記になっているのだが、今回は、1995年7月10日7刷のものでウェッタシンハ表記。

 5:ぬぷんふるさと絵本シリーズの18。シリーズ2巻目の『あなもりのすな』も、羽田の穴守神社の話で、今回も羽田の話ということになる。このシリーズのふるさととは、羽田界隈のことを指しているのだろうか。題の通り、川の渡し船の話。多摩川の流れは、降雨によってあれこれ変わったらしく、現在右岸と左岸で同じ地名がついている場所は、かつては同じ側の川岸だったところがあるとか。登場するきつねが人を化かしやすい黄昏時のような時間帯が似つかわしい、水彩の差す光をよく描いてある絵だと思う。

 6:原題は『OINK』で、豚の鳴き声の英語圏での擬音。ブーは、母ぶたの鳴き声。7を先に読んだが、パターンは同じ。草が積み上がっているのは、ヘイスタックだなと思った。アーサー・ガイサートを初めて知ったのは『ヘイスタック』という絵本を読んだからだ。

 7:原題は『OINK OINK』。プキーは子ぶたの鳴き声。奔放な8匹の子ぶたが、明け方に寝床を抜け出して、冒険に繰り出す。それを(6と同じと考えると親ぶたは親ぶたでも)母ぶたが追う話。親ぶたがブーと鳴きながら必死に追いかけるさまに思わず笑ってしまう。著者には子育て経験がありそう。

 8:8~11のなかで唯一の付録の紙片欠。松岡洋子・達英両氏は夫妻だそう。比較的最近の作品ばかりしか松岡達英氏の仕事を見てこなかったので、1969年出版のこのようなエディトリアル・イラストの仕事を見ると、本当にその素晴らしい手腕に驚かされる。一ページ一ページ、次はどんなイラストが待っているのか、ページをめくる喜びを強く感じる。クモの肺は、書肺(しょはい)と呼ばれ、調べて見ると多数の葉状物が積み重なった構造をしている。つまりページのある本のような構造で、英語ではbook-lungというということを知った。また、クモはトカゲのしっぽのように足をわざと犠牲にして逃げるということが紹介されており、最近私が家の中のクモを捕まえようとして、次々に足が取れてしまいかわいそうなことをしたと思っていたのだが、クモがわざとそうしていた(そういう機能をもっていた)とはそうと知るまで思いもよらなかった。ただ、また足が生えてくるのかどうかは書かれていない。ちょっと調べてみると、10のカニと同じように、脱皮を繰り返すごとに他の足と同じ長さに再びはえそろうようだ。脱皮の回数は本書では不明とのことだが、現在までの研究成果ではどうなのだろう。クモの生物学的な紹介にとどまらず、世界各地域における物語に登場するクモだったり、クモがどういったイメージで捉えられているかなどといった情報もふんだんに取り入れられている。

 9:シリーズ第1巻である上述の8に比べ、色鮮やかさに停滞が見られる巻。表紙の絵も、ホタルだとは判別が困難だと思う。付録の紙片は、ホタルに詳しい矢島稔氏の解説的文章が読める。ホタルは幼虫時代も光るのは知っていたが、卵のときから光っているとは知らなかった。

 10:8~11のなかで唯一のカバ欠。カニは、幼体ではゾエアというミジンコ様から、メガロパというエビ様で、これらを経て、いわゆるカニの姿になる。まず幼体のことを知らなかったので驚いた。ハサミは手ではなく足だそうだが、それではカニには手がないということだろうか。足であるとする必要条件とはなんだろう。自切した足は、脱皮を2,3回繰り返すと元に戻るとのこと。付録の解説文は、広崎芳次氏。

 11:カミキリムシは、木の皮のなかで成虫になるまでを過ごす。成虫になると木の皮が雨で濡れて柔らかくしめったときを見計らい、皮をかみきって外へ出てくる。これが6月頃というから、遅くとも梅雨明けとともに外へ出てくる感じだろうか。よくミカンの害虫として扱われるけれど、カミキリムシの捕獲を産地の自治体が推奨する時期と一致している。農薬を撒くと、益虫とされるクモやテントウムシまで殺してしまう。9のホタルの巻でも、水質汚染によるホタルの数の減少という問題が紹介されていた。付録の解説文は、黒澤良彦氏。8~11は素晴らしいシリーズだが、どうして現在復刊なり増版されないのかと考えるに、文章に現在書籍に使用するには難のある言葉(びっことか土人とか)が少なからず見受けられることと、自然科学に関する研究が進んで、文章を更新する必要とがあるからだと思われる。