yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計3600円。

 

a)ネットoffにて。

1・ハンス・クリスチャン・アンデルセン・文、ヨゼフ・パレチェク・絵、石川史雅訳『はだかの王さま』プロジェクトアノ ¥740

2・ハリール・ジブラーン、神谷美恵子『ハリール・ジブラーンの詩』角川文庫 ¥198

3・平尾昌広『愛とか正義とか』萌書房 ¥1288

4・矢島正雄・作、上村一夫・画『夢化粧 2』秋田書店 ¥368

5・パーヴェル・バジョフ・作、芦川雄二・画、江上修代訳『石の花 ロシア・ウラル地方に伝わるおはなし』新読書社 ¥348

6・田辺聖子・編『わがひそかなる愉しみ』光文社文庫 ¥108

 

b)ヤフオクにて。

7・『週刊漫画Times 1978年2月17日号』芳文社 ¥550

 

c)小松さんより。

8・川崎長太郎『忍び草』中央公論社 ¥0

9・川崎長太郎『幾歳月』中央公論社 ¥0

10・川崎長太郎『乾いた河』中央公論社 ¥0

11・川崎長太郎『つゆ草』文藝春秋 ¥0

12・上林暁『朱色の卵』筑摩書房 ¥0

13・上林曉『随想集 幸徳秋水の甥』新潮社 ¥0

14・尾崎一雄『随想集 四角な机丸い机』 新潮社 ¥0

 

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 先日注文していたa)の本が本日届いた。b)は、本当は翌日届いたのだが、この記事と一緒に書いておく。c)は、職場の同僚のかたから頂いてしまった本。叔父さんだかお爺さんの蔵書だったそうだ。借りる名目でリクエストした本たちだったが、結局無償でいただくことになった。いただいた日付は、正確でないが、だいたいこの日くらいだったので、この記事に後から追加したもの。

 1:カラフルな色使い。奇しくも少し前に同じヨゼフ・パレチェクの『イグナツとちょうちょう』を読んだばかりだった。やはり温かみを感じる絵だが、真実を捉えているこの童話は、何度読んでも痛烈さを失わない。

 2:某古本屋で個展されていたかた(もう名前を忘れてしまった)のある作品に、ハリール・ジブラーンの詩が関係しているという話を聞いて、気になっていた詩人。神谷美恵子の訳と解説文で読める文庫。元々みすず書房で出ていた『うつわの歌』という本に丸ごと収録されていた部分のスピンアウト出版ということだ。『予言者』(神谷美恵子預言者ではなく予言者と訳した)の中からの、「与えることについて」「苦しみについて」が胸に響いた。何か自分の持ち物を人に与えるときに、自分自身を与えるようでなければ、実際には少ししか与えていないものだという。多くの物を持っている者ほど、その者の中では相対的には少ししか与えていない。はっとさせられる指摘だが、解説にあるように、元々は聖書にあるルカ福音書二一の一〜四に、そのようなことが書いてある箇所があるようだ。全体に言葉が平易で、読みやすいので、次は船井幸雄訳の『預言者』を読んでみようかと思う。

 3:出版社名はきざししょぼうと読む。奈良の出版社だそう。本書は、著名な某ブロガーが勧めていて気になっていた本。

 4:リンク先では、作者の矢島正雄の情報が欠落している。行商用。

 5:ハードカバーの童話。童心社岩波書店からも出ているが、収録作品がどの程度一致しているかは不明。表題作は、クジャク石(マラカイトというようだ)の細工技師の話で、石のそのもの美を湛えた石の花を見たものは、山中の異界から人間界に帰ってこられなくなるという話。「空色のへび」「青い老婆シニューシカの井戸」などと共通して、自然の懐の深さ、それも畏れを抱かせるほどの深さを昔の人は今よりもずっと感じていて、そのことを聞き手にしっかりと伝え感じさせる力を持つ物語だった。「エルマクの白鳥」には、同時期に矢口高雄「トキ」を読んでいて、そちらでも鳥の羽根をお守りのように使う場面が出てくるので、共通点とその共通の場面に同時期に触れられた読書のタイミングの良さに驚いた。「エルマクの白鳥」「金の髪」「石の花」は、自然に対する人間の忍耐強さの大事さを物語っているようにも感じる。周囲の噂や評価に惑わされない真っ当な頑固者が、幸運を勝ち得るといった筋の物語グループとしても括ることができる。全体に読み応えありで、バジョフの書いた民話は、もう少し追いかけてみたい。

 6:元々「「光る話」の花束」という同じ光文社でのアンソロジーシリーズのうちの1冊として出たものが、文庫化したもの。『きのこる』で紹介されていた、加賀乙彦「くさびら譚」が読みたくて購入。

 7:単行本化されていない上村一夫「黄色いリボン」のVol.28「足止め列車」が読める。女優志願のリボンという名の少女?が主人公らしい。幼馴染で人気歌手となったチャコの付き人をしている。他作品の見どころとしては、蕪木一生/原作、ダイナマイト・鉄/劇画「怪物・江川卓」(連載第3回)という伝記的漫画や、わたせせいぞう「おとこの詩」(連載第6回)あたりか。後者は、わたせせいぞうと聞いて真っ先に思い浮かべるような1980〜1990年代にかけての漫画というよりイラストのような作品とは違って、東海林さだお西沢周平のような線画による風刺的な2ページの漫画作品なので、かつてはこういう作風でもあったのかというような発見がある。

 8:8~11は、刊行年代順に並べた。9~11と異なり、本書だけ函装。タイトルは「忍び草」だが、函にある絵は「つゆ草」なので、11と通じる何かがありそうだと踏んでいる。

 9:8と同様に、まずぱらぱらと読んでみたところ、川崎長太郎は自身を小川という人物に置き換えて、私小説を書いているようだ。

 10:「日没前」は、講談社文芸文庫で学生時代に読んだはずなのだが、もうさっぱり内容を思い出せないし、古いファイルを調べてみたが当時のこの一篇については何も記していなかった。

 11:タイトルは「つゆ草」だが、装画は「からすうり」という。あとがきによると、30代から70代にわたって書いてきた私小説を年代順に並べたものということだ。

 12:滝平二郎・装幀というのが嬉しい函入の本。

 13:函装。ここでの曉の字は、実際に本に使われている旧字で書いておく。さらっとあとがきを読むと、山高登氏の寛大な心のおかげでこの本が出たということを書いてあり、本書の内容とどう関係があるのかないのか、気になるところ。少なくとも本書は、山高登装幀ではない。

 14:函装。タイトルが実に気を引くので選んだ本。夏葉社の上林暁の本と実に似た装幀は、あとがきで触れられている世話人の山高登氏だそう。これに触れた記事がweb上にあって判った事実。