yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計8600円。

 

a)第17回天神さん開田自治会館でヒトハコ古本市にて。

1・みつはしちかこ『初恋のりりあん』講談社漫画文庫 ¥200 hoshitsuki

2・浜田廣介・文、朝倉摂・絵『むくどりのゆめ』講談社 ¥1500 kumomi

3・寺村輝夫・作、ヒサクニヒコ・絵『おにのあかべえ』ポプラ社 ¥1000 kumomi

4・エレーン・ポガニー・文、ウイリー・ポガニー・絵、光吉夏弥訳『金のニワトリ』岩波書店 ¥200 A文庫

5~7・水野英子『星のたてごと 1~3』朝日ソノラマ ¥800 A文庫

8・高安克己『ぼくらの科学1 洞くつの世界』千代田書房 ¥600 yanagi

9・丸木位里/丸木俊、松村賢一・英文『ピカドン』ろばのみみ ¥300 yanagi

10・あらいあき『チュウチュウカナッコ』青林工藝舎 ¥300 yanagi

11・ぽんつく文庫『無職未満』ぽんつく堂 ¥150 pontsuku

12・岡崎武志/柴田信/安部甲・編『書肆アクセスという本屋があった 神保町すずらん通り1976-2007』『書肆アクセスの本』をつくる会 ¥600 emdrive

13・エルンスト・クライドルフ・文/絵、大塚勇三訳『くさはらのこびと』福音館書店 ¥400 remondo

14・徳南晴一郎『復刻版 怪談 人間時計』太田出版 ¥350 hori

15・『長岡天Zine』 ¥500 mazaki

16・木田安彦・木版画、田中一光・アート・ディレクション『にほんのまつり』講談社 ¥600 kumahiko

17・『うZINE』 ¥200 fumi

 

b)ヨドニカ文庫にて。

18・ホルヘ・マンリーケ・作、佐竹謙一訳『父の死に寄せる詩』岩波文庫 ¥300

 

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 前回から半年経ってまたa)の開催の日を迎えた。早朝に自宅を発ち、開始時刻ちょっと過ぎに会場入り。時間いっぱい会場にいた。b)は、a)の閉会後に寄ったもの。連れに、連れの友人に起きた悲しい出来事についての連絡があり、辛い気持ちでいながら本棚を見ていて、罪深い気持ちになった。

 1:みつはしちかこの著名な作品には買うほどの興味はわかないけれど、こういう全1巻完結の知らない作品だと手が伸びる。4コマとか8コマの連作で、やっぱりいずれもアイデアが活きているから、コマ漫画が好きだ。りりあんの幼馴染らしき男の子が健気。p.53の女心、p.83のしあわせ、p.86の優しさ、がぐっとときた。

 2:函入。p.38の最後のひと葉は、こすり出しで描いたものだろうか。木のうろで冬越しをするむくどりの父と子。子は母が亡くなっていることも知らず、母を恋しく思っている。木に残った葉っぱが風に吹かれてかさこそする音で、もしや母が来たのではと何度も確認する。話は、冬のままで終わるところ、静かな余韻が続く。

 3:あっかんべえの由来を創作したお話。人間世界でなんでも真逆に捉えたり、言うことやることも真逆にするあかべえ。その振る舞いを見抜いた悪いごんたの賢しらなこと。函入、帯付。

 4:カバー袖の「本のおねがい」という本の取り扱い方の注意書きが大変いかしていたので、購入。岩波の子どもの本だが、このシリーズの表紙の右下あたりに描いてある象の絵と、その「本のおねがい」の絵は、同じ絵描きによる仕事のようだ。誰だろう。若干ぐうたらな王さまが、悪い魔法使いに妬まれて、度々侵攻に遭う。侵攻を知らせる金のニワトリは、その魔法使いが変装して王様に届けたもの。代わりにいつか望みをきくという借りをつくる。金のニワトリが信仰を知らせたので、婚姻直後の王子に討伐に行かせると、石にされてしまう。それを発見した王様は、石の王子と、そこで出会った月の姫を自分と結婚するために連れ帰る。帰城すると魔法使いが月の姫を貰い受けにくる。この危機を金のニワトリが魔法使いを退治する。金のニワトリは月の姫の婚約者で、金の羽でみなを撫でると、石の王子は元に戻り、各々の不都合な記憶も消されて、一件落着という話。と、こう書き出してみるとなかなか入り組んだ話。

 5~7:手塚治虫の少女漫画の系譜に当たりそうな作品。惜しげもないストーリーの展開に次ぐ展開で、ぐいぐい読ませる。人魚姫のような切なさを醸す作品。ただ終わり方はもう少し丁寧であって欲しかった。掲載雑誌のページ数都合を強く感じた。第3巻の後半に「ルル」という短篇を収録。

 8:洞穴探検のことを書いた第三章が抜群に面白かった。読者を、先輩に連れられて、初めて洞穴探検をする人にしてくれるような二人称的な文章に久しぶりに触れた。そう、洞穴は探検するものであって、冒険にいくところではないのだ。後半は、考古学的になってきて、個人的にはつまらなかった。

 9:『ひろしまのピカ』の元になった絵本。オリジナルは、ポツダム書店というところから、1950年8月6日に発行されたのだが、その後発禁処分を受けたようだ。本書は1976年8月15日英文付新版。1年前に英文のない復刻版が、やはりろばのみみ舎から出てもいたようだ。ピカの前後を実体験と伝聞から多様に書き綴った絵本。爆心地には生存者がいなかったため、話を伝える人がいないというすさまじさ。人間だけでなく、動物や鳥の様子も描かれている。付録?の紙切れがたくさん挟まっていたので、メモしておく。鈴木晴久「ろばのみみの読者の皆様へ」、ろばのみみというミニコミ誌の編集・出版における経済的な大変さ、注いでいる誠意、広告を載せないということ、など綴られいて、編集人の人柄がよく伝わってきて、応援したくなるような内容。「おーい ろばのみみ No.20」、この『ピカドン』他ろばのみみ既刊についての読者の投稿感想を多数掲載。一般市民?の名前が並ぶなか、平野威馬雄氏からの投稿もある。編集人独白もあり。「サンデー毎日 1980.3.30「ほん」欄のコピー、および鈴木晴久氏の手書き文章添えたもの」、ろばのみみ既刊の『渡辺禎雄版画小品集』について武田清子(国際基督教大学教授)の文章。「ろばのみみのつどい その32 ツィターへの招待」、河野保人というオーストリアおよび南ドイツに伝わる撥絃楽器ツィターの演奏会の案内チラシ。

 10:2001年から2010年にかけて描かれた漫画作品。2004年までの第5話を描いてから、5年間続きが出なかったとのことで、確かに5話くらいまで、自閉症的なカナコのいちいちが読んでいて痛々しくくらーい気持ちになったが、その後から少しずつカナコのデキる面が紹介されたり、社会性も増してきて、俄然面白くなった。レモンスカッシュのことをレスカと略するのは、一般に知られていることなのだろうか。

 11:ぽんつく堂を開店するまでの話を簡単にまとめてある。開業費用が書いてあるのが、いつか参考になるかも。

 12:

 13:

 14:ヌレて状態悪かったが、何だか気になったのと、買った箱のお隣のかたが、やはりこの本をかつて買って読んだことがあるという偶然もあって、購入。p.194にピカドンが出てくる。9の本のタイトルワードがここにも登場するとは偶然。堀広道氏の画を連想させるこの漫画家の絵は、全体にきつくゆがんでいて、内容は追い詰められたような息苦しい雰囲気に満ち満ちている。一読で手放そうかとも思ったが、竹熊健太郎氏の巻末の文章を読んで、「アブナイもの」も自宅の棚に残しておいたほうがいいかなとも思えてきた。

 15:

 16:

 17:宇治についてのZINE。今現在の宇治の茶畑がどのように広がっているか、現地調査したレポートが載っていて、実に労作だと思う。茶摘みの季節労働者の募集看板があるのを初めて知った。作物の産地を、季節労働で渡り歩きたい気持ちがどこかにある。

 18:中世スペイン(1400年頃)文学。表題作のほかに、作者不詳の『死の舞踏』を載せてあり、ここまでで全ページ数の半分にも満たない。残りが、訳注や解説と参考文献ページというつくり。