yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧

夢・出逢い・魔性

【夢・出逢い・魔性 You May Die in My Show】森博嗣 講談社文庫 ★★★ 2006.8.27 Vシリーズ 一瞬の場面や台詞、地の文のコメントに、もうわずかにしか認められないけれども、切っ先鋭い煌きがある。それがストーリィ全体としては退屈なシリーズだけれども読…

熊を放つ(上)

【熊を放つ (上)】ジョン・アーヴィング 村上春樹訳 中公文庫 ★★★ 2006.7.26 処女長編 まだ上巻だけだが、これまで読んだアーヴィング作品の中で、最も読みにくく、展開も遅い印象。下巻で加速するかどうか。 *** とだけ書くと、なんだかそっけないので…

テーバイ攻めの七将

【テーバイ攻めの七将】アイスキュロス 高津春繁訳 岩波文庫 ★★★ 2006.8.18 オイディプスの息子の悲劇。それにしても、オイディプスは、悲劇の生る木のようだ。 テーバイが攻められるのだが、七つの門から、七人の将が攻めてくる。それぞれに合ったテーバイ…

倉橋由美子の怪奇掌篇

【倉橋由美子の怪奇掌篇】倉橋由美子 新潮文庫 ★★★ 2006.8.17 ギリシア神話や中国古典が引き合いに出される話が、予想通り幾つかあって、「よもつひらさか往還」以後常々まとわり付く既読感を何度か感じながら読んだ。それでも今回の掌篇も相変わらず乾いた…

リセット

【リセット】北村薫 新潮文庫 ★★★★ 2006.8.16 《時と人》三部作の三 偶々(たまたま)手にしたのが所謂終戦記念日だった。タイトルから戦争の話が出てくるとは予想外だったし、靖国という言葉も出てきて、幾らかタイムリー。 都合の良い“リセット”の意味で物…

伝奇集

【伝奇集】J.L.ボルヘス 鼓直訳 岩波文庫 ★★★ 2006.8.12 南米はアルゼンチンの作家。独特の世界を書く人とかで、随分前から気になっていたので読んでみた。装画が怪しくて良い。 全体に難解だが、半分はうそばなしだと思えば、気楽に楽しめる。たくさん挙げ…