yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

朝鮮短篇小説選(下)

【朝鮮短篇小説選(下)】大村益夫・長璋吉・三枝壽勝編訳 岩波文庫 ★★★ 2009.1.28 上下巻同時に入手して、ある時間違えて携えていったのが下巻だったので、下巻から読むことになった。特に支障はないけれど、自分にしてはちょっと珍しい出来事。 朝鮮半島出…

神曲 煉獄篇

【神曲 煉獄篇】ダンテ・アリギエーリ 寿岳文章訳 集英社文庫ヘリテージシリーズ ★★★ 2008.9.8 11ヶ月振りに、ダンテの旅の続きに付き合う。 さて煉獄については、地獄や天国に比べてあまりにも予備知識がなかったので、その辺りの基礎的なところから勉強に…

百頭女

【百頭女】マックス・エルンスト 巖谷國士訳 河出文庫 ★★★★ 2008.10.10 エルンストを知ったのは、確か「幻想の肖像」のおかげかと思う。 コラージュによる小説。ありがたいことに一絵一絵毎にキャプションがあるので、理解あるいは解釈の助けになる。これが…

バースデイ・ストーリーズ

【バースデイ・ストーリーズ】村上春樹編訳 中央公論新社 ★★★ 2009.1.22 村上春樹翻訳ライブラリー この本は、人にあげたことがある(それはハードカバーだったという違いはあるが)。しかし、結構一気読みするには厄介な作品が多くて、こんなものを誕生日に…

武者小路実篤詩集

【武者小路実篤詩集】武者小路実篤 亀井勝一郎編 新潮文庫 ★★★★ 2008.8.2 血縁者にいただいたもう一冊。編者の名前がものものしく感じられて、まこと勝手なことに政治家だろうと思っていたが、それは力一杯の勘違いであった。 谷川俊太郎氏もそうだったが、…

はるかな国からやってきた

【はるかな国からやってきた】谷川俊太郎 童話屋 ★★★★ 2008.8.2 血縁者にいただいた一冊。詩華集。 漢字ばかりが目につく私は、ひらがなの簡単な感じを、簡単だけれど組み合わせ次第で見たこともないようなものが柔らかく現れてくる感じを、行使して、そうい…

北壁からのメッセージ

【北壁からのメッセージ】長谷川恒男 中公文庫 ★★★★ 2008.9.9 173頁からの、働くことは生きること、なる小節が(読んだ当時の私にも、今読み返してみた私にも)読み応えがある。別に、氏の読者向けの意見がここぞとばかりに開陳されているわけでもなく、淡々…

さまよえる未亡人たち

【さまよえる未亡人たち】エリザベス・フェラーズ 中村有希訳 創元推理文庫 ★★★ 2008.7.1 英国ミステリ。舞台はマル島というところで、すぐ側の街オーバンなどの地名が出てくる。以前よりウイスキーを土地の情報と一緒に呑もうとしているけれど、オーバンに…

限りなく透明に近いブルー

【限りなく透明に近いブルー】村上龍 講談社文庫 ★★★ 2008.10.13 第19回群像新人文学賞,第75回芥川賞受賞作 読まず嫌いだったが、やはりというかタイトルも良いし、薄いし、という理由から(か?)、リュウを遂に読んでみた。裏表紙の解説をたよりに書くと、…

家畜人ヤプー 第三巻

【家畜人ヤプー 第三巻】沼正三 幻冬社アウトロー文庫 ★★★★ 2008.9.19 およそ三年振りに読み進む。第三巻。 相変わらず、いや、弥増しに妙ちきりんな文献を伴った記紀の再解釈が進んでいく。遂に、古代(?)中国史まで雪だるま式に取り込み始めて、(笑いを催…

エディプスの恋人

【エディプスの恋人】筒井康隆 新潮文庫 ★★★★★ 2008.9.5 七瀬三部作の三 この三部作だが、全て星5つである。(人為による)奇跡とはこれでは。「リング」「らせん」「ループ」のように物語の次元が確実に増していく三部作。壮大かつ圧巻。「殿堂入り!」と叫…

続813

【続813】モーリス・ルブラン 堀口大學訳 新潮文庫 ★★★★★ 2008.9.16 アルセーヌ・ルパンシリーズ 言わずと知れる(知れた、ではない)「813」の続編。 100日程前に読んで、文句なく星5つを付けたくせに、既に内容を思い出せないでいる。今、ぱらぱらと…

ロートレアモン全集

【ロートレアモン全集】ロートレアモン(イジドール・デュカス) 石井洋二郎訳 ちくま文庫 ★★★ 2008.7.23 「マルドロールの歌」と「ポエジーⅠ・Ⅱ」と若干の書簡を収める。誰かが言っていた、人は死んだら情報になるのだ、と。全一冊の全集。享年24歳。 毒書…

クビキリサイクル

【クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い】西尾維新 講談社文庫 ★★★★ 2008.10.1 第23回メフィスト賞受賞作 久しぶりのメフィスト賞もの。清涼院流水以来の羊腸さを予想したが、スピード感、専門的情報の量、伏線、かなりあるある尽くしのストーリィだった…

ザ・ウイスキーキャット

【ザ・ウイスキーキャット】C.W.ニコル 松田銑訳 森山徹撮影 講談社文庫 ★★★ 2008.12.19 ウイスキーの蒸留所の番猫の物語。歯切れよく童話的な調子で進むので(ナントカだニャア、みたいな感じ)、猫好き一般に広く受け入られやすそうだし、ウイスキー造りの…