yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2006-03-01から1ヶ月間の記事一覧

冬のオペラ

【冬のオペラ】北村薫 中公文庫 ★★★★ 2006.2.27 連作短篇集が好きだ。表題作も含まれているけれど、三篇で「三幕の悲劇」的な構成だから本全体としてもオペラ。 自分が名探偵だとわかっている巫氏。「名探偵は存在であり、意思である」とあるが、名探偵とい…

人形の家

【人形の家】イプセン 原千代海訳 岩波文庫 ★★★★ 2006.3.9 洞察力不足もあるが、クライマックスでの真のテーマが突然に、かつシリアスに浮かび上がる場面に胸をど突かれる思い。一、二幕の前振りで、何かが爆発しそうな緊張感の高まりが、何でもなく処理され…

聊斎志異(上)

【聊斎志異(上)】蒲松齢 立間祥介編訳 岩波文庫 ★★★ 2006.3.20 怪異譚の中国古典。最近読んだ「十三妹」が、偶然にも科挙の話などで、予備知識を与えてくれていた。が、それにしても、科挙絡みの話が多い。これは、あまりの試験の厳しさに、人々の意思が、…

絵のない絵本

【絵のない絵本】アンデルセン 大畑末吉訳 岩波文庫 ★★★ 2006.3.12 全33話(全33夜)中、わずか数篇だけが、初読で良い引っ掛かりを得た。全般にシリアスで、ときにアイロニカル。代名詞が多いせいか(それが、そのetc)、掌編なれども、うかうかして読むと…