yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2005-01-01から1ヶ月間の記事一覧

屍を 他6編

【屍を 他6編】江戸川乱歩 小酒井不木 香山滋 鷲尾三郎 岡田鯱彦 島田一男 千代有三 楠田匡介 木々高太郎 水谷準 大下宇陀児 春陽文庫 ★★★ 2005.1.28 合作探偵小説シリーズ,絶版 運良くも春陽堂の広告冊子が差し込まれていたので、“合作探偵小説シリーズ”の…

山椒大夫・高瀬舟 他四編

【山椒大夫・高瀬舟 他四編】森鷗外 岩波文庫 ★★★★ 2005.1.23 森鷗外初読。鷗外のことを謳ったなかなか良い曲があるので、どんなものなのか、と思って読んでみた。漢字と妙な片仮名に直した外来語を多用する難解な文章を書く人かと思いきや、この短篇集に於…

陽気な容疑者たち

【陽気な容疑者たち】天藤真 創元推理文庫 ★★★★ 2005.1.21 天藤真推理小説全集2 タイトルの通り陽気さに溢れたミステリ。田舎の人々の詮索好きやら余所者に対する依怙地さやらを面白可笑しく描いてある。特に会話が面白い。必ずと言っていい程茶々が入って、…

闇のなかの黒い馬

【闇のなかの黒い馬】埴谷雄高 河出書房新社 ★★★★ 2005.1.18 第6回谷崎潤一郎賞受賞作 ここ数年で一番読みたかった本。小説らしいがエッセイのようでも。副題に夢についての九つの短篇とあり、そのものをそのものとしか認識出来ない白昼の罠を嫌い(?)、夢…

奇巌城

【奇巌城】モーリス・ルブラン 石川湧訳 創元推理文庫 ★★★★ 2005.1.14 アルセーヌ・リュパンシリーズ 展開の目粉しさ(めまぐるしさ)と、リュパンの一途なロマンスの対比が眩しい作品。ホームズをも凌ぐライバルの出現やフランス史上の大いなる謎を絡めると…

人譽幻談 幻の猫

【人譽幻談 幻の猫】伊藤人譽(いとうひとよ) 龜鳴屋 ★★★★ 2005.1.13 限定514部 気の利きまくった幻談八篇。聞いたことがあるようでなかった“幻談”という何とも魅力的な分類名と限定部数という触れ込みに興味を惹かれ、入手した一冊。 どの一篇をとってみて…

宮沢賢治詩集

【宮沢賢治詩集】宮沢賢治 谷川徹三編 岩波文庫 ★★ 2005.1.9 かなり取っ付きにくかった。良いと思えるフレーズは随所に見られた(特にタイトルに於いて)けれども、一篇の詩(心象スケッチ)として今後とも大事にしたいと思えるものは殆ど見つからなかった。…

月は幽咽のデバイス

【月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks】森博嗣 講談社文庫 ★★★★ 2005.1.8 順に読んできたことで保呂草のポジションが大分分かってきたので、そういう読者を見越してか、今回は早早にその手の(保呂草絡み)の驚きは自粛或いはセーブし…

白銀荘の殺人鬼

【白銀荘の殺人鬼】愛川晶/二階堂黎人 光文社文庫 ★★★ 2005.1.6 合作ペンネーム彩胡ジュン名義で発表 季節的に良いかなと思い手にしたが、「イワン・イリッチの死」の所為で、ここでの大量殺人の陳腐なこと。多少空しい気分で読み進むも、その内にこの手の…

イワン・イリッチの死

【イワン・イリッチの死】トルストイ 米川正夫訳 岩波文庫 ★★★★ 2005.1.3 死を真っ向から取り扱った作品。主人公が平凡なだけに、やがて誰しもに訪れる死の平等さ・絶対性がずしりと迫る。死のことを思う時いつも思い浮かぶイメージがあって、それがこの作品…

月長石

【月長石】ウィルキー・コリンズ 中村能三訳 創元推理文庫 ★★★★★ 2004.12.29 正に名長編。毎日毎日読み進む程に深く沈み込まされた。この貴重な感覚は年末山行を跨いで読むと確実に失われるだろうと思い、後半は益益集中して読み込み、結果、かけがえのない…