yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

恋恋蓮歩の演習

【恋恋蓮歩の演習 A Sea of Deceits】森博嗣 講談社文庫 ★★★★ 2009.7.27 Vシリーズ 今作も装画の冴えが際立っている。 シリーズ物なので、前作やそれ以前の作を引きずる何かしらはあるが、今作は特に前作の続きを意識した話であった。この傾向は次作にも続く…

江分利満氏の優雅な生活

【江分利満氏の優雅な生活】山口瞳 新潮文庫 ★★★★ 2009.7.9 第38回直木賞受賞作 昭和のサラリーマンの典型を描いた、有名作。酒好きでサラリーマンなら(それに少しでも昭和という時代に追憶するところある方は)、読まない手はないと思う。 職場の男女格差…

光ってみえるもの、あれは

【光ってみえるもの、あれは】川上弘美 中公文庫 ★★★★ 2009.7.12 読みやすいのだけど、今作はあまり好みではなかった。所謂ボーイズラブ的な場面が満載で、僕と花田の関係が、男性の私には現実味がないように思われ、どうにも感情移入できないところがある。…

海峡

【海峡 この水の無明の真秀ろば】赤江瀑 角川文庫 ★★★★ 2009.7.4 第12回泉鏡花文学賞受賞作 エッセイだが、そうと知らず読み進んでいた。破片Aなど、如何にも小説らしく、実話だとすると奇妙な話である。事実は小説より奇なり、とはいうが……(或る無類の本読…

超現実主義宣言

【超現実主義宣言】アンドレ・ブルトン 生田耕作訳 中公文庫 ★★★ 2009.7.4 この本、表紙が良く、1920年代のソビエトの無声映画ポスターを思わせる。その"思わせる"時代は、もちろん超現実主義宣言(第一宣言)がなされた1923年に重なっている。 絵画の方面か…