yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

類推の山

【類推の山】ルネ・ドーマル 河出文庫 ★★★ 2009.6.20 "人間の通常の手段では近づけない"、不可視だが在りうべくして実在する"象徴的な山"への探検記。この小説の設定・試みが既に興味深いもので飛び付いた。小難しいようでいて、軽快で読みやすい。もっとも…

チーズを楽しむ

【チーズを楽しむ】村山重信 丸善ライブラリー ★★★★ 2009.6.15 1998年発行のやや古いチーズのお手軽な入門書(新書(サイズ))。例によって中古で入手したのだが、ページの所々に、食べ物のしみがあって、普通ならあまり気持ちの良いものではないけれど、き…

金色夜叉(下)

【金色夜叉(下)】尾崎紅葉 岩波文庫 ★★★★★ 2008.1.14 色つながりの黄金バットの影響か(全く直撃世代ではないが)、金色夜叉の字面からの第一印象はヒーローものかなというものだったが、見当違いも甚だしかった。 雅文調というのか、今時の小説に比べると…

精神科医になる

【精神科医になる 患者を<わかる>ということ】熊木徹夫 中公新書 ★★★ 2009.6.6 タイトルから、「ブラックジャックによろしく」的な、悩みながら一人前の医者になった(/一人前の医者になるためスタートラインにやっと立つことができた)、というような自伝…

いま、働くということ

【いま、働くということ】大庭健 ちくま新書 ★★★ 2008.8.1 「何のために働くのだろう」=「どう働けば、自分の生は人間として無意味ではなかった、と納得できるのだろう」という問いに立ち向かう書。この本が、よくある働く意味について悩む人々(私もその一…

闇のなかの黒い馬

【闇のなかの黒い馬】埴谷雄高 河出文藝選書 ★★★★ 2008.6.27 第6回谷崎潤一郎賞受賞作 本書は普及版に当たると思う(元版と比べての部数の多少は知らないが)。元版は既に読んでいたが、自身の作品の文庫化を嫌った一面でも有名な氏であるから、本書のような…