yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ベンスン殺人事件

【ベンスン殺人事件】ヴァン・ダイン 井上勇訳 創元推理文庫 ★★★★ 2005.2.27 ヴァン・ダイン処女作 心理的推理を標榜する探偵ファイロ・ヴァンスものの第一作。シリーズものの第一作だけあって、発表当時としては極めて斬新だったであろう(私的にも斬新に感…

屍蝋の街

【屍蝋の街】我孫子武丸 双葉文庫 ★★★★ 2005.2.17 「蝋」は正しくは、虫偏+臘のつくり 久しぶりに読む我孫子作品だったが、相変わらずのテンポの良さ。さっと読めたので気分が良い。が、面白さが単純に過ぎるからか、あまり書き残すべき感想が湧いてこない…

バナールな現象

【バナールな現象】奥泉光 集英社文庫 ★★★ 2005.2.15 鴉、海老、“牧彦”など偏執する対象が多く、その反芻のしつこさ、まわりくどさといったら牛の4つの胃袋を行きつ戻りつする消化液まみれの乾し草の図を思わせる。どうも自分の書く文章に似ているような気が…

笑うな

【笑うな】筒井康隆 新潮文庫 ★★★ 2005.2.7 中学生の頃、星新一を幾らか読んでいた。それ以来、本当に久し振りにショート・ショートに触れた気がする。ただしこちらはかなりブラックな味わい。落ちの切れ味も、読者を試すようなものが多く、ぼんやり読めない…

星降り山荘の殺人

【星降り山荘の殺人】倉知淳 講談社文庫 ★★★★ 2005.2.5 「壺中の天国」に大変通じるものがある作品だった。要素数がほぼ一定の集合の積をとっていくという風の犯人の絞り込み方の独特の緩やかさと丹念さ、茶化し具合の裁量の上手さ、異常心理とそれを具現さ…

戯れに恋はすまじ

【戯れに恋はすまじ】ミュッセ 進藤誠一訳 岩波文庫 ★★★★★ 2005.2.5 珍しく少し浮かれるというかそんなような気分になる出来事があったので、単純で安直な感じだけれども手が伸びてしまった一冊。タイトル中の“すまじ”というのが、“済まないだろう”という意…