yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2005-10-01から1ヶ月間の記事一覧

虹の獄、桜の獄

【虹の獄、桜の獄】竹本健治 建石修志・画 河出書房新社 ★★★ 2005.10.28 「七色の犯罪のための絵本」に一篇の書き下ろし「しあわせな死の桜」を加えて単行本化した今作。前者は既に「閉じ箱」所収のものとして読んでいる。“赤”と“ラピスラズリ”が好み(cf.独…

家畜人ヤプー 第二巻

【家畜人ヤプー 第二巻】沼正三 幻冬社アウトロー文庫 ★★★ 2005.10.15 およそ一年振りに読み進む。第二巻。 ユートピア小説/反ユートピア小説というものが、少し分かってきたように思う。つまり、ユートピア/反ユートピアという“世界”を打ち立てたというこ…

脳男

【脳男】首藤瓜於 講談社文庫 ★★★★ 2005.10.9 第46回江戸川乱歩賞受賞作 なんとか男という言葉に多少思うところがあるので、読んでみた一冊。 脳男という稀代の犯罪者との死闘を描く作品かと想像していたら、彼は実はヒーローであった。感覚から脳波まで自律…

闇の中のオレンジ

【闇の中のオレンジ】天沢退二郎 ブッキング ★★★★ 2005.10.9 怪しい童話。子供(子供とは?)が読んだら、住む世界が悉く暗色がかって見えるようになるかもしれない。明色は原色のみだけが浮いたように残って、淡いものは目に映らなくなるだろう。 掉尾の表…

弁護側の証人

【弁護側の証人】小泉喜美子 集英社文庫 ★★★ 2005.10.6 絶版 名作との呼び声高いミステリ。序章と終章の合わせ鏡的で皮肉な趣向のきれいな構造の作品だったが、期待していたほどには面白くなかった。ただ、先に読んだ「時の過ぎゆくままに」でも大いに感じら…

グラン・モーヌ

【グラン・モーヌ】アラン=フルニエ 天沢退二郎訳 岩波文庫 ★★★★ 2005.10.2 天沢退二郎マイブウムが唐突にやって来て、まだ見ぬ(読まぬ)「オレンジ党」シリーズへの想いを膨らましているところに、訳者として氏の名を見つけたので読んでみた一冊。 陳腐な…