yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2009-02-01から1ヶ月間の記事一覧

北村薫のミステリびっくり箱

【北村薫のミステリびっくり箱】北村薫 角川書店 ★★★ 2009.2.25 CD付き 乱歩らの肉声が聞けるというCD付きの本で、売り切れ御免な感じの宣伝で販売されていたので、えいやと思い買ってみた。分量はなく、二時間もかからずに読み切れるが、8ジャンルに渡る各…

鍵のかかった部屋

【鍵のかかった部屋】ポール・オースター 柴田元幸訳 白水Uブックス ★★★★ 2008.8.15 ニューヨーク三部作 “なんとなくハードボイルド”を期待していたわけだが、この本の原題は、少し考えれば分かる通り、「The Rocked Room」ということで、やはり広義のミステ…

夜叉ヶ池・天守物語

【夜叉ヶ池・天守物語】泉鏡花 岩波文庫 ★★★ 2008.7.13 夜叉ヶ池も天守物語も、読むのは二度目。講談社文庫の中井英夫氏が解説のものを、5年と少し前に読んだのである。だから、懐かしみながら筋の確認する感じで読んだ。天守物語冒頭における、天守閣からの…

若き詩人への手紙 若き女性への手紙

【若き詩人への手紙 若き女性への手紙】リルケ 高安国世訳 新潮文庫 ★★★★ 2008.9.29 前半は若き詩人への、後半は若き女性への往復書簡。リルケ自身はともかく、手紙をやり取りする相手まで、とても正直で、感情に従順な素敵な書き振りなので、それだけでほっ…

迷路のなかで

【迷路のなかで】ロブ=グリエ 平岡篤頼訳 講談社文芸文庫 ★★★★ 2009.2.19 目眩のする小説は、「ドグラ・マグラ」や「匣の中の失楽」、「ペニス」、「バナールな現象」など、これまでいくつか出会ってきたのが、その系列・類いに属するこの作品はすごい。頻度…

富士日記(下)

【富士日記(下)】武田百合子 中公文庫 ★★★★ 2008.9.23 第17回田村俊子賞受賞作 胸が締め付けられそうなエピソードでいっぱい。武田(夫の泰淳氏)の健康がどんどん悪化していく。本の終わりが、武田の終わりかと想像されて、頁を繰りたくなくなってくる。…

脳が冴える15の習慣

【脳が冴える15の習慣 記憶・集中・思考力を高める】築山節 生活人新書 ★★★ 2009.2.16 やはり日頃より人に相対する職業者の書く文章は分かりやすい。脳を活性化させる具体的方法について簡潔にまとめてある。新書らしさ全開というか、章題を見直しただけで、…

太陽王と月の王

【太陽王と月の王】澁澤龍彦 河出文庫 ★★★★ 2009.2.9 2頁ばかしのものから長くても13頁のものまで、の雑多でしまりのないエッセイ集(「架空対談*サド」だけは19頁だがエッセイに入るのか疑問なので別扱いで考えた)。だから、目次の頁をいつものように注視…

玉蟲遁走曲

【玉蟲遁走曲】塚本邦雄 白水社 ★★★★ 2009.2.3 絶版 昨年末より塚本邦雄氏が気になって仕方なくなっていた。主な理由は2点、旧字旧仮名遣いに圧倒されてみたい、そして、詩人の書く小説・エッセイに名品が多いらしい(という噂)、というところ。氏のほとん…