yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

薔薇の葬儀

【薔薇の葬儀】アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ 田中義廣訳 白水Uブックス ★★★★ 2007.10.27 残酷成分も多いが、エロスが特に豊穣。久々に当たりの幻想譚で、七篇全て堪能した。 同版元より多数の作品が出ているようなので、是非ともさらに深入りして…

少年少女

【少年少女】アナトール・フランス 三好達治訳 岩波文庫 ★★★ 2007.10.27 一生懸命読むような話でもなさそうだし、それに一気に読むような本でもなさそうなので、ぽつぽつと読んで偶々この日に読みきったわけだが。淡白。あまりにも書くことがないので、今日…

神曲 地獄篇

【神曲 地獄篇】ダンテ・アリギエーリ 寿岳文章訳 集英社文庫ヘリテージシリーズ ★★★★ 2007.10.8 あちこちで引き合いに出される地獄の構造、キリスト教における罪の軽重について勉強になる。 多層構造の地獄に墜とされた有名人は、政敵(意外にダンテの時代…

フリーズする脳

【フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる】築山節 生活人新書 ★★★ 2007.10.19 本書のタイトルのように、全く頭がフリーズすること度々なので、何か解決策はないものかと手にとってみた。 要点は、マルチに脳を活動させなさい、脳に多方面から刺激を与え…

青い蛇

【青い蛇 十六の不気味な物語】トーマス・オーウェン 加藤尚宏訳 創元推理文庫 ★★★★ 2007.10.21 対となるもう一冊に比べて、もう少し恐くて、動物性脂肪を思わせる嫌な粘り気をまとう。導入で常に集中力を要求してくるが、そこを読み超えると、感心させられ…

身心快楽

【身心快楽(しんじんけらく) 武田泰淳随筆選】武田泰淳 川西政明編 講談社文芸文庫 ★★★★ 2007.10.8 中国、戦争、仏道。この辺りが、泰淳のキーワードらしい。そろそろ「富士」に取りかかれる頃合と感じる。少なくとも「死靈」はその先にある。 悩んで、考…

むずかしい愛

【むずかしい愛】イタロ・カルヴィーノ 和田忠彦訳 岩波文庫 ★★★ 2007.10.8 川上弘美がカルヴィーノの「柔かい月」を(この本の中で)推していたのを覚えていて、いつか読もうと思っていたところに、カルヴィーノの別の作品が先に見つかったので、まずはこち…

にごりえ・たけくらべ

【にごりえ・たけくらべ】樋口一葉 岩波文庫 ★★★★ 2007.9.29 姓が共通する、ただそれだけで昔から気になっていた氏だったが、どうにも雅な(?)文章が高いハードルとなって、なかなかいざ読む決心がつかずにいた。この決心をつかせた切欠は、先頃、私が既に…

世界悪女物語

【世界悪女物語】澁澤龍彦 河出文庫 ★★★ 2007.9.16 ルクレチア・ボルジアを一人目の悪女として採り上げており、偶々ジュサブロー氏作の彼女の人形(の写真)が強く印象付けられたばかりと実にタイムリーに目に留まって、奪うように手に取り、読ませてもらっ…