2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧
【日輪・春は馬車に乗って 他八篇】横光利一 岩波文庫 ★★★★ 2007.1.24 「機械」の独特の文体をのことを耳にし、それを読まんがために買った一冊。その「機械」だが、刹那的な感覚を丁寧に見つめ取り、書きほぐすことに成功した氏の体力と精神の太さに感服。…
【中原中也詩集】大岡昇平編 岩波文庫 ★★★ 2007.1.18 リズムある詩が多い。読みやすい、触れやすい詩。どこかのバンドが使う言葉が、中也の使う言葉のところどころの感触に重なるので、何かしら影響があったのかもしれないと想像。 読む前に知っていたのは、…
【山田風太郎ミステリー傑作選③ 夜よりほかに聴くものもなし <サスペンス篇>】山田風太郎 光文社文庫 ★★★★★ 2007.1.4 このシリーズを読むのは、5つ目になるが、星5つはこれが初めて。山田風太郎は、サスペンスが最も得意なのじゃないかと思う。その上に漂…
【鬼譚草紙】夢枕獏 天野喜孝・絵 朝日文庫 ★★★★ 2006.12.25 ハードカバーで出たときにBOOK DESIGNが素敵だったので気になっていたのだが、それが文庫でもなかなかに踏襲されていたので、即回収し、読んでみた。挿絵はカラーかつかなりの枚数あるのに、この…
【二○○二年のスロウ・ボート】古川日出男 文春文庫 ★★★ 2007.1.8 文学にリミックスという概念を適用した作品、として評価できるけれど、内容はいまひとつ。気になる作家ではあるが、友人が言うように、最初に読む本を間違えたのかもしれない。 ラフな文体で…