2007-08-23 赤毛のレドメイン家 読んだ本 【赤毛のレドメイン家】イーデン・フィルポッツ 宇野利泰訳 創元推理文庫 ★★★★ 2007.8.19 確かにトリックは、今読むと小粒。しかし全体の円みが美しく、ささくれたところがない。人間的なマーク・ブレンドンに寄せるピーター・ガンズの目が、意外にも温かく、馬鹿みたいな表現を借りればイギリス田園的である。巧緻な犯人が持つ素晴らしい毒も独白により終に明らかにされる。気の利いた形見も読後の印象を豊かにもし、忘れがたいものである。