■今日買った本。計200円。
a)ブックオフ魚津店にて。
1・斎藤隆介『職人衆昔ばなし』文藝春秋 ¥200
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久々にa)の店舗に行ってみたら、狙っていた大型本が棚に見当たらなくなっていた代わり?に、1という面白そうな本を見つけた。
1:斎藤隆介氏は、私には童話作家とのイメージしかなかったが、雑誌・新聞記者でもあったそうだ。この続編もあるようなので、ぜひ探し出そうと思う。p.203、家具木工の林二郎さんの章で、和田夏十さんの薔薇の一枝のエピソードがある(林さんの夫人に和田夏十さんから薔薇が贈られたときに、枝の棘が丁寧に鋏で摘んであったという)。p.224、ガラス工芸の岩田藤七の紹介文で、与謝野晶子の歌が紹介されている(藤七が墨流しなる玻璃を吹き世の新しくなれる夏かな)。p.226~227、同岩田藤七がギヤマンの魅力にはまり始める頃の語りが大変魅力的。叛骨的と耽美的の人やものが周りに溢れていたと。"田村俊子の旦那の松魚の古道具屋なんかに入りびたって、最後にとうとう「ギヤマンの魅力」に羽交い締めにされたされちまった"らしい。p.311、台湾ホネ屋(籐を組み立てる職人)陳乞朋(タン・キチビュン)は、珍しい仕事として、南極探検の犬ゾリをつくった。二間の長ゾリで、籐は軽くて丈夫だから便利。物を載せるソリを木で作ると、ホゾ(木組のためにつくる突起)でねじれてうまくとないとのこと。p.331、椅子張り職人の藤代重(ふじしろしげ)さんは、椅子の「底張り」の釘打ちでの練習で、"口に含んだ平三分(ひらさんぶ)釘を、うっかりした拍子に呑んじまうこともあります。一ぺん転んで三十本ほど一緒にゴクンとやっちまったことがありました。「呑んじゃいました……」ってったら、「鉄はクスリだ!」って言われてそのまんま--。その日は、「どこかやぶけやしないだろうか」と一日気持が悪かったですが、別に胃袋に穴もあかなかった所をみると、やっぱり無事に出るべき所から出ちまうんですね。"と。本の装丁も粋で、前掛けにでも使われそうな濃紺の布が使われていて、そこに白抜きでタイトル文字。