2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧
【大つごもり・十三夜 他五篇】樋口一葉 岩波文庫 ★★★ 2008.6.20 表題の有名な2篇は、一葉の作品のなかでもどうも言葉遣いが特に難解に感じられ、解説の助けを借りて、内容のおおよそを掴むが精々、堪能できずじまい。しかし、以下の2篇は良かった。 「ゆく…
【東京に暮す 1928―1936】キャサリン・サンソム 大久保美春訳 岩波文庫 ★★★ 2008.5.24 岩波文庫の青もの(背表紙が青のもの)は、何だかこましゃくれた、いやいや、偉大な思想書が多いので、手を付け難いオーラがある(ように私的には思う)が、これは全ての…
【最後の瞬間のすごく大きな変化】グレイス・ペイリー 村上春樹訳 文春文庫 ★★★ 2008.6.16 えらく読むのに苦労した。最近は、短篇集を次々に手に取り、その日その時の気分で適当に読んでいるのだが、その内の一冊であるこの本は、いつ読み始めたかもう忘れた…
【ルピナス探偵団の当惑】津原泰水 創元推理文庫 ★★★ 2008.6.4 学園物(?)の連作的短編ミステリ。何だか久しぶりにスムースな読書を楽しめた。 所々、壺な豆知識が出てきて飽きない。例えば、ペルノー。調べてみると、ハーブリキュールの一種、芳香が強烈…
【パリの酒 モンマルトル】オキ・シロー 扶桑社 ★★★ 2008.5.28 京極夏彦は妖怪小説を書くが、オキ・シローはカクテル小説を書く。最近では、カクテルに限定しないが、やはり酒に関する小説やら何やらを書いているようだ。本屋で、酒の棚を見にいったときに、…
【東西不思議物語】澁澤龍彦 河出文庫 ★★★ 2008.6.5 新聞(の日曜版か)にコラム的に連載していたものらしく、収録全49篇、歯切れ良く読ませてくれる。この河出文庫の澁澤龍彦コレクションの第一冊目としての位置するが、確かに丁度良い。既に先に何冊か読ん…