【アンティゴネー】ソポクレース 呉茂一訳 岩波文庫 ★★★ 2007.2.18
「コロノスのオイディプス」を読んでから読もうと目論んでいたが、いつまでたっても見つけられなかったので、手をつけてしまった。
クレオンの頑なさを揶揄する周囲の言葉が、身に痛い。特にクレオンとハイモンが互いに長広舌を展開して、急転、苛烈な台詞を速射し合う段のあたり(631~766行目)。それに、2400年前の人物の型が、今でも等しく通用することを思わずにはいられない。
遅かりし翻意は、悲劇の常だけれども、現実にはそうでないこともあると信じたい。
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同じ岩波文庫でも、例えば藤沢令夫氏は、ソポクレスと表記している。