yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

月は幽咽のデバイス

【月は幽咽のデバイス The Sound Walks When the Moon Talks】森博嗣 講談社文庫

★★★★ 2005.1.8

 

 順に読んできたことで保呂草のポジションが大分分かってきたので、そういう読者を見越してか、今回は早早にその手の(保呂草絡み)の驚きは自粛或いはセーブした模様。密室トリックは封印再度」のような気密性に関連するものかなと思ったが、外れた。が、丁度2週間程前に読んだメフィスト賞受賞作品と被るトリックだったので、どうもタイミングが微妙だった。両者をノベルスで比較すると、本作の方が5ヶ月後に出ているという事実。何とも。

 離散的な会話が相変わらず壺。

 記述者が保呂草ならば、瀬在丸のモノローグが出てくることに、シリーズ全体としての伏線があるように思えたが、調べてみると祖父江のモノローグもあったので、そこに伏線はないようだ。それと、柵という字を“木册”(←一文字では出てこない)という風に書いていたのが妙に気になった。そう、何らかの意図・意味を見出そうとしている。