【腐蝕の惑星】竹本健治 新潮文庫 ★★★★ 2006.1.7 絶版
改題されて後に出た「腐蝕」を読んでいたので、ほぼ再読に当たる一冊。
カラリスト(色の駆使者)だなあと思う。ある色ない色(造語による色)ぽろぽろ飛び出してくる。“それ以後”は、無機質な世界になるので、色の出番がなくなり残念だった。それにしてもこんなスピード感ある作品だったとはすっかり忘れていた。
再読の効果だろうが、氏の他作品にも出てくるキーワードが目に付く。塔、何者かによる凝視、“闇の中”とは書かずに“闇のなか”と書いてあることなど、知ったふりでにやっとしてしまう。