【人形の家】トーベ・ヤンソン 冨原眞弓訳 筑摩書房 ★★★ 2006.2.19
トーベ・ヤンソン・コレクション5
旅行前に北欧文学でも齧(かじ)ろうと思い、それならばイプセンの「人形の家」から入ろうと思っていたところ、新進古書店にて偶然にも同じ書名でかつ北欧作家の手による本作品を見つけたので、文庫ではないけれど衝動的に買い読んでみた一冊。
寒い風土がそうさせるのか、ムーミンの作者とは思えぬほど(ムーミンもアニメを数話見たくらいしか知らないが)、ピリピリしていて安直な理解を拒む読み触り。そして、不穏な話が多い。
ここにも叙述トリックを用いた一篇があって、フィクション全般で(それを用いるのが)流行っているのかな、と思う。
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今年はイプセン没後百年。