yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計2755円。

 

a)和田岬ヒトハコ古本市にて。→初開催、初会場入り。

1・カマル=シャハ・話、金田卓也・文、金田常代・絵『ドゥルガのちかい ベンガルの少女のはなし』偕成社 ¥100 おはなしワールド

2・安部公房『箱男』新潮文庫 ¥100 古書八百年

3・河野進『萬華鏡』聖恵授産所出版部 ¥150 古書八百年

4・片山健・作/絵『もりのおばけ』福音館書店 ¥150 古書八百年

5・今森光彦・文/写真『好奇心の部屋デロール』福音館書店 ¥300 Bibli

6・島尾ミホ『海辺の生と死』中公文庫 ¥200 Bibli

7・ぽんつく文庫『無職未満2 組織不適合』ぽんつく堂 ¥150 pontsuku

8・高野文子/大竹昭子『大竹昭子のカタリココ 一号 高野文子 「私」のバラけ方』カタリココ ¥700 pontsuku

9・宮脇俊三『時刻表2万キロ』河出書房新社 ¥300 ぶらんこ文庫

 

b)古本市場名谷店にて。→初入店。

10~12・田岡りき『吾輩の部屋である 2~4』小学館 各¥88

 

c)ブックオフ徳島川内店にて。

13・サラ・ロンドン・文、アン・アーノルド・絵、江國香織訳『しょうぼう馬のマックス』岩波書店 ¥70

14・大島千春『いぶり暮らし 2』徳間書店 ¥67

15・城アラキ・原作、加治佐修・漫画『バーテンダー à Tokyo 7』集英社 ¥67

16・おおひなたごう『目玉焼きの黄身いつつぶす? 4』エンターブレイン ¥67

17・手塚治虫『サスピション』講談社 ¥70

 

***

 

 初開催のa)へ。前日に京都で遊んで、大阪は守口市のドライなゲストハウスに泊まっていた。同行者らとは、この日に分かれて、久しぶりの単独行動。宿から自家用車でa)会場に向かうのだが、なんとa)の会場近辺ではこの日神戸マラソンの開催日と日程が重なっていて、確か7:00から道路封鎖が始まるということで、びっくりするくらい早朝に宿を出立。無事会場近辺のコインパーキングに車を止めると、やることもないので会場の下見に行くと、パン屋の前で知り合いの出店者さんに遭遇。そのパン屋が有名で、開店時を狙って並んでいたらしい。パンを買って食べてみると、むちゃくちゃおいしくて、これまでに食べたパンのなかでも1、2を争うようなおいしさ、食べ始めると、途中でやめることができないことがあるんだな、と驚くようなおいしさだった。イベント開始まで、3時間くらいぶらぶらしていただろうか、それからじっくり会場と和田岬ウォーキングを楽しみ(「北の椅子と」という北欧アンティーク家具屋兼カフェも面白い店だった)、笠松湯で汗を流して、15:00頃ようやく会場を離脱。帰路に何となく寄れそうな位置にあったb)に寄って、それから、駄目押しのc)にも寄った。単独行動だと無理が利く。

 1:探していた本。カバー袖を読むと、絵を描いた金田常代氏の遺作に相当する作品のようだ。卓也氏は彼女の長男。アショルというホームパーティが好きな少女。そこで歌うことが好きな少女は、おじいちゃんに歌の練習を続けるよう説かれる。歌は神様の世界への秘密に通じているということ。あとがきに、そのことを一言で言い表し得たようなタゴールの詩が引用されている。

 2:リンクは改版になっているが、購入したのは改版前のもの。

 3:2019/12/15読了。ハンセン病療養所の慰問などを長く続けた牧師さんによる詩集。今調べてみると、ちょっと気になっている賀川豊彦にそのような慰問を勧められて始めたそうで、ますます賀川豊彦について興味が湧いてきた。さて、詩の方だが、平易な言葉で綴られていて、詩の初心者の心にもしっかり届くような詩だった。クリスチャンらしい詩もある。「偽善者」「転落」を読むと、イエスは観音様に通じるような存在なのだなと思う。「古本」という詩もあって、古本市で買った数冊の本のうちの一冊を置き忘れてきて、後日それを無事受け取ることができた安堵を綴ったもの。古本好きだけに共感至極。「装幀」という詩で知ることができるが、味わい深い装幀の外村吉之介氏は倉敷民芸館長をしていたかた(甥に塚本邦雄がいることはあとで調べて知った)。愛については、「かくれる」という詩のさまざまな人の目にかくれた善きものの羅列や、「だから」の"愛はじぶんの/施しをおぼえない/だからみんなを喜ばす"、などが胸を掴まれるようにぐっときた。「思い出話」での、著者の子どものころに父がもらいものをすぐによそ様にやってしまい、それを当たり前のように思っていたというのが、ある家庭の一風景として素晴らしいなと思った。少しでも真似たい気もするが、既にもう手放さないところをたくさん見せてしまっているのが、反省させられる。「もらう」は、もらった側が横柄になっていく恐ろしさがクレッシェンドに迫ってきて本当に恐ろしい詩。

 4:片山健が29歳の時に出たモノクロの作品。扉をめくったページから既に、なんだか怖そうな感じがひしひしと伝わってくる。背を向けて座っている新聞を読んでいる人なんて、災いを象徴しているような感じもある。子どもに見せたら、かなり怖がって読み通すことができなくなりそうだ。木肌の模様など、いかにも怪しげに描かれて、何か隠し画がありそうだなとじっと画面に見入ってしまう。

 5:ウンダーカンマーの話かと思ったら、デロールというパリに実在の理科教材を売る店についての本だった。とはいえ機会があれば一度は訪れてみたい驚異に満ちたお店のようだ。

 6:

 7:よく読むと前職が判るような。私も団体行動がほとんどの場合楽しくないので嫌い。だから結構共感できるところがある。独立して商売でもしたいとも思うが、性格的に利益にならないことに体力や思考力、時間を注いでしまいそうで、立ち行かなくなりそうだから、今も勤め人でいる。

 8:文庫サイズの対談本。p.27の絵を描くことにおける重力の働きや、p.31の絵を描くことの危なさ(描く自分に対してそれを見る他者に対しても)、が特に興味深い点。

 9:

 10~12:収集中の漫画。間違って既に所有している第2巻を重複して買ってしまった。第4巻で引っ越したので驚いた。

 13:蒸気機関なり燃料を使って動く消防車が導入される以前、消防車は消防馬が引いていた。同時期に、雑貨屋も馬に荷車を引かせて、街々なり家々を巡って行商していた。そんな昔の風俗を知れたのが良かった。現代の作家が、こういう風に昔を舞台に物語を紡いでくれると、時代物にあまり触れない子供たちにも、逆に新鮮な知識を与えられて良いと思う。雑貨屋の雑貨の中に、「茶」と書かれた茶缶を見つけた。サラ・ロンドンさんは、サン・フランシスコ出身。

 14:収集する気も特になかったが、未所有の続巻を見つけてしまったので購入。良い話、優等生的な話が多いので、穏やかに読める。

 15: 収集中の漫画。

 16:

 17:手塚治虫漫画全集のもので、あまり見ないタイトルのように思って購入。サスピション(suspicion)は、疑い・疑念のこと。表題は読み切りのシリーズ作品で、3話まであるが、どれも冷え冷えとした話。私はこういう短篇が結構好きなので、もっと描き紡いで欲しかった。同収録の「インセクター」というシリーズもたった2話で終わるが、珍しい昆虫のハンターの主人公を配した探偵もの風で、なかなか面白い。面白いなあと思うシリーズがすぐ途切れてしまうのは残念だ。「山の彼方の空紅く」は山が動く話。大山鳴動という四字熟語を思い出した。