yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計19190円。

 

a)コトノハブックスにて。→10%OFFセールをやっていた。初利用。オンライン古書店

1・ベッキー・ライアー・作、光吉郁子訳、ルース・ガネット・絵『わたしのおかあさんは世界一びじん』大日本図書 ¥210

2・マージョリー=ワインマン=シャーマット・作、リゼル=ウェイル・画、生田信夫訳『ゆかいな三人組たんてい団』学習研究社 ¥350

3・トミー・デ・パオラ・再話/絵、晴海耕平訳『ノックメニーの丘の巨人とおかみさん』童話館出版 ¥200

4・島村福太郎・監修、鈴木三枝子・文、北田卓史・絵『幼児の科学4 たいようとうちゅうのほし』童心社 ¥1000

5・エーリヒ・ケストナー・文、ワルター・トリヤー・絵、光吉夏弥訳『どうぶつ会議』岩波書店 ¥350

6・E.M.プレストン・文、バーバラ・クーニー・絵、岸田衿子訳『おつきさんどうしたの』岩波書店 ¥400

7・サムイル・マルシャーク、レーベデフ・絵、内田莉莎子訳『こねこのおひげちゃん』岩波書店 ¥500

8・ソーントン・バージェス・作、前田三恵子訳、富永秀夫・絵『ふくろねずみのビリーおじさん』金の星社 ¥600

9・三田村信行・作、佐々木マキ・絵『もりのみっつのたんじょうび』教育画劇 ¥650

10・アンデルセン・原作、武井直紀訳、佐々木マキ・絵『火うち石でおまたせワン!』三起商行ミキハウス ¥450

11・三輪映子・絵『にほんのわらべうた2 あがりめさがりめ』福武書店 ¥600

12・ミーシャ・ダミヤン・文、ドゥシャン・カーライ・絵、矢川澄子訳『12月くんの友だちめぐり』西村書店 ¥600

13・上沢謙二・再話、荻太郎・画『こびとのおくりもの』福音館書店 ¥600

14・山下明生・作、太田大八・画『屋根うらべやにきた魚』岩波書店 ¥800

15・東君平・作、西巻茅子・絵『ぼくのだいじなももたろう』あかね書房 ¥800

16・ヴィクター・アンブラス・作/絵、かたおかひかる訳『バイオリンひきのミーシカ』らくだ出版 ¥1200

17・グリム童話、フェリクス・ホフマン・画、酒寄進一訳『くまおとこ グリムどうわより』福武書店 ¥1800

18・奥田継夫・作、太田大八・絵『三角の部屋』ほるぷ出版 ¥800

19・市川里美・作、矢川澄子訳『シュゼットとニコラ2 おつかいに』冨山房 ¥800

20・岸田衿子・文、中谷千代子・絵『ノアおじさんのはこぶね 聖書物語』岩崎書店 ¥800

21・マックス・ボリガー・文、チェレスティーノ・ピアッティ・絵、いずみちほこ訳『金のりんご』徳間書店 ¥800

22・リセロッテ・セルピーターセン・作、木村由利子訳『どこかちがうマリア』偕成社 ¥500

23・ひさうちみちお『オーロラ 森の奥の永い睦言』ブロンズ社 ¥1200

24・イルズ=マーグレット・ボーゲル・作/絵、掛川恭子訳『おばあちゃんがいるから』岩波書店 ¥1000

25・柴田晋吾・作、太田大八・絵『おとうさんとゆきぐにへいったんだよ』偕成社 ¥800

 

b)某所にて。

26・都筑道夫『都筑道夫ひとり雑誌 第2号 掘出珍品大特集』角川文庫 ¥0

 

c)why?にて。

27・ガブリエル・ガルシア=マルケス、木村榮一訳『コレラの時代の愛』新潮社 ¥0

 

d)ブックオフonlineにて。

28・ジャネット&アラン・アルバーグ・作、佐野洋子訳『どろぼうたちに気をつけろ』文化出版局 ¥550

29・クラウディオ・アバド、パオロ・カルドニ・絵、石井勇/末松多壽子訳『アバドのたのしい音楽会』評論社 ¥800

30・ロバート・ルイス・スティーヴンソン・原詩、和田誠訳/絵『旅』ほるぷ出版 ¥650

 

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 オンライン古書店のa)で10周年記念セールをやっていたのをたまたま発見した。驚いたことに、欲しかった本がたくさん登録されているので、手元のリストを総動員してあれこれ調べながらまとめ買い。商品の割引額が送料を上回ったところで手を打った(購入手続きに進んだ)。この記事の投稿日付にa)の本が届いた。b),c)は近所にあり合法的にタダで本が手に入る場所。c)では、映画DVDも3タイトルほど頂戴した。d)は、8/14に届いたもの。

 1:ウクライナの話。「ゆかいなゆかいなおはなし」シリーズのうちの1冊。新装版も出ているが、今回入手は1996年10月20日第6刷発行のもの。ウクライナの有名な諺「きれいだから、すきなのじゃない。すきだからこそ、きれいにみえるのだ!」を物語にしたもの。ワーニャが迷子になって、周りの大人がお母さんはどんな人かねと尋ねたところ、タイトルのように世界一の美人だと答える。美人のお母さんを集めても、ワーニャのお母さんは見つからず、美人でないお母さんが現れ、それがワーニャのお母さん、というわけ。物語の前半は、ワーニャがどれほどお母さんを好きでいるかの様子があれこれ語られる。この前半あっての、後半の諺だ。

 2:

 3:アイルランドの昔話で、巨人譚。フィン・マクールという気立の良い男の巨人が、暴れん坊でそれこそ巨大なククーリンという巨人に目をつけらている。ククーリンとの衝突を避け続けるフィンだが、ついに逃げられないところまできてしまったところで、おかみさんのウーナの賢い作戦によって、ククーリンを撃退する。その作戦とは、フィンを赤ん坊に扮装させて、隙をついてククーリンの弱点を突くというもの。巨人が赤ん坊に扮している絵が滑稽で、読み聞かせしていて大笑い。デ・パオラの絵は、ほのぼのしていて、いつ触れても愉快な気持ちになる。

 4:

 5:岩波の子どもの本。

 6:がちょうの子どもたちの中の「悪い子」が主人公なのだが、良い子向けな物語になっていて、あまり面白く感じられなかった。「オオカミが来たぞ」みたいな嘘つき(本作では意図的でない嘘になっている点が異なるが)の繰り返しなのだが、きつねに襲われたときにこの嘘が助けになる。この嘘がついに意図的な嘘として口にしたものか、それともそれまで通り無邪気な非意図的な嘘なのか、そこが判らない。後者なら、「悪い子」はそう遠くない未来に殺されただろう。

 7:

 8:バージェス・アニマルブックス全10巻の第3巻。全巻集めているわけではなくて、富永秀夫・絵だから探していた巻。

 9:

 10:鳴らすとどこからか駆けつけてくる犬の家来を呼ぶ火打ち石を主人公の男が入手するまでの前半と、その犬を遣って、お城のお姫様を連れ出してしまいには結婚する後半とに分かれる。お城のお姫様を連れ出したときに、召使が犬を追って男の家を突き止めて玄関のドアにバツ印を付けるのは、先日読んだ馬場のぼるの『アラジンと40人の盗賊』に出てきたのを全く同じやりかた(で、さらにそれを無効化する方法も同じやり方)で、原作者のアンデルセンは、アラビアンナイトからお話を借りてきたのかな。その次の、粉袋からこぼれる粉を追って男の家を突き止める方法は、話が長くなるからか、またアラビアンナイトと同じ方法で無効化することをしていない。主人公の男は結構ずうずうしいやり方で、王位に就くので、話としては面白いが全体に教訓的なものは感じさせない童話である。

 11:全4冊のシリーズのうちの2巻目。表紙の版画絵から一目惚れして探していた本。あがりめさがりめねーこのめ、というわらべうた。自分が小さい時に聞いたり文字で見たりした記憶がないのだけど、何となく読めば、読むリズムがつかめてしまうところが、伝承され今に残ってきたわらべうたの精鋭の一つだからなんだろうな。子どもと読みながら、絵と同じようにして目尻をぐりぐり動かして遊んだら楽しい。

 12:新装版。絵を描いた方は、BIB(ブラチスラヴァ国際絵本原画展)の金のりんご賞やBIBグランプリを受賞しているのだが、スロヴァキアのブラチスラヴァ生まれというから驚いた。物語はマルシャークの『森は生きている』と同じもので、年がら年中旅して回っている大風の違う月の話を聞いた12月が、自分の仕事に虚しさを感じたところに、他の月に会いにいくよう勧められて、そのように1年を旅し、また新たな気持ちで12月の仕事に精を出しなおすという筋。どの絵も幻想的で、淡いけれどもカラフルで繊細な石膏のような質感の冷たいような美しさがある。植物、動物や鳥、昆虫、人物、暗号のように散りばめられている小物、一つ一つも美しいがそれらの事物や様々な輪郭線の絡まり合ったぱっと見たときのバランスも類を見ないような印象を受ける。ところどころに点々の柄があって(衣服の模様などにやや多く見られる)、これが生理的に気持ち悪さを感じさせつつも、料理でいう苦味のようなスパイスの刺激というか、絵を見るという体験の中に効いているなあと思う。12月の頭の上に鳥の巣箱が乗っているのが、ベッドの上では帽子を脱ぐように、それはのけられていて、このことに気づくと、他のページの人物の頭の上に注目するようになってしまったのも読んでいて面白かった。

 13:復刻版でも所有していたような気がするが、調べてみたら気のせいだった。"再話"なので、元はどこの国のお話なのか知りたいところ。身寄りのない女の子ヒルダが、ある一家で一緒に暮らすことになる。クリスマスの日、ヒルダが、森でストーブにくべる松かさを拾っているのを見かけたこびとが、銀の松かさをプレゼントしてくれる。それを持って帰ってきて一家のお父さんに報告したあと、ヒルダと一家の子ども達は、村中の家にそれを配って歩く。一家のお父さんの慈善の態度が素晴らしく、この家庭ならば、貧しくとも子どもたちは素直にすくすくと育つだろうな。松かさを燃料にするにしても、すぐ燃え尽きてしまいそうで、相当量を確保しなければ足しにならないだろうなとも思う。

 14:岩波ようねんぶんこ27。新装版も出ているが、今回入手は1981年10月23日第1刷発行のもの。

 15:

 16:

 17:ホフマン遺作で下絵状態の絵で出版された作品。

 18:

 19:

 20:解説(「ノアの箱舟について」堀尾青史)の紙付きというのが嬉しい。ノアは洪水の来る前は、599歳で、洪水を起こす大雨が降り始めたあたりで、600歳になったという。解説を読むと、さらに洪水が引いて顔を出した地上に足を下ろしたときは601歳、そして享年は900歳だったという。この作品では、ノアの行為を馬鹿にしたり、取りすがったりする他の人間は登場せず、比較的あっさり不要な人間たちが一掃されてしまう印象。

 21:

 22:耳の聞こえない女の子マリアについての絵本。両親にしても耳が聞こえないと判るまでが大変で、誤解のせいで知らずマリアをたくさん傷つけてしまう。そういうことを減らすには、やはりこういう絵本を読むなど、教養的に事例をどれだけ情報として触れておけるかということが重要だろう。

 23:

 24:岩波ようねんぶんこ17。ビニカバ付。新装版も出ているが、今回入手は1980年6月17日第1刷発行のもの。

 25:雪国に位置する(おそらくおとうさんの実家である)おじいちゃんとおばあちゃんのうちに、孫であるマキとそのお父さんで向かう話。電車で向かうところから、おじいちゃんとおばあちゃんのうちの最寄駅からおじいちゃんちまでの車に乗るところなど、アクセスの描写が丁寧。雪を期待して行ったのに、まず降雪のない日に到着したことにして、おじいちゃんとおばあちゃんのうちの田舎風情をしっかり紹介するために、いろりや土間、障子への手影絵のシーンを入れている。それから、翌朝になって、家の外を大雪に覆わせて、読み手の心を雪国のなかに思い切り放り込んでくれる。"雪国"に没入するまで、じわじわと実に丁寧にシーンを運んでいく手際がすごく良い。帰りは、それまでの会話に出てきた、昔使っていたという馬車で最寄駅まで行き、別れの後の奥付のある文字なしの最後の絵で、息子と孫のいなくなって少々寂しそうなおじいさんとおばあさんが乗るソリの背中を描く。この最後の絵は、大人には見逃せない余韻をもたらしてくれる。

 26:我孫子武丸の一人雑誌のもとネタはこれか。カバー袖を見ると少なくとも第3号まで出ている(さらにwebで調べると全4冊あるようだ)。状態悪だが、掘り出し物。2024/3/E売却済。

 27:新型コロナ時代なので、前所有者が手に取られたのであろう。まだ文庫化はされてないようだ。

 28:舞台はロンドン。どろぼう6人組と警察(といってもパフという凄腕の警官一人が一味をやっつける)のどたばた活劇。漫画風の画面に、細かい字で看板やら紙切れやらにあれこれ書いてあって、どこも読み逃さないように読まないと気が済まない自分は、こういうのが好きである。"けいさつ署長さん"がさけぶページで、ページを開いたままの絵本が置いてある絵があるけれど、これなんかもおそらく実在の絵本ではないかと睨んでいるが(それこそアラン&ジャネット・アルバーグ夫妻の作品ではないかなあ)。"どうろちず"に書いてある盗まれたクリスマスプレゼントのあれこれも、その次のページに見られるものもあって、そんな前後のページの照らし合わせをしてみたりして、長い時間遊べる。

 29:タンタンみたいな絵で気になっていた本。

 30:「イメージの森」シリーズのうちの1冊。『宝島』で有名なスティーヴンソンの詩を、和田誠さんが韻を踏みながらの日本語に訳している。もちろん原詩も韻を踏んだつくりになっていて、その原詩も同時に掲載してあるので、日英の言葉を読み比べして、訳語の選び方をじっくり確認する楽しみもある。使われている色は、緑、黄色、水色、ピンク、こげ茶色、といったところか。色を付けていない余白も多い。見るべきところに色が置いてあるので、見開きごとに、ぱっ、ぱっ、とどんな場面かが目に飛び込んで即座に理解できる。