yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

聊斎志異(上)

聊斎志異(上)】蒲松齢 立間祥介編訳 岩波文庫 ★★★ 2006.3.20

 

 怪異譚の中国古典。最近読んだ「十三妹」が、偶然にも科挙の話などで、予備知識を与えてくれていた。が、それにしても、科挙絡みの話が多い。これは、あまりの試験の厳しさに、人々の意思が、そこで屈折したり混濁したりしてよっぽどの妄執に変わったりと、とにかく突き抜けた人間性のドラマの種になるからだろうか。

 全体としては、残念ながらあまり記憶に残りそうな話は見つからず。

 無常(あるいは走無常・死無常)というのが、この世とあの世の連絡役(p.285)、を指すことを知る(万物流転的な意味以外の無常があるのか、へえ、という話)。