yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計1530円。

 

a)suruga屋にて。

1・真崎・守『ジロがゆく 1 シリーズ現代まんがの挑戦1』三崎書房 ¥200

2・真崎・守『ジロがゆく 2 シリーズ現代まんがの挑戦2』三崎書房  ¥300

3・やまだ紫『はなびらながれ』青林堂 ¥650

4・ウィリアム・ベックフォード、川崎竹一訳『呪の王 バテク王物語』角川文庫 ¥380

 

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 先日a)に注文していた本が本日届いた。

 1,2:第2回講談社出版文化賞(まんが部門)受賞作。このシリーズ《現代まんがの挑戦》の作品はもれなく読んでみたく思っている。読了。これまで断片的で混沌とした真崎・守作品ばかり読んできたので、この作品の真っ直ぐさにまず意外な感じがしたが、そんな第一印象も物語にすぐに深々と引き込まれることで忘れてしまい、夢中で一気読みした。二点思うところがあって、一点目は、ジロが田舎への転校生であるところ。どうしても田舎に移住してきた近年の自分の境遇に重ねて読むことになり、今時の考え方ややり方が通じない田舎ならではの、土着の論理の横行、それに対するもどかしさについて、実感を持って共感できた。特に第一部第二章の「こがらしのころ」。もう一点は、中学生の話で、性についての、興味と恐れが綯い交ぜになったような青春時代を実によく捉えているなという点。絵本と大人向け小説の中間の文学(児童書)が日本であまり育たなかったとか流行らなかった、というような言われ方をしていることを数年前に知ったのだが、こういう漫画作品には、中高生に突き刺さるような(と私は思うのだが)見事な実作に触れて驚いた次第。この世界、このような世界を小説で表現できた邦作はどれほどあるのだろうか。あと覚書として、1巻のp.160にジロが、「やめた」の意味で、「やんぺっ」と言っている。自分も小さい時にそんな言葉を使っていたような気がしてとても懐かしかった。

 3:やまだ紫の未読単行本。猫漫画?が4篇、その他女性が主人公の漫画が8篇。巻末に「幸福の不幸」という題の日記のようなエッセイのような2pの文章あり。猫漫画?の「エルビスのカタストロフィー」が笑い話のように思わせておいて残酷な話で、心に突き刺さった。良かれと思って相手にしたことで、その相手を取り返しのつかない状態に追いやってしまう。そういうことが起きうるという恐ろしさ。

 4:既所有の文庫本だが安かったので買ってしまった。行商用かと思ったが、こっちの個体の方が状態が良かったので、こちらを2023/2/12に読了。人を睨むだけで失神させるような恐ろしいバテク王だが、途中小人の娘ヌーロニハルにうつつを抜かし、その間の話が長い長い。もっと何だか神をも恐れぬ悪事やらを読めるものと思われたが、ちょっと見当違いだった。しかし、私には感じ取れなかったが、マホメットの教えに背く行為など、イスラム教徒にはぞっとする描写がたくさんあったのかも。200年以上も前に書かれた小説。著者は金持ちの家に生まれ、建築狂でもあったらしい。自分が建てた城には大きな塔もあって、バテク王やカラチ王母が籠った塔は、こんな感じだったのかなという写真が、Twitterに落ちていた。訳者違いで4つほど出版されているようだから、違う本にそのような著者略歴のもう少し詳しい情報やらがあるのかもしれない。