【ワーニャおじさん】チェーホフ 小野理子訳 岩波文庫 ★★★ 2005.9.27
こういう本は、（本の厚みが）薄いから、それに元々安いけれど新進古書店で100円か150円くらいで更に安くあったのを偶々見つけて、それも状態も良いものだったから買うわけで、タイトルや作者に対するこだわりはそれこそ薄い。
これもまた生活を考えさせる作品だった。平凡な生活、なにもの（者／物）かの所為で失敗したのではないかと思われる中年以降の生活。時にそれを喚き散らしたくなることもあるだろうが、やっぱり死ぬまで生きるしかない。このような決意を、いつか連続的な決意となせれば……。若いソーニャの口から諭されて、ワーニャおじさんは聞く耳を持つだろうか。
他作家作品の引用や借用がところどころ散りばめられているのは、既読のチェーホフ作品にはなかった特徴かも知れない。作家の生没年一覧表があると良いなと思う。作ってみるか……。
