yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

今日買った本

■今日買った本。計7090円。

 

a)TSUTAYA BOOK GARAGE福岡志免店にて。

1・エリザベス・ローズ・文、ジェラルド・ローズ・絵、伏見操訳『おおきなかしの木』岩波書店 ¥220

2・ナディーヌ・ブルン-コスム・作、ヤン・ナッシンベンネ・絵、河野万里子訳『窓辺の鳩』太平社 ¥110

3・Ibi Lepscky、Illustrazioni di Paolo Cardoni『Albert』Emme Edizioni ¥110

4・リンカーン・述、ゲリー・ウィルズ・序、マイケル・マカーディ・絵、長田弘訳『リンカーン ゲティスバーグ演説』みすず書房 ¥440

5・鈴木のりたけ『大ピンチずかん 2』小学館 ¥1650

6・ヤーノシュ、矢川澄子訳『ゆきだるまのおきゃくさま』偕成社 ¥440

7・ディミター・インキオフ・文、イワン・ガンチェフ・絵、佐々木田鶴子訳『おかのうえのおおきな木』DEMPA/ペンタン ¥488

8・手島圭三郎・作/絵『らっこのうみ』リブリオ出版 ¥440

9・ガース・ウイリアムズ、こだまともこ訳『ベンジャミンのたからもの』あすなろ書房 ¥440

10・水上悦乃・染、宮地敏子・詩『はなともだち』かど創房 ¥110

11・アンソニー・ブラウン・作、久山太市訳『こうえんで…4つのお話』評論社 ¥330

12・稲見辰夫・作、勝又進・絵『きかいのなかみ』福音館書店 ¥330

13・ディーター・シューベルト・作、田村隆一訳『カラスのジャック』ほるぷ出版 ¥110

14・ナセル・ケミル・文、エムル・オルン・絵、カンゾウ・シマダ訳『歌う悪霊』小峰書店 ¥220

15・クレア・ターレー・ニューベリー・作、劉優貴子訳『こねこのミトン』講談社 ¥220

16・リー・キングマン・文、バーバラ・クーニー・絵、三木卓訳『ピーターのとおいみち』講談社 ¥220

17・アストリッド・リンドグレーン・作、マーリット・テーンクヴィスト・絵、今井冬美訳『こうしはそりにのって』金の星社 ¥220

18・トミー・デ・パオラ・作、ゆあさふみえ訳『まほうのレッスン』偕成社 ¥220

19・マイケル・グレイニエツ・絵と文、いずみちほこ訳『お月さまってどんなあじ?』セーラー出版 ¥110

20・小川陽・作/絵『かえりみち あねさんろっかくたこにしき』ポプラ社 ¥220

21・パオロ・グアルニエーリ・文、ビンバ・ランドマン・絵、せきぐちともこ訳『ジョットという名の少年 羊がかなえてくれた夢』西村書店 ¥440

 

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 例年のようにa)中古本20%OFFセールをやっているかなあと思いながら、元旦の朝刊の入り込みチラシを確認したが、チラシがない。前日電話で問い合わせても、セールは未定だという回答だった。それでも、どうだろういざ行ってみたらセールやっているのではないかと、判断に都合の良いバイアスがかかって、とりあえず開店時刻に合わせてa)へ。結果、セールはやっていなかった。折りからの物価高騰による影響だろうか。残念ではあるが、せっかく来店したので、絵本と自動書棚だけチェックした。

 1:7と同じく、大きな木のお話だが、7と異なるのは、このかしの木は人間との関わりが深くあるという点。大きくなるまでの話も、他に木もたくさんある森の中で何年も何年も時間をかけて大きくなるから、寂しさは感じていない。大きくなって、人間が周りの森の木を木造船のために伐採したりなんかして、遂にこの大きなかしの木が一本だけになる(そうなるとかしの木は寂しいことだろうな)。しかし、関わる人間はたくさんいて、だからこのかしの木は大事にされるのだけど、ある日雷が落ちて、焼けてしまい、根元付近から切られてしまう。お終いに、このかしの木のどんぐりが、一匹のリスに運ばれていくシーンで、また何百年というサイクルの繰り返しが予感される。7より、木の(というよりいのちの)永遠性を感じさせるところが、良いなと思う。

 2:原題は『Les pigeons』。ル・アーブルの街は、パリの北西、セーヌ側の河口、北岸に位置する。船が去ったり戻ってきたり、海鳥もそうだろうか。鳩も去ったり戻ってきたり。いなくなった父や、自分たちの、来し方行く末を思う揺れる心を、そういうものに重ねて、美しく整っていながらどこか寂しいような絵柄で描く。上品さを感じる作品。あんなに見た目の異なる鳩が一塊になっていること、日本では見ることはあるそうあるだろうか。

 3:

 4:詩人が贈る絵本シリーズ2のうちの1冊。「人民の、人民による、人民のための政治」という風にかつて私がどこかで聞いて覚えた言葉が入っている演説の全体を収録して、絵本にしたもの。白と黒の版画の世界。本書では、「人びとを、人びとが、人びとのために(オブザピープル、バイザピープル、フォアザピープル)、自ら律する国のあり方を、この地上から消滅させないように。」と訳している。そもそも、南北戦争はどういう戦争だったのか、私はそこが掴めていない。リンカーン北軍に属するようだ。南軍はどちらかというとブルジョワジーというか既得権益者からなる軍ということだろうか。ちょっとだけ調べてみると、南軍は奴隷制度存続を願う側であり、やはり既得権益者が、その立場の崩壊・瓦解を回避したく、奴隷解放の立場の北軍と起こした戦争ということだった。

 5:同行者が選んだもの。最初、このシリーズの1作目の中古本を見つけ、それが税込定価1650円に対し、中古価格が1320円だったので、これは買ってあげる気がしないなと思っていた。そこで新刊絵本コーナーを覗いてみると、同シリーズの2作目が出たばかり、しかも今買えば、出版されたばかりということで、おまけのお面が付いてくる、ということで、この本を買った次第。

 6:駅前につくられたユキダルマのウィリー。年末に、あるお宅の子どもの誕生日会に招待される。おそくまで、暖かい部屋で過ごしていて、朝になったら溶けて姿が見えなくなるまでの話。ユキダルマは会話ができるし、歩くこともできて、その不思議さには誰も突っ込まないところがファンタジー。角丸の四角い枠の中に絵が描いてあって、絵の具もベタベタと素朴でいて、カラフルで優しく、寒い季節の話だけどほんわか毛糸に包まれたような温かさがある。ところどころの細筆を使ってか壁紙やおじいさんの髭やら細かい描写も。2024.3.30売却済。

 7:発行元は上記だが、発売元は電波新聞社。大器晩成、といった内容。丘の上に、一本だけ生えてきた木(木の種類は不明)が、向こうに見える森の木たちを羨ましく思いつつも、そこで育つしかないというので、一本きりでどんどん大きくなり、大きな木になる。そうすると、鳥たちが来たり、獣たちが根っこの近くの地面で過ごしたりと、仲間たちができて、もう寂しくもなくなっていく。雪に覆われた葉っぱの陰には、冬を越すスズメたちがみんなで春まで囀りを聞かせてくれる。

 8: 全6巻の北に生きるかしこい動物たちシリーズの第6巻。シリーズ本として入手済などをざっくりリスト化してみたが、手島圭三郎の絵本作品はもう30作近くありそうだ。らっこは、猫みたいににゃーにゃー鳴くらしい。らっこのお母さんがシャチに襲われていなくなってしまうが、近所の別の子のお母さんが、そのいなくなってしまったお母さんの子どもも一緒に育てていく。群れの中で、お母さんが入れ替わり可能というのは、厳しい自然界における生き物が獲得した知恵なのだろう。かしこい動物たちのシリーズ名の、"かしこい"は、本作の場合、そこに照射されているのかな。

 9:

 10:既所有だった。行商用とする。

 11:

 12:

 13:これまでに作者の作品を何か読んだことがあったかなと思って、調べてみたら『みんなちきゅうのなかまたち』を夫婦の作品として出していた作家だった。カラスの男の子ジャックは、ジョンという人間の男の子が住む家のそばの木の上の巣に暮らしている。おもちゃやらで遊ぶジョンをよく見ていたジャックは、夢の中で、人間の男の子のように遊ぶ。カラスの体格で人間風の生活や遊びをする絵の無理矢理感が、見ていてとても面白い。

 14:

 15:

 16:この本はできたら旧版が欲しいなと思っていたのが、今回入手は新版で背上部青色で世界の絵本と書いてあるもの。友だちが欲しい4歳のピーターは、母親の「ねがいごとはじぶんでかなえるのよ。」という言葉に背中を押されて、村の学校まで歩いて行き友だちを見つけようとする。村の学校に着くもタイミングは悪くて願いはその場で叶わないが、家に帰り着いたピーターは、いつも世話をしていた家畜たちや行き帰りの道中で会った動物たちが、実はいつも遊んでくれていた友だちだということに気付く。母親の後押しの一言が、ピーターをずっと大きくさせたのだけど、この母親はそれを知ってか知らずかの態度で、遠い道から帰ってきたピーターを普段通りの感じで迎え入れるところが憎らしい。

 17:貧しいヨハンのお家のたった一頭だけの牝の牛が、不慮の事故で亡くなり、一家は両親ともども途方に暮れているところへ、近所の大家のベックフルトさんが、いつものように街で大いに呑んだあとで、買っておいた牝の仔牛を馬橇に乗せて連れて帰る途中で、妙な鳴き声がするからと仔牛を雪道に放り出してしまう。それをたまたま見つけたヨハンが、家に連れて帰るのだが、ヨハンの両親は大方ベックフルトさんの仔牛だなと予想しており、案の定そうであった。ベックフルトさんに掛け合って(ベックフルトさんは本人なりに呑んだくれての失敗を町の人に知られたくないのだ)、その一頭をこっそり譲り受けるまでのお話。呑んだくれだけど、恥を知り、頑ななケチではなく、子どもに優しいベックフルトさんの人柄が良いなと思う。"手おしぞり"という道具が出てくるが、絵があるので分かりやすい。ケンケン自転車みたいに、片足だけ乗せてけんけんして進む雪ぞりの絵があり、正面には荷物載せ台もある。そりの板は間隔は狭目に平行に2枚あるので、下り坂では、両足を乗せて滑り降りることもできそう。訳者あとがきをみると、邦訳版出版当時90歳くらいのリンドグレーンのことで、"家畜を工場のような畜舎にとじこめて育てる飼育システムに反対する運動に関わ"っているのだそう。ヨハンの家の、牛の扱いは、まあたかだか一頭だけということもあって、のびのび育てているようだし、そういう作者の背景が、作品に反映されているようだ。

 18:まほうつかいのノーナさまシリーズの第2巻。

 19:hontoを見ると、1995年9月1日にらんか社から出ているのだが、今回入手は1995年9月9日第1刷発行、2007年6月30日第28刷発行のセーラー出版のもの。

 20:まるたけえびすにおしおいけ、あねさんろっかくたこにしき、しあやぶったかまつまんごじょう。丸太町、竹屋町、夷川、二条、押小路、御池、姉小路、三条、六角、蛸薬師、錦小路、四条、綾小路、仏光寺、高辻、松原、万寿寺、五条。京都の東西の通りを、北の方から並べて覚える歌に取材した絵本。バスの代わりに、ちょっとだけ長い散歩して帰る母子。寄り道しながら、通りの入り組んだ感じやら、いろいろな通りの名前に少しずつ触れていく。子どものときから、こういう経験をして、少しずつ通りの名前なりなんなりの知識が身についていくものだよなあと思う。

 21:1260年代に生まれて1337年に(たぶん70歳で)死んだとされる、ルネサンスの出発点に立つフィレンツェ近くのムジェッロで生まれた画家ジョットについての伝記的絵本。ジョットはフレスコ画家なので、この絵本も、そのような画で描かれていて、私にはいかにも西村書店好みな作品だなという感じがする。金色も多用されている。日々羊の番をさせられていたジョットが、あるとき有名な絵描きのチマブーエの聖母子像を見て、その絵を描いたチマブーエに何とか会い、彼から分け与えられた顔料で、本物の羊そっくりの絵を、その絵を見た迷子だった羊が絵のそばに戻ってくるほどの絵を、岩に描いた。これを見たチマブーエが、ジョットを弟子にし、ジョットはその才能を一気に開花させていく。独り立ちし、フレスコ画のための顔料を大きな袋に背負ったジョットの姿が、当時のフレスコ画家たちのスタイル(たぶん絵の注文が入ったところへ向かって行く様を描いたのだろう)なのだなあ。