yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

中国奇談集

【中国奇談集】鈴木了三訳編 現代教養文庫 ★★★★ 2005.5.26 絶版

 

 “奇談”と装丁に惹かれて読んでみた一冊。装丁・挿絵は共に原田維夫(はらだつなお)氏。レトロかつ中国ぽい好雰囲気を演出している。

 中国奇談と言えば、北村薫編「謎のギャラリー こわい部屋」所収の南伸坊による数篇を思い出すのみ。それ故ナンセンスなものを期待していたら、活きの良いケモノや精霊と人間達が織り成す、うるち米原料の菓子のように素朴な味のファンタジィであった。また教訓とまではいかないが、暮らしのコツのようなものが散りばめられている感じがした。

 「雷を斬った男」のシンプルな思考と、「左慈仙人」のひょうきんさとドタバタテンポには笑みを誘われた。

 中には「豚の夜這い」という話も。