【完全犯罪 他8編】小栗虫太郎 春陽文庫 ★★★ 2009.11.7
この本は、就職してすぐ買ったか就職活動中に買った覚えがあるから、3年半は自分の本棚で熟成していたことになる。絶版のようでいて、新刊本屋でも偶にお目にかかれる。
一冊全部小栗虫太郎本、というのの初挑戦だったが、すらすらとは読めず、そして細部への理解はとても及び得ず、よって(?)雰囲気を大いに感じ取ることを大事に読んだ。趣向の凝りに凝った犯罪のオンパレードである。音楽が人を殺す「完全犯罪」、一つの比喩が人を殺す「失楽園殺人事件」。劈頭と掉尾を飾るさすがのこの2編には唸った。
