【ツィス】広瀬正 集英社文庫 ★★★★ 2009.11.19
SFパニック小説といえるが、やっぱり軽快なので、それほどことの重大さを感じない。けれども、配役が、社会的異分子に見られがちな障害者やハーフ、精神病患者などで固められていて、パニック源の現象とは違うところの問題を結構あからさまに描いてあり、面白さ一つで終わらせない。
また、相変わらず当時流行った物事を、そのままの言葉で書き鏤めているので、今を生きる私が読むと、何だこりゃと思う言葉も多い。ただ、ゴキゲンの使い方は、サンプルが多かったので、これでだいぶ分かったように思う。
科学的な記述、技術的な記述に、ところどころ力が入っているところがある。T型フォードが出てきたので、「T型フォード殺人事件」を思った。車も好きで詳しそうだ。もう三冊先。
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「エロス」を読んだら、解説再読のこと。
