yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

熊を放つ (下)

【熊を放つ (下)】ジョン・アーヴィング 村上春樹訳 中公文庫 ★★★ 2006.8.12 処女長編

 

 もう半年も前に読んだのだけれど、感想を書くのをほっぽらかしていた。本書を本棚に仕舞うために無理矢理何か書いておく。

 「納屋を焼く」という村上春樹氏の作品があるが、そのタイトルが――作品中のその行為が、一つの公案となっている点、共通している。それに、アリクイやカンガルーやクモザルの登場を加えて推慮すれば、村上氏の初期作品は(単に私が初期作品しか読んでいないからそう限定している)、アーヴィング作品の影響が大変色濃いことが分かってくる。レイモンド・カーヴァーあたりを更に読み進んでいけば、また同様の感想を持つかもしれない。

 本書の感想。これまで読んだアーヴィング作品中最も読み辛い作品だったのは確かだが、それでもこの著者が次に何を書いてくるのか、一気に化け物のように進化した作品を引っさげてきそうな気配をぐいぐいと送り込んでくる、魅力的な作品であった。

 

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 上巻

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