yh氏の日記

主に買った本を、メモがてら、ずらずら書いていきます。他に言葉集めなど。過去記事鋭意編集作業中。

あるようなないような

【あるようなないような】川上弘美 中公文庫 ★★★★ 2005.11.18 再読

 

 一度読んだ個体をあろうことか失くしてしまったので(全くの失態だ)、100円で見つけてきた当個体を読んで、長らく隙間の出来ていた本棚の指定席に納めることが出来わけだった。本棚には読了した本(個体)しか収納しないという法があるので、再読もした。私は基本的には再読しない性質(たち)である(再読したい以上に、読みたい/読まなければならない未読本が多い、と考えたいところだ)。よって、と言うのか、この再読の感想ならぬ感想を書くのは初めてである。

 どうでも良いが、再び=二度(ふたたび)なんだなあと。今後、三回以上の再読の話なんかを聞くたびに、このこと思い出すことだろう。

 さてところが、内容についての感想もちゃんと書こうと思ったものの、以前書いたものを読んだら何か書ける気がしなくなったので、それを再掲して済ませたい。ただ一つ思ったのは、やはり第一エッセイ集だからか、若い、という感じがする(若輩者が何か言っている)。「ゆっくりさよならをとなえる」の方がより熟練し、のびやかな印象。

 

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【あるようなないような】川上弘美 中公文庫 ★★★★ 2004.9.7

 

 96~99年に方方に書いたエッセイをまとめたもの。中身はあるようなないような"うそばなし"。

 いつものように文章は妙にかしこばって変なバランスを保っている。雑多な文章達をテーマ毎に大雑把に分類してある内、本や文、書くことや読むことについての文章を集めた3章が特に面白く読めた。富士日記、池田澄子、J.G.バラード、等気になる作品・作家を拾うことが出来た。

 それと、海藻を拾ってきて調べたらどれもこれもに名前があった、というエピソードが心に残る。人は目に見えないものでさえ言葉で捉えてきた(名前を付けてきた)し、いわんや、をや、というわけで。今度真似して何か名前のなさそうなものでも拾って来てみよう。