【緋色の研究】コナン・ドイル 阿部知二訳 創元推理文庫 ★★★★ 2005.7.6
シャーロック・ホームズのデビュー作。二部構成になっており、前半が事件調査から犯人逮捕まで。後半に犯人の犯罪に至る過程が描かれる。という構造のことを知らなかったので、後半のイントロでいきなり雰囲気ががらり変わったのを、SFものが併録されているのかと思って少々戸惑った。
ホームズ譚を読むのはこれで二冊目だ。「シャーロック・ホームズの冒険」同様テンポが良かった。探偵活動時のホームズは現場や証言者の間をひょいひょい飛び回り、一人でうんうん頷いて、何のことやらと思った矢先に、はい、犯人逮捕、という出来具合。上手くまとまった一時間のテレビドラマという感じ。
翻訳物には本当に珍しく、気軽にそして自然に続編に手を出そうという気になるホームズ譚。やっぱり偉大な創作だ。